著者
黒木 和人
出版者
東北大学
雑誌
言語科学論集 (ISSN:13434586)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.13-24, 1998-11-20

山本有三の「ふりがな廢止論」によって、近代の振仮名は「廢止」の方向にむかった。しかし、その理念のみで「ふりがな廢止」となったのではない。その陰には、やさしくわかりやすい文章を目指そうという有三の努力があった。その努力は、振仮名の機能に頼らない新しいかたちの口語文として結実していった。
著者
大橋 純一 Jun'ichi OHASHI
出版者
東北大学文学部日本語学科
雑誌
言語科学論集 (ISSN:13434586)
巻号頁・発行日
no.1, pp.15-26, 1997

東北方言の/ki/の発音実相を、音響学的手法により、客観的に明らかにする。と同時に、その地理的・年代的状況に基づき、発音実相の通時的展開を追究する。なお、それに際しては、/k/子音の二重調音的発音と/i/母音の中舌的発音との関連性に着目し、展開上、両者が密接に関わっていると考えられることを述べる。介入摩擦音二重調音的発音中舌的発音
著者
黒木 和人
出版者
東北大学文学部日本語学科
雑誌
言語科学論集 (ISSN:13434586)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.13-24, 1998-11-20

山本有三の「ふりがな廢止論」によって、近代の振仮名は「廢止」の方向にむかった。しかし、その理念のみで「ふりがな廢止」となったのではない。その陰には、やさしくわかりやすい文章を目指そうという有三の努力があった。その努力は、振仮名の機能に頼らない新しいかたちの口語文として結実していった。
著者
曹 再京 JAE-KYUNG CHO
出版者
東北大学文学部日本語学科
雑誌
言語科学論集 (ISSN:13434586)
巻号頁・発行日
no.4, pp.1-12, 2000

本論では、終助詞「よ」の機能を明らかにするために文レベルと談話レベルにおいて考察を行った。文において終助詞「よ」は、「話し手の聞き手への呼びかけ」という本質的な機能と表現効果が重なって表れる。談話においては、文レベルの本質的な機能から談話を展開していく上で、会話促進やポライトネス等のストラテジーとしての機能が二次的に派生する。終助詞「よ」本質的な機能談話機能ストラテジー
著者
曺 再京
出版者
東北大学文学部日本語学科
雑誌
言語科学論集 (ISSN:13434586)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.37-48, 2001-11-15

順接と逆接の論理を盛り込むことによって、「妥当な推論の結果としての話し手の判断」と「話し手の認識の確認や再確認」という二つの機能が「やっぱり」には認められる。さらに談話においても、複文より複雑な構造をなすものの、順接と逆接の論理が適用される。その結果、順接の論理からは、応答表現としての「やっぱり」の機能が認められ、逆接の論理からは、発話を修正する (repair) 機能が認められる。そして、話者交替 (Turn-taking) のシステムにおける発話の順番取りの機能、話題導入のシグナルとしての機能が両論理から認めれる。
著者
飯田 寿子
出版者
東北大学文学部日本語学科
雑誌
言語科学論集 (ISSN:13434586)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.25-36, 2002-11-20

並立関係をもつ合成語は、構成要素間の関係を文法的な側面からも解釈できるのかどうか検討するために、特に二構成要素 (「男女」「上り下り」等) からなる並立合成語内に助辞を挿入させ、合成語が成立するか調査した。その結果、九種類の類型があることを確認した。これら結合類型が存在する理由のひとつとして、結合力と特定度の相関程度で差異が発生し、種マの結合類型を形成させたと結論づける。