著者
坂井 久能
出版者
日本アーカイブズ学会
雑誌
アーカイブズ学研究 (ISSN:1349578X)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.41-57, 2015

<p>高等学校学習指導要領が改訂・施行されて3年目を迎えた。改訂の要点の1つが歴史資料の活用であり、思考力・判断力・表現力等の育成をはかることが重視されている。本稿は、このような高校教育における歴史資料活用重視の傾向のなかで、特に戦争資料を活用した授業実践、及び課外学習団体「昭和史研究会」での戦争資料を活用した実践を事例として報告するとともに、その実践を踏まえて戦争資料活用の方法や教育効果、意義、留意点などを考察する。歴史資料の効果的な活用は、新学習指導要領が掲げる思考力・判断力・表現力の育成に寄与し、高校生の無限の可能性を引き出してくれるものと考える。</p><p></p>
著者
蜂谷 紀之
出版者
日本アーカイブズ学会
雑誌
アーカイブズ学研究 (ISSN:1349578X)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.111-126, 2017-12-31 (Released:2020-02-01)

水俣病情報センターは、環境省国立水俣病総合研究センターの付属施設であり、公文書等の管理に関する法律などの定めるところにより、歴史的・文化的・学術研究用の資料を収集・保管し、利用に供するための指定施設として、おもに水俣病関連資料を収蔵している。水俣病情報センターは、保有する資料が法律上の行政文書としての管理対象から除外される一方、個人情報保護などの必要な措置の下で、収蔵資料を広く一般の利用に供する責務を有している。水俣病情報センターは、水俣病資料の公開・一般利用の促進ならびに関連情報の発信を通じて、水俣病に関する知識の普及および関連学術研究の発展に寄与することが期待されている。本稿では水俣病情報センターの役割について解説し、水俣病関連資料とそれを利用した研究の一端を紹介する。