著者
杉原 丈夫
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.55-59, 1955-01-25 (Released:2009-09-04)
参考文献数
7
著者
寺阪 英孝
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.72-75, 1955-01-25 (Released:2009-09-04)
参考文献数
1
著者
大江 精三
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.24-28, 1954-09-30 (Released:2009-09-04)
参考文献数
6

Man kann von dem Philosophen nicht verlangen, dass er Physiker sei, und dennoch ist seine Wirkung auf den physischen Kreis so notwendig und so wünschenswerte.-Goethe
著者
佐藤 俊治
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.98, pp.17-22, 2002
参考文献数
12

近年, 哲学者の関心をひいている量子力学解釈の1つに, 様相解釈modal interpretationがある.様相解釈は次のことを狙った解釈である : シュレディンガーの猫のパラドクスに陥ることなく, 収縮なしの理論を構築すること.そのための戦術として, 様相解釈は量子系を特徴づける2種類の概念装置を用いる.すなわち, 通常の (量子力学的) 状態stateのほかに, 新たに性質propertyを導入する.これら二重の記述を巧妙に使いわけ-誤解を恐れずあえて一言でいえば, 状態をもちいて予測をし, リアリティについては性質をもちいて語る, ということをおこなう-いま述べた目的を果たそうとする試みが, 様相解釈の研究プログラムである.<BR>現在, 性質を具体的にどう定義するかにかんし, 複数の提唱が並存している.様相解釈という語はそれらの総称であり, 多くの論者がいずれか/いずれものアイディアを, あるいは展開し, あるいは批判する議論を戦わせている.しかし, 中でもとくに議論の俎上にのぼる機会が多いのが, ファーマースとディークスによる提唱である (Vermaas and Dieks 1995, ファーマース-ディークス様相解釈とよぶことにする).本論では, これを取りあげ, 論じる.<BR>ファーマース-ディークス様相解釈は次の2点をその基本アイディアのうちに含む.一方で, ある時刻に1つの合成系を成す諸部分系が, おのおのに, 自身の性質を所有するさいの (同時) 結合確率が, 明示的に定義される.他方で, 性質のダイナミクスが認められる.そのさい, 性質ダイナミクスが安定性テーゼstabilitythesisとよばれる条件を満足することが, 通常, 要請される.安定性テーゼを認めるとき, 本論のいう相互独立性テーゼを認めることが自然である (いずれのテーゼも詳細は後述).しかし, 以上のアイディアを十分実現可能なある具体的実験状況に適用するなら, 矛盾を生じる.本論はこの点を示す.結論は次のとおり : 《安定性テーゼ, かつ, 相互独立性テーゼ》と, 《同時結合確率の定義》とが, 両立しない事例が存在する.
著者
田中 裕
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.177-184, 1990

1982年のアスペによるベルの定理の実験的検証は, 遅延モードを採用する事によって量子力学的相関が光速度以下の因果作用によって引き起こされたものでない事を示す点で画期的なものであったが(1), この検証実験に対するベル自身のコメント (1986) は「何かがベールの陰で光速度以上の速さで伝達されている」こと, 即ち遠隔作用の実在性と「相対性理論をアインシュタイン以前の問題状況に戻す必要性」即ち「ローレンツ不変性を持つ現象の背後にローレンツ不変性を持たない深層レベルがあり, このレベルでは絶対的な同時性と絶対的な因果の順序があると想定する」ことによって量子論的遠距離相関 (EPR相関) を説明する可能性に言及している(2)。またエーベルハード (1989) のEPR問題の歴史的回顧と様々な解釈の包括的要約も, 冒頭に「光速度を越える遠隔作用は (アインシュタインにとって受入れがたい観念であったが) 今日では様々な実験結果と理論的な分析によって実在的な効果である可能性が強い」という視点を提示し, この遠隔作用が, いかなる意味で「実在的」であるかをめぐる様々な解釈の違いを分析している。量子力学を「観測者に言及せずに」実在論的に解釈するポパー (1982) は, 「遠隔作用があるならば何か絶対空間のようなものがある」ことを理由に「量子論に絶対的同時性を導入すべき理論的理由があるとするならば, 我々はローレンツの解釈に戻らなければないだろう」と言っている。
著者
田中 裕
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.117-122, 1989

1964年に発表されたベルの不等式の実験的検証は1970年代から複数の科学者グループによって遂行されたが, 1982年にフランスの物理学者アラン・アスペによって行なわれた光子対の偏極相関の範囲を測定する実験は, 実験の精度の高さと遅延選択の採用による非局所的相関の確認によって, 量子物理学の解釈をめぐる原理的諸問題の考察に新しい局面を拓いたといえる(1)。嘗ては思考実験にすぎなかったものが技術の進歩によって現実の実験となることによって, 1930年代にボーアとアインシュタインの間でなされた量子力学の完全性をめぐる哲学的論争が新しい姿で甦ることとなった。この論文は二部に分かれる。第一部ではEPRの議論に要約されるアインシュタインの量子力学批判を適切な形で再定式化することによって, ベルの定理との論理的な関係を明らかにすることを目的とする。ベルの不等式の実験的反証によって明らかとなった「分離不可能性」の事実を確認したあとで, 第二部ではEPR相関と相対性理論の基本思想との関係を主題とする。
著者
岡田 光弘
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.59-65, 1987

論理記号の意味を論理記号導入規則と呼ばれる推論規則に基づいて与えて論理的意味論を展開する研究が論理学者達によっていろいろな観点からなされてきた。例えばGentzen ([4] II.§5) による説明はその最初のものであろう。Dummett, PrawitzおよびMartin-Löf等による最近の一連の論理的意味論の運動もこのような流れの上にある。また, LorenzenおよびLorenzの学派によるoperational logicおよびdialogical logicもこのような意味論の変形と考えられる。Gentzenはまた, そのような意味論を彼の与えた数論の整合性証明の哲学的意義の説明に際して展開した。Dummettの意図はそのような意味論に基づいて直観主義推論の哲学的基礎付けを行うことにあった 。これらの哲学的立場の共通する特徴はFrege-Russellのパラドックスの出現以来生じてきた論理学, 数学基礎論における哲学論争を哲学的意味論の論争として捉え直すという前提に立っている点にある。伝統的な捉え方に従うと, QuineやPutnamらが指摘するように, 数学基礎論における論理主義, 直観主義, 形式主義の論争は中世の存在論哲学の普遍論争における実念論, 概念論, 唯名論の間の論争に対応すると考えられてきた。ここで普遍論争とは普遍観念 (または一般観念) の存在論的位置付けに関する論争のことであり, 実念論, 概念論, 唯名論は各々一般観念がプラトンのイデアのような形で実在するという立場, 我々の精神において構成されるという立場, 単に記号として使用しているだけでありその存在を前提する必要がないとする立場, に対応している。数学や論理学で使用される観念についての論争もこのような存在論的なレベルの論争と解釈されてきたわけである。これに対して先に挙げた人々の共通した前提の一つはこの論争を存在論的枠組の中でではなく, 意味論の問題として, つまり言語哲学的レベルの枠組みで捉えようとする傾向があることである。つまり, 論理主義, 直観主義, 形式主義等の立場の違いを同じ数学言語, 論理言語に対して採用される意味論の違いによって説明しようとするわけである。例えば古典論理の立場では正しいとされる「<I>A</I>または非<I>A</I>」という形の排中律は直観主義論理の立場では一般には正しいと見なされないが, この立場の違いもそれぞれが別な意味論体系を採用していて, この別な意味論体系に従って, 「または」という論理結合詞に対して違った意味解釈を与える, ということによるとみなされる。<BR>以下において我々はこのような枠組みの中で「論理記号導入規則による意味論」と呼ばれる意味論の採用がいかに我々の論理的数学的言語行為に合ったものであるかをPrawitz-Dummettの議論を踏まえながら述べ (§1), 次にこの意味論の中核部分を最も基本的な形で展開する (§2) 。最後にこの意味論による直観主義論理推論の基礎付けの可能性およびそこに含まれる問題点について検討する (§3) 。
著者
藤田 翔
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-14, 2017
被引用文献数
1

<p> This paper discusses a philosophical answer about the question "in relativistic cosmology, is space really expanding?" In general cosmology which is called a big-bang theory, cosmological space is said to have been expanding like a balloon gradually pumped up since a big-bang, which is shown by a co-moving coordinate of which the scale gets bigger as a proper time of observers in the earth passes. In this paper, I would like to interpret this phenomenon from a structural spacetime realism's viewpoint in which spacetime is real as different whole structures for different coordinates you arbitrarily choose depending only on a metric/gravitational field. Through my remark, I get a new conclusion of what spacetime really means,thus the role of specetime in contemporary physics. </p>
著者
佐藤 英明
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR PHILOSOPHY OF SCIENCE
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.79-84, 1996-03-31
参考文献数
12

従来, 絵画的描写は言語的記述と異なり, その対象との間に何らかの「類似性」が存在するものと考えられてきた。だが, N.グッドマンは『芸術の諸言語』において, そのような考え方が誤りであることを指摘し, 言語的記述と絵画的描写との違いは, その記号系が「稠密」か否かに求められるとした。本稿は, このグッドマンの理論の難点を明らかにし, その克服の方途をフッサールの像理論に見いだそうとする試みである。そして, それによって, 逆にフッサールの像理論をグッドマンの理論に基づいて再構成し, そこに「類似性」を考察する新たな視点を求めたい。
著者
佐藤 暁
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.1-17, 2014

In The Origins of Analytical Philosophy, Dummett criticized the philosophy of Husserl for being a Humpty-Dumpty theory. We reconstruct this criticism into a more general argument that shows that the idea of meaning as a type entails the Humpty-Dumpty theory. In interpreting Dummett's text, we show that the criticism of the Humpty-Dumpty theory is a criticism of "associating expressions with meanings" in an attempt to explain linguistic significance, and that types are not objects, but rather equivalence relations. In addition, we demonstrate that tokens are not concrete, but theoretical objects, and thus should be distinguished from bearers of tokens, which are bare physical objects.
著者
依岡 輝幸
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.45-52, 2009-03-31

It is well known that the Continuum Hypothesis is independent from the axioms of set theory by the results of Kurt Godel and Paul Cohen. However, there are some set theorists who do not consider that this independency of the hypothesis is the ultimate answer of the continuum problem and who think the validity of the hypothesis should be determined. Recently, several ideas have been proposed to decide the hypothesis. In this paper, we introduce two ideas to determine the truth of the Continuum Hypothesis, which are related to the concept of forcing absoluteness. One is the concepet of forcing axioms, and the other is Ω-logic.