著者
小田切 敬子 片平 彩香 安江 健 鈴木 綾子
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.28-32, 2010-11-25 (Released:2016-04-01)
参考文献数
14

三点比較式臭袋法を用いたイヌの体臭測定について検討した.シャンプー後経過日数19日から105日までの5匹のイヌの匂いサンプルを用いて臭気指数,臭気強度および快・不快度について測定した.その結果,シャンプー後の経過日数と臭気指数の間に強い正の相関関係が認められた(r=0.89,p<0.05)が,臭気指数と臭気強度の間には統計学的に有意な相関関係(r=0.39,NS)は認められなかった.一方,臭気指数が高くなると快・不快度は低くなる傾向がみられたが,両者間には,有意な負の相関関係は認められなかった(r=−0.06,NS).以上より,三点比較式臭袋法を用いてイヌのにおいを測定および評価できることがわかった.
著者
服部 麻友子
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.94-101, 2008-03-25 (Released:2010-10-13)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

水道により供給される水が備えるべき要件は,水道法に基づく水質基準として規定されており,このほか,水質管理目標設定項目等を定め,各項目の検査を実施することにより適切な状態を確保している.水道水の水質基準等への適合状況は総体的には極めて良好であるが,鉛,臭素酸等において基準に適合しない場合もあり,改善のための施策が講じられている.カビ臭の原因物質であるジェオスミン,2-メチルイソボルネオールは,快適性についても十分な考慮が払われるべきという考えから,平成15年改正により水質基準項目に追加された.湖沼の富栄養化等の水道水源状況の悪化により,水道原水がカビ臭等による異臭味被害を受けた場合には,水道事業者が応急的な対応を行っているが,依然として,給水栓まで異臭味の被害を受ける事例がみられる.異臭味被害人口は平成2年度のピーク時に2000万人台まで増加したが,近年は300万人前後で推移している.水道事業者によっては活性炭やオゾンを活用した高度浄水処理の導入が進められている.
著者
植田 秀雄 小橋 恭一
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.270-274, 2005 (Released:2005-11-25)
参考文献数
6

呼気には,多くの成分が含まれていることは意外に知られていない.一説には400種類以上ともいわれ,いずれも生体代謝産物である.呼気中の成分はそれぞれ意味のある生体情報を持っている.つまり,ガス濃度の変化と疾病との関係が明らかにされれば,呼気という“非侵襲”生体試料が大きな意味を持つことになる.近年,わが国ではガス測定技術の進展とともに,さまざまな専用ガス測定器の開発とその臨床研究が盛んになってきている.他方,先ごろ「国際呼気研究学会」(International Association of Breath Research)が旗揚げされ,呼気研究の機運が世界的にも高まってきた.呼気ガス測定の実用化研究の結果,臨床活用範囲が広がることにより,医療面のみならず非侵襲であるため,日常の健康管理にも役立てられることになると考えられる.呼気(におい)測定の実用化は,将来的,社会的にまことに大きい意義がある.
著者
細見 正明
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.323-330, 2005 (Released:2005-12-29)
参考文献数
5
被引用文献数
2 1

八王子市の小学校で起こったPCB含有蛍光灯安定器の破裂事故を契機にPCBの「におい」を認識した.実際に30年程度使用されてきた蛍光灯安定器から,PCBのにおいを感じた.そこで,劣化したPCB含有安定器からPCBが揮発する可能性を明らかにするため,PCB含有安定器を使用している室内と使用していない室内に含まれるPCBを測定し,比較するとともに,PCB含有安定器をチャンバーに入れて通気し,PCB揮発の有無を確かめた.その結果,PCB含有安定器を使用していない室内の空気ではPCBは検出されなかったのに対し,PCB含有安定器を使用している室内では26~110ng/m3のPCBが検出された.これより,PCB含有安定器からのPCBの漏洩の可能性が確認された.一方,チャンバー実験からは,PCB含有安定器からのPCBの揮発が認められ,さらに検出されたPCBの組成は安定器を使用していた室内のPCBの組成と類似していた.これより,PCB含有安定器が室内PCB汚染の原因の1つである事が推定された.
著者
硲 哲崇
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.417-423, 2006 (Released:2007-09-06)
参考文献数
22
被引用文献数
1

摂食行動は,化学感覚である嗅覚・味覚の他に,食物の温度や硬さ,さらにはテクスチャーといった物理的な刺激を受容する体性感覚が存在しなければ円滑に行われることができない.本論文では,摂食行動に関与する口腔体性感覚の役割を概説し,さらにこれら体性感覚と化学感覚に優先性をもたせて動物が摂食行動を調節している様子について,筆者らの研究知見も踏まえて概説する.
著者
藤倉 まなみ
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.408-414, 2012

環境政策の進展に必要な要素にはa)社会の要請,b)他法令で未対応,c)原因と被害の因果関係の科学的な解明,d)対策の技術的・経済的実行可能性がある.悪臭防止法施行40年をふり返り,悪臭ではこれらの要素に関連してどのような判断や対応がとられてきたかを示した.
著者
藤倉 まなみ
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.408-414, 2012

環境政策の進展に必要な要素にはa)社会の要請,b)他法令で未対応,c)原因と被害の因果関係の科学的な解明,d)対策の技術的・経済的実行可能性がある.悪臭防止法施行40年をふり返り,悪臭ではこれらの要素に関連してどのような判断や対応がとられてきたかを示した.
著者
永田 好男
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.401-407, 2012
被引用文献数
1

本協会ホームページで掲載している嗅覚閾値は,主に永田好男氏(元財団法人日本環境衛生センター,現株式会社アクアパルス)の測定によるものである.本稿は,永田好男氏に質問に答えていただく形で臭気物質の嗅覚閾値の測定に関してその背景をはじめ,測定の詳細について説明をいただいた.<BR>永田氏の嗅覚閾値データは,大変貴重なものであり,広く活用されている.今回説明いただいた内容は,今後の臭気測定の分野で広く活用できるのではないかと考える.<BR>なお,元となった「三点比較式臭袋法による臭気物質の閾値測定結果」(日環セ所報No.17.1990)は,一般財団法人日本環境衛生センターのホームページで閲覧することができるのでそちらを参考にされたい.
著者
永田 好男
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.401-407, 2012
被引用文献数
1

本協会ホームページで掲載している嗅覚閾値は,主に永田好男氏(元財団法人日本環境衛生センター,現株式会社アクアパルス)の測定によるものである.本稿は,永田好男氏に質問に答えていただく形で臭気物質の嗅覚閾値の測定に関してその背景をはじめ,測定の詳細について説明をいただいた.<BR>永田氏の嗅覚閾値データは,大変貴重なものであり,広く活用されている.今回説明いただいた内容は,今後の臭気測定の分野で広く活用できるのではないかと考える.<BR>なお,元となった「三点比較式臭袋法による臭気物質の閾値測定結果」(日環セ所報No.17.1990)は,一般財団法人日本環境衛生センターのホームページで閲覧することができるのでそちらを参考にされたい.
著者
斉藤 幸子 飯尾 心 小早川 達 後藤 なおみ
出版者
Japan Association on Odor Environment
雑誌
におい・かおり環境学会誌 = Journal of Japan Association on Odor Environment (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.17-21, 2004-01-25
被引用文献数
14 7

嗅覚順応の時間依存性については、感覚的強度は指数関数的に減少すると報告されてきた。しかし、最近、持続した臭気に対する感覚的強度の評定が認知的な影響を受けることが報告された。そこで、我々は一定濃度のトリエチルアミンを10分間提示し、その時の感覚的強度の時間依存性について検討した。その結果、感覚的強度の時間依存性は5つの型に分類され、最も多いのは一度減じてまた強く感じる変動型で、指数関数型は全観測データ数の約30%だった。