著者
上原 聡介 伊藤 智則 吉井 英樹 鶴丸 和宏 小松 尚久
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.5, pp.1-6, 2011-05-12

本稿では,携帯端末の搭載機能として標準採用されつつある三軸地磁気センサ (電子コンパス機能を含む) から取得できる地磁気データの特徴を示し,徒歩,電車,バス,自動車といった人物移動手段の推定に利用可能かどうか検討を行う.ここで,三軸地磁気センサが搭載されている携帯端末にはアップル社製のスマートフォンである iPhone 3GS を用い,特徴量としては平均と分散を検討した.A geomagnetic sensor is becoming a standard feature for mobile phone. In this paper, we show characteristics of geomagnetic data by using a three-axis geomagnetic sensor (including an electronic compass function) in a mobile phone, and suggest effectiveness of geomagnetic data to estimate person mobility. Person mobility means which kind of way a person takes to move from one geographical point to another. In this paper, we check four types of person mobility, which are walking, train, bus, and car. We use Apple's smartphone-iPhone 3GS as a mobile phone equipped with a three-axis geomagnetic sensor. Also, as feature value, we investigate average and variance.
著者
山崎 恭 小松 尚久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.1335-1346, 1996-08-25
被引用文献数
22 7

個人の身体的特徴・特性の一つとしてオンラインで取得された筆跡情報に着目し, より信頼性の高い筆者認識手法の確立に必要となる新たな個人性の抽出手法を提案する. 従来の筆者認識研究では, 個人の特徴を反映するパラメータ (特徴パラメータ) が, 個人の特徴の現れやすい部分から抽出されたものであるか否かということは, 必ずしも問題とされていない場合が多い. これに対して筆者らの提案する個人性の抽出手法では, 複数のグループ (カテゴリー) に特徴パラメータを分類し, 個人の特徴の現れ方に応じて特徴パラメータに重み付けを施すことで, 従来よりも筆跡情報に現れる個人性をより明確化することが可能となる. また, 提案手法では, 字種への依存度を可変とする特徴パラメータを使用しており, 筆者照合方式へ適用した場合, テキストを固定する従来の署名照合方式に対し, 登録時と照合時に異なる字種を用いることの可能な, 字種選択の自由度が高い照合方式を構築することができる. 本論文では, 筆跡情報からの個人性の抽出手法を提案すると共に, 実際の筆記データを用いたシミュレーション実験により, 提案手法の信頼性を評価した結果について報告する.
著者
加納 慎也 テンガラ ジェシカ 小松 尚久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, 1996-03-11
被引用文献数
1

ビデオ・オン・デマンドをはじめ映像や音声を同時に扱えるマルチメディアアプリケーションに関する研究開発が活発に進められている。ネットワークを通じマルチメディアデータを扱う場合、ネットワークや送受信端末の負荷の存在、さらにはその変動により、データの再生において同期のずれが発生する。そのためクライアント側では単一メディア内での同期、メディア相互間の同期の双方に対する制御が必要になる。本稿では、メディア相互間の同期制御の一手法を提案する。
著者
山崎 恭 小松 尚久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-1, 通信1-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.373-380, 1996-05-25
参考文献数
7
被引用文献数
14

日常的なコミュニケーション手段の要素となる筆跡,音声,顔といった個人の身体的特性に着目し,それらを用いて本人の確認を行う個人認証システムの一構成法を提案する.提案する個人認証システムでは, これまで認証時に必要とされてきた利用者のIDや個人の特徴を記録したICカードを必要とせず,利用者が提示する本人の身体的特性のみで本人確認を行うことが可能であり,従来手法に比べてよりユーザフレンドリなヒューマンインタフェースを提供できる点に特徴がある. また,認証システムの中核をなす個人性の抽出手法に関しては,個人の特徴を反映するパラメータを複数のカテゴリーに分類し,個人の特徴の現れ方に応じてパラメータに重み付けを施す手法を提案しており, これにより身体的特性を多面的にとらえることの可能な信頼性の高い個人認証システムの実現を図っている.更に本論文では,提案する個人認証システムの適用例として,身体的特性の一つである筆跡情報に着目した場合について言及し,筆跡情報からの個人性の抽出手法について述べると共に,実際の筆記データを用いたシミュレーション実験により,提案手法の信頼性を評価した結果について報告する.
著者
富永 英義 MUSMANN H. JUDICE C. KUNT M. CHIARIGLIONE エル 小舘 亮之 児玉 明 安田 浩 小松 尚久 相沢 清晴 田崎 三郎 酒井 善則 安田 靖彦 JOZAWA Hirohisa YABUSAKI Masami MIKI Toshio SAKURAI Yasuhisa FUKUDA Toshio ALGAZI V. SHAFER R. KOMIYA Kazumi ALGAZI V PROF.H. Musm SHAFER R. 羽鳥 光俊 原島 博 辻井 重男 花村 剛
出版者
早稲田大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

前年度の活動の成果として得られた、シンタックス、ツール、アルゴリズム、プロファイルという4つの異なる要素から構成するフレームワークを基本構造とし、今年度は,主に,具体的要素技術の比較および評価,確認実験モデルの作成,動画像ドキュメントアーキテクチャの概念に基づく符号化方式の具体化作業を行なった。まず、具体的要素技術の比較評価テストについて。Functionality、テスト画像クラス、ビットレートによって評価対象を分類し、比較評価テストを行なった。ただし、テストの際、基準となる比較対象(アンカー)として、CIFフォーマットを用いたMPEG1およびCIFあるいはQCIFを用いたH.263を使用した。比較評価の結果、10kbpsを中心とした低ビットレート範囲ではビットレートが高くなるほどアンカーおよびブロックベース手法の結果が良好であること、低ビットレートにおいてはフレームレートの設定がその画質評価結果を大きく左右する要因であること、Content based functionaliesを有する方式はアルゴリズムの種類が増大し要素としての評価が難しい傾向を示すこと、が主に明らかとなった。良好な性能を示す要素技術の候補としては、long term memory, short term memoryを併用する手法、イントラフレームにウェーブレットを適用する手法、グローバル動き補償とローカルアフィン動き補償の組合わせ、ブロック分割手法、matching pursuits手法等が挙げられた。次に、確認実験モデルの作成について。長期に渡る議論の結果、確認実験モデルとしてはビテオオブジェクト平面という概念で表される複数のビテオコンテントを入力情報源として適用可能なモデルが選択された。この確認モデルは、H.263の拡張動きベクトルおよびアドバンスト予測方式を採用すること、2値形状は4分木符号化、多値形状は4分木符号化+VQを使用すること、コンテント境界はpaddingを行って符号化することを主な条件として作成されることとなった。最後に、動画像ドキュメントアーキテクチャの概念に基づく符号化方式の具体化について。メディアの統合的扱いが可能なフォーマットおよび既存データの再利用機能が将来のマルチメディア情報環境において特に重要であるという観点から、文書の編集加工処理を構造的に行なうデータアーキテクチャであるODAの概念をビデオ・ドキュメントアーキテクチャ(VDA)として動画像符号化への適用を試みた。まず、ビデオコンテントをカメラの光軸に垂直な単一の静止平面(背景のみ)と仮定しこれを入力としてカメラパラメータを分離符号化する方式を検討した。続いて、αマップと原画像情報を入力として、VDAの概念に基づいたプロセッサブル符号化方式を検討した(H.263を基本とし、任意形状に対応した直交変換、αマップ符号化、コンテント・時間単位データ多重化を主に加えた構成)。実験の結果、前者の方式は正確なカメラパラメータが計測できる場合約50[dB]の平均SNRで複号化できる能力をもち、検出するパラメータ誤差が蓄積するに従ってこの値が急激に減少する傾向を子示すことが分かった。また、攻守の方式については、カメラ操作およびビデオコンテントの移動・消去・表示優先度・追加等の編集シミュレーションを行ない、意図した動画像の編集加工機能・データ再利用機能がVDAモデルにより効果的に実現されていることを確認した。また、簡単な加工用データ操作記述言語を試作することにより、編集処理の迅速性、内容の可読性が大きく向上されることを示した。今後は、画像合成を行なう際のMapping処理の高速化、ビテオコンテントのデータのバッファリング処理、透明度を考慮したαマップ符号化、ランダムアクセス機能の実現手法・ドキュメントアーキテクチャの概念で扱えるメディア範囲の拡張などが課題として挙げられた。
著者
五十嵐 洋介 白石 善明 森井 昌克 澤邊 正彦 今 敏則 向井 祐之 小松 尚久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFS, オフィスシステム
巻号頁・発行日
vol.97, no.66, pp.13-17, 1997-05-23

電子メールの普及にともない,現存の郵便システムへの応用が実現可能となりつつある.本稿では,電子認証技術を郵便に応用し,オンラインで郵便の受け付けを行う新しい郵便システムについて考察する.本郵便システムでは,電子メールと現存の郵便との融合がはかられ,電子メールによって伝達すべき内容と相手先住所を郵便局(本システムのサーバ局)へ送り,郵便局では,差出人と郵便局側で,相互認証を行い,相手先に対しては伝達すべき内容をハードコピーし,郵便物として送り届けるシステムである.特に本稿では電子媒体に記された内容と印刷された紙媒体の上での内容の同一性について議論する.
著者
吉井 英樹 白井 隼人 佛圓 俊一朗 小松 尚久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.39, pp.109-112, 2009-05-14

都市部などにおいて衛星測位による位置情報を用いる場合,マルチパスの影響などにより大きな測位誤差が含まれるため,速度や加速度から静止状態,歩行状態を判断することは困難である.筆者らは,以前,この測位誤差の影響を小さくする手法として区間速度を開発した.本研究では,この区間速度の特性について詳細に述べ,静止状態と歩行状態を判別する手法を示す.また,この区間速度を用いて滞在区間の検出を試みる.
著者
小菅 康晴 富永英義 伊藤 典男 小松 尚久 金 東輝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.1023-1032, 1995-04-15
被引用文献数
15

本論文で提案する情報冷蔵庫システムは、将来のマノレチメディア情報化時代に適した情報配送インフラストラクチャとして、センタエンド形情報提供システムにおける情報配送の効率化と、配送された情報を利用者の独自の要求に沿って編集加工する手段の提供と、利用した情報のみに課金する手段の提供を目指すものである。本システムにおいては、情報センタは全ユーザ装置(UE)へ同時に情報配送を行い、各UEは配送された情報を内部の大容量記憶部に蓄積保存する。利用者は、UEに蓄積された情報から必要なものを選択、編集、加工して利用し、料金は蓄積された情報ではなく利用した情報に課せられる。本システムの特徴は、蓄積を前提とした情報の同報配送と相手選択通信により効率的/経済的情報配送と利用情報のみへの課金を行う点、およびUEでの情報蓄積機能を情報の配送速度と再生速度の分離、利用者独自の情報検索、編集、加工にも活用する点にある。本論文ではシステムの基本構成および制御と、構成上の最大のポイントであるUEの構成および制御について明らかにする。