著者
坂田 聡 馬部 隆弘 薗部 寿樹 岡野 友彦 吉岡 拓 冨善 一敏
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究では中世~近代の古文書が個々の民家に連続して残存する京都市右京区京北の山国荘地域をフィールドにとり、作成時期の異なる由緒関係文書(何らかの由緒にもとづき身分的優越性や権益を主張する文書)において繰り返し語られることによって、後世の地域社会の歴史意識を規定することになる伝承が由緒として語られはじめる時期と、その伝承を文章化した主体(百姓自身かプロの文書作成代行業者か)、さらには、かかる伝承が地域の歴史として定着する過程について考察する。また、以上の考察の前提条件として、そもそも近世前期の百姓はどの程度の文章力を有していたのかという問題についても、実証的な検討を加える。
著者
小島 浩之 上田 修一 佐野 千絵 安形 麻理 矢野 正隆 吉田 成 内田 麻里奈 森脇 優紀 冨善 一敏 設楽 舞 野中 治 木部 徹 島田 要
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、記録媒体として紙に次ぐ歴史を有するにもかかわらず、これまで学術的な観点から調査・研究がなされてこなかったマイクロフィルムについて、図書館等への訪問実態調査(33機関)、および図書館と文書館への質問紙調査(大学図書館:1,378、都道府県立図書館:58、国立国会図書館:1、公文書館:75、大学文書館:88、専門図書館:380)を基軸とし、生産・出版・保存・活用・管理等の諸側面から総合的に分析した。
著者
冨善 一敏
出版者
日本アーカイブズ学会
雑誌
アーカイブズ学研究 (ISSN:1349578X)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.52-69, 2014-05-31 (Released:2020-02-01)

本論文では、市制町村制下における村役場文書の引き継ぎについて検討し、東京府北多摩郡砂川村と、愛媛県東宇和郡魚成村の明治36年(1903)の引継目録の比較を行った。両者の共通点として、1)村長引継文書と収入役引継文書との区別が存在したこと、2)残存率は比較的高いが近世文書は少ないこと、相違点として、3)文書の保存年限制は砂川村では適用されなかったが、魚成村では適用されたこと、4)砂川村では引継目録の記載形式に村長交代が反映し、郡役所が強力な指導を行ったが、魚成村では郡役所の関与が少ないこと、5)砂川村では戸籍関係文書及び町村制施行以前の文書が引継目録に多数記載されているが、魚成村では少ないこと、の5点を指摘した。
著者
冨善 一敏
出版者
日本アーカイブズ学会
雑誌
アーカイブズ学研究 (ISSN:1349578X)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.52-69, 2014

<p>本論文では、市制町村制下における村役場文書の引き継ぎについて検討し、東京府北多摩郡砂川村と、愛媛県東宇和郡魚成村の明治36年(1903)の引継目録の比較を行った。両者の共通点として、1)村長引継文書と収入役引継文書との区別が存在したこと、2)残存率は比較的高いが近世文書は少ないこと、相違点として、3)文書の保存年限制は砂川村では適用されなかったが、魚成村では適用されたこと、4)砂川村では引継目録の記載形式に村長交代が反映し、郡役所が強力な指導を行ったが、魚成村では郡役所の関与が少ないこと、5)砂川村では戸籍関係文書及び町村制施行以前の文書が引継目録に多数記載されているが、魚成村では少ないこと、の5点を指摘した。</p>