著者
小久保 秀之 山本 幹男
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1-2, pp.28-35, 2008-12-07 (Released:2017-08-09)
参考文献数
13

キュウリ切片に手かざしなどの非接触ヒーリングを行うと、施術したキュウリ試料から生じるバイオフォトンの発光強度が増大する。この非接触ヒーリングの物理機序を調べるために、キュウリ試料に極微弱のミリ波を照射し、ヒーラー3名の非接触ヒーリングと比較した。また、バイオフォトンの測定には、I.I.カメラModel C2400-47、波長域280-650nmと、CCDカメラImagEM C9100-13、波長域400-1000nmを用いた。ヒーリング処理、ミリ波処理は、いずれも室温24℃で30分行い、処理後、18時間バイオフォトンを測定した。結果、ミリ波照射の影響は観察されなかった。また、赤〜近赤外線領域でキュウリ試料の発光を観察した場合は、試料の成長軸の向きによって発光強度の変化が異なることがわかった。さらに、赤〜近赤外発光強度は非常に大きいが、ヒーリング効果を検出するには実験手続きの変更が必要と考えられた。
著者
小久保 秀之
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1-2, pp.30-39, 2009-12-31 (Released:2017-08-09)
参考文献数
13

この論文は、テレパシー的通信のラジオ波理論、あるいは電磁波理論を、ある程度、よみがえらせる。膨大な数の実験試行とコントロール試行から成る実験は、独自の装置、「Patuleaの試作装置」を用いて行われた。実験は、ESPカードを使ったものと、自由応答材料を用いたものとある。実験の概要は、装置の概略図、3次元グラフ、3つの数表に示されている。実験結果は、波長46.20mに普遍的な「テレパシー波」があること、220倍の増幅が最適であることを示している。得点は非常に高く、統計的に有意である。この実験は物理学の分野に関係しているように見えるかもしれないが、筆者らは、物理還元主義を支持せず、どちらかといえば、心と脳(肉体)を単一の実体の異なる側面とみる二相一元論を支持する。
著者
平藤 雅之
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.3_2, 2012

量子論等物理学の発展に伴って実在論(オントロジー)は新しい知見が得られるたびに揺らいで来た。まず、相対性理論の登場によって空間と時間の関係が明らかとなり、空間だけでなく時間も座標軸として実在することとなった。我々の意識はこの瞬間だけが実在すると感じているが、実際には過去も未来も実在する訳である。時間の流れに関する実感(クオリア)や認識は意識が産み出す主観的なものであり、長寿や短命は時間軸における長さの長短でしかない。<br> さらに量子力学の登場によって空間と時間の実在性には大きな変更が加えられた。量子力学の基礎をなすシュレーディンガー方程式の正しさには疑う余地はないが、その式中にある波動関数Ψをどのように解釈すべきかの論争が長く続いた。大別すると、Ψの絶対値を確率と解釈する確率解釈(コペンハーゲン解釈)とΨの絶対値が示す密度で多数の世界が同時に存在するという多世界解釈である。いずれの解釈をしても関連する式はそのままであり、量子力学をツールとして使う技術者にとっては、直感的に理解しやすい方を選択すれば良いという程度のものである。しかし、実在論としては大きな違いがある。多世界解釈は「あまりに宇宙の無駄遣い」であり、「オッカムのかみそり」の経験則では妥当性が低く見える。我々の実感とかけ離れていることもあり、この解釈はあまり支持されなかった。一方、確率解釈では「この世界は確率的なもの」となり、量子力学は不完全な理論に見える(アインシュタインは「神はサイコロを振らない」と反対した)。<br> さて、現在は多世界解釈支持者が増えている。特に多世界解釈をべ一スにした映画やアニメが増えるに従って多世界解釈の方が実感に合う状況になりつつある。多世界解釈と時空の実在性を組み合わせると、過去・現在・未来は無限に多くの世界が実在するという宇宙観になる。無限に多くの世界といっても、その密度分布はシュレーディンガー方程式に支配されており、多数の粒子からなる我々の世界は現在、認識している世界がピークとなる密度分布である。全く違う世界の密度はほとんど0であり認識できない。<br> 超心理学的現象では、テレパシー、透視、PKの順で研究者に受容され、予知はできれば他の現象で説明したいと考えられてきた。予知では「親殺しパラドクス」が発生するためである。しかし、多世界解釈では親殺しパラドクスは発生しないため、タイムマシンを扱う映画やアニメでは多世界解釈的宇宙観をシナリオに採用するものが増えている。多世界解釈と予知は極めて相性が良く、逆に予知でテレパシー等を説明した方がシンプルとなる。<br>
著者
小久保 秀之 薄井 孝子 山本 幹男 世一 秀雄
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1-2, pp.18-27, 2008-12-07 (Released:2017-08-09)
参考文献数
17

特異能力者として知られる中国人被験者(女、40歳)が念力課題、および顔表情認知課題を試みているときの脳血流、皮膚電気活動などの生理変化を測定した。また、主要5因子性格検査など5種の質問紙調査と内田クレペリン検査を実施した。結果、顕著な異常現象は観測されなかったが、念力課題中に被験者の脳血流が大脳右半球で著しく増大し、さらにその領野が顔表情認知課題中の血流増大領野と共通することがわかった。性格検査の結果は、この被験者の性格がまったく普通であることを示した。
著者
今泉 寿明
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.21-34, 1997-04-25 (Released:2017-08-09)
参考文献数
11

マスメディアや噂話によって世間一般に流通する通俗的な超常現象、すなわち超常現象フォークロアの知識量を正確に測定するために、記号選択式テスト40項目(20設問×2問題、得点レンジ0〜40)からなる超常現象知識尺度(PKS-40 ; 40-item Paranormal Folklore Knowledge Scale)を作成し、再試験信頼性、内的整合性による信頼性、内容妥当性を確認した。テスト項目は一般向けの超常現象事典、用語集から抽出した。PKS-40を大学、短大、専門学校の学生に実施し、1,230名(年齢18〜25歳、男性436名、女性794名)のデータを解析した。項目ごとの正答率は1.0〜98.0%であった。得点の分布は左右対称の単峰性であり、平均値は20.9(標準偏差6.3、最小値1、最大値38であった。得点は男性においてやや高く、また、学校、専攻課程により差を認めた。
著者
小久保 秀之 高木 治 小山 悟史 山本 幹男
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1-2, pp.20-27, 2010-12-31 (Released:2017-08-09)
参考文献数
25

筆者らは2006年以来、白いぼキュウリの切片を生体センサとして、非接触ヒーリングの測定を行ってきた。さらに、2009年には、ヒーリングパワーをキュウリガス(匂い)の生成量で測定するガス測定法を開発した。ガス測定法は多点同時測定が容易であり、ヒーリング中のヒーラーの周囲に多数の生体センサを配置することで、ヒーリングパワーのポテンシャル分布を測定することができる。これまでの研究から、ヒーラーから半径2mほどの範囲にポテンシャルが広がっていること、波型の非クーロン型ポテンシャルであること、幾何対称性があること、異方性があること、反転領域をもつことなどを見出した。
著者
渡辺 宙明
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1-2, pp.27-31, 2005-12-09 (Released:2017-08-09)
参考文献数
4

スプーン曲げの名人、H. A氏(以下敬称略)を被験者とした。念力金属曲げ(PK Metal Bending、以後PKMBと略称する)の素材として形状記憶効果を持つ合金を使用した。今回使用した素材は次のとおりである。1. ①: 加熱すると原形(直線)に戻る針金状の形状記憶合金を被験者に渡し、スプーン曲げの時の気持ちで曲げるよう指示して、曲げてもらった。その金属を加熱したが、原形には戻らなかった。② : ①と同様の金属でコイル状に密着して巻いてあるスプリングをスプーン曲げの時の気持ちで引伸ばしてもらったが、加熱しても原形には戻らなかった。2.力を入れれば曲がるが、力を抜くと、元の形(直線)に戻る針金状の超弾性合金がある。これは、常温でこのような性質を持っている。それを渡し、曲げてもらったが、力を抜いても直線状には戻らず、塑性変形を起こしていた。
著者
窪田 啓次郎
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1-2, pp.13-19, 2007-12-08 (Released:2017-08-09)
参考文献数
15
著者
綿貫 理明 萩尾 重樹 太田 信夫 恩田 彰 綿貫 理明
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.108-117, 1997-11-25 (Released:2017-08-09)

The symposium of the 29th annual conference was hels on the topic of "Memory and Parapsychology". S.Hagio presented his experiments of investigating parapsychological effects in associative memory process, referring to the three important results by previous researchers. N.Ohta, who is the Japanese authority of episodic memory, introduced his experiments of the word-completion test he made to see a priming effect. His results show that the reproduction of the once-learned word is better when together with a low-associated concomitant word than a high-associated one. A.Onda discussed the omnipresent and transcendent field of transmitting information from his background of creativity psychology. O.Watanuki discussed the memory hierarchy and ultra-high density recording technology of computers and its relation to parapsychology. Active discussions were developed on the topics of episidic memory, the memory process and creativity, the subliminal effect, and so forth.