著者
中川 大介 山口 恵介 藤本 忠博 村岡 一信 千葉 則茂
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.350-361, 2001-07-25
被引用文献数
2 4

近年, コンピュータグラフィックスにおいて非写実的なレンダリング法の研究が盛んに行われている. 本論文では, 挿し絵やテクニカルイラストレーションなどに用いられているペン画を取り上げ, 与えられた濃淡画像からペン画調画像を生成する手法について提案する. ペン画の基本的な技法には, 線で表す線描法と, 点の集まりで表す点描法がある. 線や点のサイズが表示デバイスの解像度に依存していると, 低解像度のデバイス(モニタなど)では線や点が連結して模様が認識されるアーティファクトの発生がさけられない. 本手法では線描の画像生成に1/fノイズによる揺らぎを与えた平滑化直線と呼ぶ濃度分布を持つ直線を用い, 点描の画像生成に平滑化点と呼ぶ濃度分布を持つ点を用いることでアーティファクトの発生を低減させることできる.
著者
田代 裕子 齊藤 剛
出版者
画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.725-732, 2010-09-25
著者
西田 友是
出版者
画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.909-912, 2009-11-25
著者
青木 工太 長橋 宏
出版者
The Institute of Image Electronics Engineers of Japan
雑誌
画像電子学会誌 = Imaging & Visual Computing The Journal of the Institute of Image Electronics Engineers of Japan (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.286-295, 2006-07-25

画像分割は画素の分類問題と解釈できる.分類は画素ごとにラベルを割り当て,帰属すべきクラス(部分領域)を指示す ることで達成される.分割ラベルの推定とともに,最適なモデルパラメータを決定することは容易ではない.本稿で提案するモデルはパラメータの事前分布に対して,データに関する 「最小限」の仮定を反映するような階層構造を導入することにより,情報が不 十分である状況において有効であると考えられる.観測された画像の下で,ギブスサンプリングにおけるマルコフ連鎖は分割ラベ ルおよび,パラメータに対する同時事後分布を効率的に探索する.この連鎖をシミュレートして得られる標本列を用いてベイズの定理に基づく推定を行う.また,人間が領域分割を行ってラベリングした画像データベースと比較することによって,アルゴリズムによる分割結果の定量的な評価を試みる.
著者
安達 文夫
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.683-690, 2004 (Released:2009-09-03)
参考文献数
14

博物館のディジタルアーカイブは,展示を含めた広範な公開に活用するために行われる.研究向けには,目録にあたる基本情報が網羅的に付されることが求められる.一般向けには利用者層に応じて選ばれた資料が,解説や関連情報とともに提供されることが望ましい.概観を表す画像は基本情報の一部と位置付けることができる.資料の内容を表す情報として,研究に必要な情報量を持つことで,一般向けにもディジタルアーカイブとしての価値が生ずる.   このような例として,国立歴史民俗博物館では,非常に細かく描かれた大型の平面資料やコレクション資料を主な対象とした超精細ディジタル資料を制作している.多くの入館者が利用できるよう,操作性に特段の配慮をしている.展示などに適用した事例から,資料の細部や隠れた箇所を明りょうに見ることができ,原品で必要な細心の注意を払うことなく,自由に閲覧できるといった実物にはない効用を持つことが,ディジタル資料が広く活用されるために必要であることが示された.
著者
栗原 恒弥 宮田 なつき
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4B, pp.539-546, 2004 (Released:2006-05-18)
参考文献数
14
被引用文献数
1

本論文では,医用画像 (CT) を用いて変形可能な手のCGモデルを生成する方法を提案する.複雑に変形する手の形状を表現するためには,正確なリンク構造の推定と,姿勢に依存した皮膚の変形を実現する必要がある.このため,提案手法では,医用画像を用いて複数の姿勢における,骨格形状,皮膚形状を同時に取得し,これらを用いて変形可能な手のモデルを生成する.提案手法は,以下の3つのステップからなる.第一に,複数姿勢における手の骨格形状から,骨格のリンク構造(各関節の回転中心,回転角度)を推定する.次に,各姿勢における皮膚表面形状を同一構造のポリゴンメッシュに変換する.具体的には,ある姿勢の皮膚表面形状(以下基準形状と呼ぶ)を変形,フィッティングすることで,別の姿勢の形状を表現する.このために,まず基準形状を,求められた関節中心および関節角度を用いて変形する.さらに,変形された形状を計測データに対話的にフィッティングすることで,同一構造のポリゴンメッシュを得る.最後に,求められたリンク構造と皮膚形状をpose space deformationによって補間して,皮膚形状の変形を表現する.CT画像を用いた実験を行い,約50,000頂点から構成される複雑な手の形状変形を実現した.