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出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.157-161, 2015

■第70回年次大会の宿泊・交通等の案内(今回は旅行業者による取扱いはありません) ■第14回代議員懇談会開催のお知らせ ■第95回定時総会開催のお知らせ ■ 2015年1月1日付新入会者 ■第71~72期代議員選挙(信任投票)のお願い
著者
西川 公一郎
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.332-337, 2003

K2Kグループは2001年7月までのデータを解析した.長基線実験が可能であることを示すとともに,世界初の加速器実験により,ニュートリノ振動の存在を99%以上の確率で検証した.またデータはニュートリノ振動に固有なニュートリノエネルギースペクトルの歪みを示唆している.加速器実験によるニュートリノ振動実験の現在と将来について述べる.
著者
堀田 英之
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.71, no.11, pp.762-766, 2016

<p>太陽内部で,カオス的速度場・磁場から秩序だった構造を作り出すメカニズムの発見について解説する.太陽には黒点という強磁場領域があり,この黒点の個数は11年の周期を持って変動している.黒点は,太陽内部で乱流によって生成された磁場が表面に浮き出た断面と考えられている.黒点には様々な極性や向きに関するルールがあり,90%以上の黒点がこのルールに従う.黒点は3万km程度の構造であり,円周440万kmの太陽から見ると局所的な構造であるにも関わらず,ただランダムに黒点が現れるのではなく,大局的なルールを持っているということは太陽内部に全球スケールの大規模磁場が存在することを示唆している.</p><p>太陽内部の外側30%である対流層は,お湯を沸かしたように熱対流不安定な状態にあり乱流で満ち溢れている.その巨大なシステムサイズと低い粘性によって,乱流を駆動する空間スケールと散逸するスケールに非常に大きな差があることが知られている.いくつかの仮定が必要だが,理論的にはこの二つのスケールには10<sup>7</sup>ほどの比があると見積もることができる.磁場は小スケールでの生成が短い時間スケールを持っており,与えられた乱流の中で磁場を生成することを考えると,太陽では乱流の最小スケールであるcmスケールの磁場のみが卓越し,観測される大規模な磁場はできないと考えられる.このスケールギャップを如何にして埋め得るかが,本記事の主題である.</p><p>この考察の妥当性は,すでにアメリカやカナダのグループによる数値計算で確かめられている.2010年頃に達成した解像度の数値計算では,大規模磁場やその磁場の周期性を確認できたのだが,計算の高解像度化が進むにつれて,太陽で予想されるような大規模磁場が作られにくくなっていってしまった.これは高解像度化によって自由度が増え,小スケールの乱流が大規模磁場を破壊してしまったことが原因なのであるが,太陽は言うなれば超高解像度のプラズマ流体であるので,どのようにして,大規模磁場を生成・維持しているかは大きな謎になっている.</p><p>この状況を解決しようと,筆者らはこれまでにない高解像度計算に挑戦した.超高解像度化したときのみに現れる物理現象を見逃しているのだろうと考えたのだ.大規模計算機を扱うための新しい計算手法,低粘性・低磁気拡散の計算スキーム,そしてスーパーコンピュータ「京」によってこの高解像度化は実現した.計算の結果を見ると,これまでの研究で実現できている範囲ならば,高解像度化したときに大規模な磁場エネルギーは小さくなり,過去研究と調和的であった.しかし,さらに高解像度化を進めると,大規模な磁場が再度強くなるという現象を発見した.今回達成した解像度では,小スケール乱流による磁場生成能力が非常に効率的になり,小スケールで磁場のエネルギーが運動エネルギーよりも大きくなった.この結果,小スケールの乱流が強く抑制され,大規模な磁場を破壊していた運動を避けることができたのだ.今回の発見では強い粘性を仮定しなくてよく,実際の太陽でも起こりうる重要な発見であると考えている.</p>
著者
住 斉
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.911-918, 1991-11-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
34
被引用文献数
2

化学反応の速度に関する最も標準的な理論は, Eyringに始まる遷移状態理論である. この理論は, 反応の進行中に反応の始状態内の熱平衡が常に保たれていることを仮定している, ところがこの十年程の間に, 溶媒中の反応ではこの仮定が成立しない場合があることが次々と明らかになってきた. その原因は, 例えば水中の反応では, 溶質分子が水和状態を作り, その熱揺らぎがゆっくりしていることにある. 溶媒中の反応は, 化学反応の内で最も基本的なものの一つである. そのため, それらにも適用できるより一般性を持つ反応速度の式を求めて, 理論・実験の両面で活発な議論が展開されるようになってきた. その経過を紹介しよう.
著者
嶽山 正二郎
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.170-178, 2012-03-05 (Released:2019-10-19)
参考文献数
29
被引用文献数
1

物性研究所での超強磁場プロジェクトは,5MJ(メガジュール)大型コンデンサバンクを用いた電磁濃縮法によるパルス超強磁場発生とその物性応用を目指して1980年から本格的に開始された.現在,最高発生磁場は700T(テスラ)を超え,600Tにおける極低温と組み合わせた高精度の物性測定が可能となった.室内実験としては世界最高の値である.磁場発生最高値の引き上げだけでなく再現性の格段の向上がなされた.500T以上での信頼性ある物性計測ができるのは物性研究所が世界唯一となっている.最近の磁場発生の技術開発の状況と物性計測への応用例,これから新たに始めようとしている1,000T達成を睨んだ計画について述べる.

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著者
今井 功
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.288-293, 1953-08-25 (Released:2008-04-14)
参考文献数
5
被引用文献数
1
著者
外村 彰
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.449-451, 1999

高温超伝導体中の磁束量子は, いろいろ不思議な振舞をすることが予測されているが, その実体ははっきりわかっていない. 今回, ローレンツ顕微法の改良により, まがりなりにも磁束量子をリアルタイムで観察できるようになり, 高温超伝導体ならではの動きを捉えることができた.