著者
村上 幸二
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.288-299, 2018-01-01 (Released:2018-02-16)

学校図書館メディア活用能力の育成を教科指導の中で行う融合方式は,利点が多い一方で教科との両立が難しいとされる。本研究では,教科における指導と評価に着目し,学校図書館メディア活用能力育成の内容と関連させることで両者の両立を目指した。例として,小学校第4学年国語科の「話すこと・聞くこと」の領域を取り上げ,本研究で提案する融合方式によって,学校図書館メディア活用能力育成の授業を設計した。授業の実践をもとに考察したところ,学校図書館メディア活用能力の育成と教科指導との両立が可能であることを確認した。
著者
北 克一 村木 美紀
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.266-277, 2004-03-01 (Released:2017-05-24)

コンビュータ目録環境下での主題検索ツールとしての二つの件名標目表,『中学・高校件名標目表第3版』及び『基本件名標目表第4版』について,前者の後者への変換・包摂について検討を行う。両件名標目表は,共に事前結合方式による件名標目・参照をもつ体系であるが,検討は,前者での件名規定にあたる「件名標目表の構成」の論旨展開に従って行い,若干の例外的処理を除いて,変換・包摂することに問題がないことを実証した。
著者
鞆谷 純一
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.312-322, 2006

日中戦争中,北京においては,日本軍に協力する中華民国新民会が図書館等に所蔵されている抗日図書を接収した。中華民国新民会の任務は,中国民衆の親日化にあり,抗日図書の接収もその任務の一環だったのである。接収された抗日図書は,日本人図書館員の協力も得ながら,新民会によって整理され,各種の目録が作成された。
著者
長坂 和茂
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.304-316, 2017-01-01 (Released:2017-06-26)

日本図書館協会の総裁徳川頼倫は,1923年から特別預金5万円の利子として年3000円を協会に対して支払い,財政的に支援している。その利子を当時の協会財政と照らし合わせ,利子の影響力の大きさと,使途について調査した。 年3000円とは当時の日本図書館協会の会費収入に匹敵する重要な収入源であり,図書館雑誌の月刊化や図書館週間の宣伝などに使われていることが判明した。 特別預金利子が大正期の日本図書館協会の財政にとって,大きな役割を果たしていることが明らかとなり,華族による社会貢献の一端を見ることができる。