著者
森元 友絵
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.555-559, 2011-06-01

近年,地球温暖化防止をキーワードに政府政策として"エネルギーの使用の合理化に関する法律"が出来,2010年4月より,CO<SUB>2</SUB>排出量の報告が義務付になりました。この様な背景のもとあらゆる電気設備に於いて省エネルギー開発の導入が加速して参りました。日本の電力消費量の内空調機が占める割合の多さ(全体の約30%(推測)2,666億kWh・空調機の占めるCO<SUB>2</SUB>排出量約1億4,796万トン)に着目をし,空調機器の革新的省エネ装置としてこのたび電気を使わない凝縮促進装置「ダブル冷却のび太くん」,空調設備の省コスト・省エネ・長寿命化を実現致しました。従来の機器そのままに熱交換(凝縮促進部)を追設するだけで年間の消費電力量を削減し,電気代を15%~25%削減が可能になりました。CO<SUB>2</SUB>削減にも大きく貢献します。"のび太くん"は,CO<SUB>2</SUB>特定排出業者に指定されている大手企業から中小企業まで取り上げられ今日まで約7,000台以上の実績を積み上げ,その効果は実証されて参りました。<BR>ダブル冷却のび太くんはエアコン(冷房),ショーケース,冷凍・冷蔵庫,冷凍車など冷凍に関わるすべての機器に適応する新システムです。エアコン(冷房)を24時間稼動する店舗・コンビニエンスストア・病院・老健施設や,冷凍冷蔵庫や冷凍車などの流通・物流施設におすすめです。
著者
飯田 清昭
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.1398-1407, 2014
被引用文献数
1

中国で発明された紙とその製法が,東へは日本へ,西へはサマルカンドからダマスカスを経て北アフリカからスペインに伝わり,その後ヨーロッパに広がった。別に,ギリシャからヨーロッパへ入ったルートもあるようである。そのヨーロッパで,産業革命による種々の技術革新を取りこんで,近代製紙産業に生まれ変わり,それが全世界に広がっていった。本稿では,2000年前に発明された紙が,近代製紙産業の誕生に如何につながっているかを追ってみた。<BR>歴史的には,植物が普遍的な構造単位として持っている繊維が,紙の構成原料(パルプ)として利用されてきた。しかし,産業革命以前では,利用できる薬品は木灰(炭酸カリウム)と消石灰で,処理温度は100℃までである。また,繊維をフイブリル化させる叩解動力は,人力か水車(木造)動力までである。これでは木材は到底利用できず,靭皮植物(大麻,楮,亜麻)や竹を手間暇かけてパルプ化した。結局,各地域で入手できる植物を,工夫を凝らして利用し,求められる品質になるように改良してきたのがその歴史である。<BR>中国では,蔡倫の発明とされる時代(105年)より数世紀前から紙が作られてきたとされている。その紙は木簡・竹簡に代わって使用され始める。さらに,中国社会の発展により,需要が増え,それを満たすことで(楮の利用)社会の発展を促した。そして,紙は,文章の媒体であるのみならず,生活に密着した必需品となっていった。それを支えたのが,大麻,楮に続く竹のパルプ化で,豊富な原料を手にしたことで,福建省を中心に大型の生産拠点が生まれ(大量生産によるコストダウン),唐代から明代までの中国文化の全盛期を支えた。<BR>中国の製紙技術は,イスラム地域との交流を通して,独自のイスラムの製紙技術になっていった。
著者
小林 良生
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.1173-1179, 2002-08-01 (Released:2009-11-19)
参考文献数
16

The shift of the policy of pulp and paper industries from non-woody raw materials such as kenaf and bagasse to wood chips accelerated plantation of eucalyptus, especially Eucalyptus camldulensis in North-East in Thailand. Phoenix Pulp and Paper Co., Ltd. switched from kenaf to eucalyptus and bamboo after several years' operation in 1987. Advance Agro Co. belonging to Soon Hua Seng Conglomerate has entered in these industries in the late 1980 s and the early 1990 s with plantation of eucalyptus in their own farmers' network fields. In spite of strong farmers' resistance movement against the plantation, eucalyptus plantation is gradually and steadily prevailing in North-East Area in Thailand. FAO organized a symposium to confirm scientifically the evaluation of eucalyptus plantation. The conclusive argument pro and con eucalyptus plantation provided by FAO was introduced. Finally research organizations concerning pulp and paper as well as afforestation were also mentioned.
著者
名越 亮
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.89-101, 1962-02-20 (Released:2010-02-10)
参考文献数
38
著者
山内 靖夫 清水 義秋
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.517-524, 1973-11-01 (Released:2009-11-10)
参考文献数
26

Fluorescent whitening agents (FWAs) have been manufactured since 1950 in Japan. Now, they are used very widely in the fields of paper, textile, and detergent industries.Discussions were given to the results of medical surveys and studies on the safety of the FWAs derived particularly from diaminostilbene disulphonate.The FWAs can be considered to be safe both in chronic and acute toxicities.Further, possibility of the FWAs' contamination to human skin or table-wares from papers and textiles was examined.The results showed that the degrees of contamination were very small or negligible.As a conclusion, the FWAs are practically nontoxic even if they are taken into human bodies, though they can not migrate to human skin from papers or textiles containing the FWAs.
著者
ロバートソン リンダ 石井 康正
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.830-836,021, 2003-06-01 (Released:2010-10-27)
参考文献数
6

抄紙機中では多くの微生物が増殖可能である。これら微生物は, 肉眼で見られる汚れを形成して, シート欠陥や穴, あるいは断紙も発生する。微生物は。パルプや各種製紙工程薬品の性能低下と腐敗を招くこともある。この腐敗は, 繊維の強度低下や製品の品質低下を招く異臭発生やデンプン粘度低下及びその他の多様な問題を起こすことがある。トリプトングルコース寒天培地やペトリフィルム (PetrifilmsTM) 培地による48時間培養等の様な単純な好気性プレート培養法では, 問題を生じる微生物の全てを把握できる分けではない。また, 浮遊性 (Planktonic) の微生物については, その菌数値と装置表面での汚れ付着量とは相関しない。装置表面に付着してバイオフィルムを形成する微生物は, 浮遊性微生物とは異なる性質を持つ付着性 (Sessile) と呼ばれるものである。このような背景から, 微生物に関する問題を診断することが難しい。単純なプレート培養法のみに頼って好気性菌の検出を行うと問題の誤診を招く可能性がある。そして, 誤った結論を招く可能性がある。製紙工場での問題を解決するためには, 抄紙系に生息している微生物の環境による挙動を全体的に理解しておく必要がある。本報では一般に受入れられているプレート培養法の限界について論じ, 3つのケーススタディーを用いて, 微生物に関する問題を解決するための診断方法を紹介する。
著者
森本 智
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.231-235, 1966-05-05 (Released:2009-11-11)
参考文献数
5
著者
関 義城
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.9, pp.471-479, 1967-09-01 (Released:2009-11-11)
被引用文献数
1
著者
井上 親之
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.10, pp.565-576, 1967 (Released:2009-11-11)
著者
鷲谷 公人 柴 裕一 西 哲哉
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.559-567, 2005 (Released:2006-08-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

近年, オフ輪印刷において特殊なゴースト現象の発生が増えている。この特殊なゴースト現象は通称デラミゴーストと呼ばれ, ブランケットシリンダーへ用紙が付着する形の走行不良がインキの転写不良を起こし, ゴーストとなって現れるものと推測されている。印刷機が高速化, 用紙が高品位化するほど発生しやすくなるため, 印刷作業性や印刷品質を損なわない防止法の開発が期待されている。しかし, 用紙が本現象に与える影響については系統だって調べられていなかった。本報では用紙要因の確認を目的として, 種々の物性を持たせた印刷用紙を用いてデラミゴーストとの相関関係を詳細に解析した。その結果, 平滑性, 特に圧力下での平滑性 (プリント・サーフ表面粗さ) がデラミゴースト発生度との相関が強く, 平滑な用紙はブランケットロールへの付着を促進するためと考えられる。またプリント・サーフ表面粗さが同程度の場合はインキセット性が相関が強く, これはインキセットが速いものはインキの転写不良を起こしにくいためと考えられる。これらの結果は, 従来言われていたデラミゴーストの発生機構の正しさを裏付けている。
著者
濱田 忠平 宮原 利浩 川崎 秀一
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.1042-1050, 1996-07-01 (Released:2009-11-16)
参考文献数
6

プリント配線板に用いられている紙フェノール積層板のフェノール樹脂の分布状態の分析法について検討を行った。紙フェノール積層板中のフェノール樹脂の分布は, 標識となる元素が含まれていないため分析が困難であった。今回は, 前報で報告した, 木材及びパルプ中のりグニンにオスミウムを付加して, その分布状態をEPMA で観察する方法を応用して, フェノール樹脂の分布状態を観察する方法について検討した。オスミウム酸は, フェノール樹脂に付加する処理時間は, プリプレグ (フェノール樹脂を紙に含浸して一次硬化させたもの) では48時間以上, 紙フェノール積層板では72時間以上を要した。この処理によって, オスミウムはプリプレグ及び紙フェノール積層板中のフェノール樹脂に選択的に付加することが示された。この方法により紙フェノール積層板断面のWDSカラーマップを低倍率で観察すると, 各層間でのフェノール樹脂の分布が明らかになった。更に, これを高倍率で観察すると, フェノール樹脂がパルプ繊維の周囲及びルーメン内で高く分布していることが明らかになった。また, 積層板製造時にフェノール樹脂と同時に含浸される難燃剤中の臭素原子を同時に検出することにより, それぞれの浸透挙動が異なっていることが明らかになった。今後は, プリプレグ及び紙フェノール積層板中のフェノール樹脂の分布状態が紙フェノール積層板の各種特性にどの様な影響を及ぼすかについて検討を行う予定である。
著者
臼田 誠人
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.733-739, 1991-07-01 (Released:2009-11-19)
参考文献数
12

For saving of energy and forest resources, there is a tendency to lessen the basis weight of paper. Basis weight of newsprint decreased from 52 g/m2 to 46 g/m2 by request of newsprint company about 10 years ago. Newsprint of 43 g/m2 is produced partly. In the case of fine paper, a decrease in basis weight brings about deterioration in the mechanical and optical properties that are the most important characteristics for end uses of paper. Roughness of paper surface makes it difficult to measure exactly the thickness of paper. The fact causes many problems for definition of mechanical properties of paper. Inhomogeneous structure through z direction has a strong influence on properties of paper when the thickness is decreased. The effect of paper thickness on Young's modulus and optical properties is disccussed. The importance of drying conditions of wet web on physical properties of paper is also described.