著者
神 展彦 芳賀 直樹 藤代 一成
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.160-164, 2017-01-30 (Released:2019-03-15)
参考文献数
8

グルーヴとは,演奏における音のうねり,リズムのノリや一体感などを表す音楽特徴で,よい演奏に必要不可欠な要素の一つである.グルーヴ可視化は,音楽的センスや聴力の個人差によらないグルーヴの習得や音楽経験に制限されない音楽の感動の共有など,さまざまな応用につながる.本論文では,MIDI信号として入力された音楽をインタラクティブに図形に変換する,直感的なリズム可視化システムSeeGroove2を提案し,ライブ演奏の可視化への応用やグルーヴ教育ツールとしての応用可能性を示している.演奏された音符それぞれに対して点をプロットし,滑らかに補間することにより,リズムパターンを多様な環状図形に即時的に表現できる.インタラクティブ性は,1,920 Hzで動作する入力系スレッドと60 Hzで動作する計算・描画系スレッドのマルチスレッド設計によって実現される.
著者
小鍛冶 徳雄
出版者
画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.p202-214, 1981
著者
佐藤 弘起 佐藤 和弘
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.204-209, 2007 (Released:2011-08-25)
参考文献数
9

画像のエッジ部分には,画像の特徴を決める重要な情報を多く含んでいる.そこで,画像の凹凸情報を正規化した凹凸係数と名付けた関数を用い,画像のエッジ検出や2値化処理を行った.凹凸係数は,演算対象画素の輝度値を,その周辺に位置する数画素平方の画素の平均輝度値で除算したもので,照明条件などの要因で局部的に画面の明るさが変化しても,画像の濃度変化を正確に抽出できる.その結果,従来のフィルタ処理では実行し難かったシェーディング画像の2値化処理も正確に行うことができるなど,大きな特徴を出せることがわかったので報告する.
著者
畠 康高 豊浦 正広 茅 暁陽
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.338-347, 2014-07-30 (Released:2015-11-06)
参考文献数
22
被引用文献数
1

鉛筆画は,モノトーンを用いながら豊かな表現が可能であり,ラフなスケッチとしても完成度の高い芸術作品としても多くの人に親しまれている.我々はビデオを鉛筆画風動画に自動変換する手法を提案する.静止画を自動的に鉛筆画に変換できるLIC法を用いた鉛筆画生成法を用いる.しかし,静止画の鉛筆画変換手法を動画の各フレームにそのまま適用すると,ちらつきやシャワードア効果が発生する.この問題を解決するために,フレーム間で相関を保ったストロークを生成する新しい技術を提案する.前フレームのストロークを基に,輝度の変化に合わせて,不足するあるいは過剰なストロークのみを,追加または削除し,オブジェクトの移動に合わせてストロークの位置を移流することで課題を解決する.
著者
村松 大吾 橋本 侑樹 小方 博之
出版者
The Institute of Image Electronics Engineers of Japan
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.47-55, 2013

筆記は個人性が現れる動作のため,個人を認証する特徴として利用されている.従来の筆記を用いた個人認証はオンライン署名認証に代表されるような運筆動作に注目した手法である.本稿では,運筆動作ではなく,筆記時のペンの持ち方に着目した個人認証手法を提案する.提案手法では,筆記者のペンの持ち方をカメラにより撮影し,撮影された画像から「持ち方」の違いや「手」の違いを考慮して「ペン持ち方」に関係する特徴を複数抽出し,それらをスコアレベルで統合することで認証を行う.30人から取得したペン持ち方画像を用いた精度評価実験では,提案手法により等誤り率2.7%で本人と他人を判別できる結果を得た.また本人の持ち方を真似したなりすましデータを用いた攻撃耐性評価実験では等誤り率4.1% という結果を得た.
著者
辻 広生 福水 洋平 道関 隆国 山内 寛紀
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.510-521, 2017

防犯カメラにより撮影された顕著な照明光成分の偏りを有する複合劣化ナンバープレート画像の文字認識精度を改善し,かつ人の視覚特性にも適合する輝度値補正手法が求められている.この要求に沿った輝度値補正を行うため,サポートベクター回帰をRetinexモデルにおいて適用する手法を提案する.提案手法は,顕著な照明光成分の偏りに対応するためサポートベクター回帰を用いて従来のRetinex処理よりも正確に照明光成分を推定し輝度値補正精度を改善する.提案手法の有効性を確認するため,実写画像に複合劣化を付与した画像を実験用画像とし,正規化相互相関による劣化文字認識精度実験を行った結果,提案手法における正答率は従来のRetinex処理における正答率よりも最大で約39パーセント高い値となった.また提案手法を適用した画像は従来のRetinex処理を適用した画像よりもHalo が低減し,提案手法は,少なくともHalo の観点で従来のRetinex処理よりも視覚的に自然な画像を復元した.さらに実環境で撮影された防犯カメラ画像を対象とした場合においても提案手法は従来のRetinex処理よりも優位性があることを確認した.また輝度値補正手法を畳み込みニューラルネットワークによる文字認識に応用した場合においても提案手法は従来のRetinex処理よりも有効であることがわかった.
著者
細田 真道 神田 嘉男 大竹 孝幸 池田 敬 小林 直樹
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.17-27, 2007 (Released:2011-08-25)
参考文献数
21

本稿は,従来の電話網をVoIP網に置き換えた場合に,従来のFAX端末を利用した,みなし音声FAX通信で発生する問題について検討し,実験を行いその解決方法を提案する.まず,従来の電話網にはないVoIP網特有の性質について述べ,更にFAX通信の性質について述べる.次に,そこから導かれる三つの問題点,エコー問題,アナログ波形再生異常問題,けた間タイマ問題について検討を行うとともに,実験を行い事象を確かめる.最後に実験結果などから問題の解決方法を提案する.
著者
平岡 透 浦浜 喜一
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画電誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.490-493, 2016

本稿では,特異値分解を用いて写真画像からレオパード柄風の画像を生成するノンフォトリアリスティックレンダリングの方法を提案する.提案法のレオパード柄は写真画像の暗い領域は暗く,明るい領域は明るく表現されるので,レオパード柄風画像は元の写真画像を想起しやすいものとなる.提案法のパラメータを変えた実験をレナの画像を用いて行うことで,発生するレオパード柄の変化を調べる.また,レナ以外の写真画像にも提案法を適用し,生成されるレオパード柄風画像を視覚的に評価して,今後の課題について述べる
著者
岩切 宗利 宗石 和久
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.534-542, 2014-09-30 (Released:2015-11-06)
参考文献数
24

劇場や映画館などで盗撮された映像コンテンツ再配布は,著作者等の利権を侵害するものとして大きな社会問題になっている.その対策である電子透かし技術は,電子的な著作物の著作権を証明するために検討されてきた.電子透かしは,著作権の存在を示す手段として有効であるが,盗撮者の特定には利用できない.本論文は,劇場や映画館などで盗撮され,不正に配布されている映像から,盗撮者の撮像位置を推定する技術とその評価結果を示したものである.提案方式は,映像から得た空間座標既知の特徴点を用いて,盗撮者の撮像位置を推定する手法である.本方式に関する評価結果は,提案方式により盗撮位置を正確に推定できることを示した.盗撮位置推定の可能性は,個人特定を恐れる不正者にとって脅威であり,盗撮行為の抑止にも有用と考える.
著者
伊藤 雅典 斉藤 文彦
出版者
The Institute of Image Electronics Engineers of Japan
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.708-711, 2012

近年,パスワードや鍵を必要とせず身体的特徴を用いたバイオメトリクス認証が注目され,現在では様々な場所で用いられるようになった.特に顔認証は多くの研究がなされ,今なお必要とされている.顔認証には正面画像がよく用いられるが、情報量が多すぎる欠点がある。そこで本稿では,身体的特徴として横顔画像の輪郭線特徴に着目し,横顔画像から得られる輪郭線情報における個人認証の可能性を評価する.カメラから取得した横顔画像から輪郭線を登録し、点対の画素マッチングにより類似度を計算する。実験の結果、本人認識率約89.4%であり、横顔画像には個人識別に有効な情報が含まれていることがわかった。
著者
新井 康平 ト 憲強
出版者
The Institute of Image Electronics Engineers of Japan
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.361-368, 2011

短時間に安定したクラスタ解に収束する強化学習・競合学習に学習オートマトンを考慮した新たなオンラインクラスタリング(Pursuit Reinforcement Competitive Learning: PRCL)を提案する.クラスタリング手法の性能比較用に多用されているカリフォルニア大学のUCIリポジトリを用いて既存の手法,Reinforcement Guided Competitive Learning: RGCL,Sustained RGCL: SRGCL,Vector Quantization: VQとクラスタリング性能を比較し,PRCLがほかに比べて収束性能などにおいて優れていることを示す.また,PRCLを限定領域にランダムに散在する避難民を二つの避難口に誘導する状況を設定した避難誘導シミュレーションに適用し,避難民の衝突確率,避難に要する時間,二つの避難口の避難民数のバランスなどを評価した結果,既存手法の中で最も高性能なVQよりも高性能であることを確認した.
著者
新井 康平 ト 憲強
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.301-309, 2010-05-25 (Released:2011-08-25)
参考文献数
21
被引用文献数
1

対象個体の数,分布など性質が変化する場合に適応が可能な オンラインクラスタリング法として提案されているもののうち, 比較的収束性能が高い強化学習・競合学習に基づく方法に, 追跡アルゴリズムを導入して更に収束性能を向上させた Pursuit Reinforcement guided Competitive Learning: PRCL法を提案する. この方法を地球観測衛星画像のように 大規模画像から画像部位を検索する場合に適用し, 検索所要時間,検索ヒット率,検索位置誤差および収束性能を評価したところ, 既存のベクトル量子化などのオンラインクラスタリングよりも高くなることがわかった. また,この方法を拡大・縮小率の異なる画像の部位を検索する場合に適用したところ, 倍率が一定の条件の下に画像部位検索が正確に行えることを確認した.
著者
佐藤 公則 坂田 真美 鹿嶋 雅之 渡邊 睦
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.79-84, 2014-01-30 (Released:2015-11-06)
参考文献数
18

近年,盗難や紛失の恐れの少ない生体認証が普及している.しかし,偽造や,外的要因に影響されやすいといった欠点が挙げられる.本研究ではこれらを解決するため,歯を用いることとした.この利点として,指紋や静脈認証とは違い歯の情報取得は非接触型のため,衛生的であるということが挙げられる.一方,歯を用いた個人識別では,死体の身元確認が主な用途である.これは,歯のレントゲン写真や治療痕を照合に用いており,特殊な機械,技術を要する.本研究ではCCDカメラで歯並びを撮影し,歯並びの大局的特徴と局所的特徴の両方を利用して個人認証を行うシステムを提案する.実験結果から,歯並び画像解析に基づいた個人識別の有効性を示し,識別性能のFRR=0%とFAR=0%を確認した.
著者
坂野 鋭 末永 高志
出版者
画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.251-257, 2003-05-25
被引用文献数
1