著者
大久保 憲秀
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.1-5, 2002 (Released:2017-07-20)
参考文献数
9

故岸田久吉によってイブリダニと呼ばれていた種には学名Iburidania bipectinataが与えられていたが,これは属名,種名共に不適格名であるので,名古屋市から採集された標本を元に新種として記載し,Epilohmannoides kishidaiと命名した.本イブリダニ属(和名改称)は他に4種が知られており,日本にはヒメイブリダニE. esulcatusも産する.
著者
藤川 徳子
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.1-5, 2014-11-14 (Released:2017-07-20)

鹿児島県知覧町の車道脇の落ち葉よりチランイカダニモドキTokunocepheus chiranensis sp. nov.を採集し記載した.イカダニモドキ科の二番目の種である.既知種イカダニモドキとの違いは,左右の第一脚庇の幅が体幅を越えること,桁状の肥厚部がみられること,体表にひび割れ状の模様がみられること,前体部や腹部の毛が長いこと,脚毛式の違いなどに見られる.
著者
藤川 徳子
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.13-23, 2002-02-28 (Released:2017-07-20)
参考文献数
5
被引用文献数
1

岩手県早池峰山アカエゾマツ自生南限地から,コプネダニ属(新称)ミヤマコブネダニ(新称)Cymbaeremaeus silva spec. nov. とキバダニEupterotegaeus armatus AOKI, 1969を,そして白神山地世界遺産地域のブナ林と最上川源流地の開地からヤマシタスッポンダニ Scapheremaeus yamashitai AOKI, 1970を採集したので,新種記載と再記載を行った.
著者
藤川 徳子
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.1-4, 2005-12-21 (Released:2017-07-20)
参考文献数
14

2004年12月に, 高知県春野町にある四国霊場88寺34番札所種間寺境内にあるソテツやスギの根際や鐘楼の石垣周辺の落葉, 腐植そして土壌などを採取した.抽出したササラダ二の中からScapheremaeus tosaensis sp. nov.トサスッポンダニ(新称)を発見し記載した.黒い胴感毛, 突出することのない肩部分, 後体部の周縁部内前部中央の大きく角型の明斑, 後体部後端部の大きな凹み, そしてはめ込み状の形をした脚毛の存在などにより他の同属種から区別できる.同属の既知85種には樹冠部分や1,000m以上の高地や絶壁の蘚苔, 地衣類など, また鳥巣などから発見された場合が多かった.しかし当新種は太平洋の波打ち際から遠くはない海抜約10mほどの土壌表面から採集した事は興味深い.
著者
藤川 徳子
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.1-8, 2003-02-28 (Released:2017-07-20)
参考文献数
1

青森県から,Nanhermannia angulata sp. nov.,カドツキノワダニ(新称)とN. triangula FUJIKAWA,1990,トガリツキノワダニが,また岩手県からN. hiemalis sp. nov.,シモヨツキノワダニ(新称)とN. bifurcata FUJIKAWA,1990,エイツキノワダニが,そして両地からN. vernus sp. nov.,サツキツキノワダニ(新称)の5種類を採集し記載した.これらの5種類は一見すると非常によく似ている.しかし,エイツキノワダニとトガリツキノワダニは先端の二分した吻毛によって他の3種類から簡単に見分けることができ,そして前体節部後縁の突起物列の形と胴感盃毛の枝毛のつきかたによって両者を区別できる.他の3種類のうちカドツキノワダニは胴感盃毛の枝毛のつきかたや後体部表面の凹状構造が角型で体は小さいので,他の2種類と見分けられる.残りの2種類は,基節板毛4bと4aの長さの比,生殖門板毛の長さと生殖門板の幅との比,及び第一脚膝節のdとσの長さの比の違いによって区別することができる.
著者
田村 浩志
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.11-14, 2001-08-31 (Released:2017-07-20)
参考文献数
5

奥羽山脈焼石岳から得られたムラサキトビムシ属フクロムラサキトビ亜属の一新種をHypogastrura (Cerotophysella)ateruii sp. nov.と命名し記載した.この新種は頭部のgenal and occipital areasとTh.II-Abd.IIIの背部に鋸歯のある短い棘状毛を有することで同亜属の他種と容易に区別される.
著者
藤川 徳子
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.74, pp.11-14, 2004-02-28 (Released:2017-07-20)
参考文献数
5

A new species, Allonothrus henroi spec. nov. was collected from Shikoku Island, Japan. The new species has an inverted U-shaped lamellar ridge, two pairs of transversal ridges, lamellar setae extending in front of rostral margin, and a circle cavity on prodorsum, and a large cavity as long as mutual distance of setae h_1 in terminal of notogaster.
著者
佐藤 綾
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.85, pp.53-58, 2009-08-31 (Released:2017-07-20)
参考文献数
34

潮間帯は,約12.4時間周期の干満(潮汐サイクル)の影響を受け,満潮になると冠水し,干潮になると地面が露出する.また,満潮時の水位は約2週間の周期で変化しており,大潮の時期に最高となり,小潮の時期に最低となる.陸生である地表性昆虫は,生息地が冠水する満潮時には活動できず,潮間帯に進出した種は満潮時の危険(溺死など)を回避するための戦略を進化させている.本稿では,潮間帯に生息する地表性昆虫の示す活動リズムとその体内時計について概説し,満潮時の冠水に対応した戦略について考えた.マングローブスズ(Apteronemobius asahinai)やオキナワシロヘリハンミョウ(Callytron yuasai okinawense)などのいくつかの地表性昆虫は,野外の潮汐サイクルに合わせた活動を示し,恒常条件下においても約12.4時間周期の活動リズム(概潮汐リズム)が継続する.つまり,これらの昆虫類は,潮汐に対応した体内時計を使って活動を干潮時に合わせていると考えられた.一方で,他の地表性昆虫では,潮汐に同調する体内時計の獲得とは異なる方法で満潮時の冠水に対応していた.例えば,オサムシ科のDicheirotrichus gustaviは,冠水の危険のない小潮の時期には夜間に活動するが,大潮の時期には活動パターンを変えて夜間の干潮時でも活動せず一日中地面下に潜んだままとなる.
著者
金子信博
出版者
日本土壌動物研究会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
no.51, pp.33-45, 1994-01
被引用文献数
4
著者
新島 渓子 有村 利浩
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
no.69, pp.47-49, 2002-02-28
被引用文献数
1

The outbreak of Chamberlinius hualienensis happened between Goryo and Ishikaki Station, Ibusuki Makurazaki Line, Kagoshima Prefecture and stopped trains in early winter 2000. The mulch and windmills to protect the crops from winter chillings seemed to provide the favorite environment for the millipedes, which is originally distributed in Hualien, Taiwan.