著者
佐藤 翔 永井 裕子 古賀 崇 三隅 健一 逸村 裕
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.383-402, 2011-12
被引用文献数
1

本研究では機関リポジトリへの論文登録がその論文の被引用数と電子ジャーナルのアクセス数に与える影響を明らかにするために,『Zoological Science』掲載論文を2つの機関リポジトリに登録し,被引用数と電子ジャーナルアクセス数への影響を観察する実験を行った.実験は2008-2010年にかけ行い,実験前後の機関リポジトリ登録論文の電子ジャーナルアクセス数,被引用数の変化を,登録しなかった論文と比較した.また,機関リポジトリ登録論文の利用状況を分析するとともに,機関リポジトリ利用者と電子ジャーナル利用者をIPアドレスに基づき比較した.その結果,機関リポジトリへの登録により電子ジャーナルアクセス数が減ることはなく,新たな利用者を獲得できていた.しかし論文の被引用数を増やす効果はなかった.機関リポジトリ利用者の多くが動物学研究者ではなく,他分野の研究者や一般市民であったためと考えられる.To evaluate how the deposition of journal articles in Institutional Repositories (IRs) affects the number of citations and e-journal usage, we placed some articles published in Zoological Science in two Japanese IRs and collected their usage data in IRs and e-journals, as well as with the number of resulting citations. The experiment was started in 2008 and we compared the number of e-journal usage and citations of articles deposited in IRs before and after the experiment with those were not. In addition, we analyzed users' behaviour in IRs and compared user groups in IRs with those in e-journals based on users' IP addresses. The results revealed that deposition in IRs did not reduce e-journal usage. Moreover, whereas the journals gained new readers, this did not have an effect on the number of citations because most of new readers may be not researchers in Zoology but those in other fields or lay people.
著者
古賀 崇
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.48-53, 2017-02-01 (Released:2017-02-01)

本稿では国際的動向を踏まえつつ,日本におけるデジタルアーカイブのゆくえを考えるための論点を提示した。すなわち,アーカイブズ領域でうたわれてきた「証拠的価値」や,デジタル・スカラーシップの進展とともに意識すべき「学術研究上のルール」を踏まえつつ,デジタル技術のポテンシャルを生かした「より深い利用」を促すため,どのようなかたちでデジタルアーカイブを構築・運用するのが望ましいか,ということを,本稿では論じた。国際的標準・規格や,図書館での「ディスカバリ・サービス」といった横断的・包括的検索システムとの関係も,考慮すべき論点に含まれる。
著者
古賀 崇
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.408-414, 2012-10-01

本稿は日本のアーカイブズの現状や,アーカイブズの位置づけを考えるのに有益と思われる点に関し,概観を試みた。主な論点は以下の通りである。(1)日本では公文書管理・公文書館の制度をめぐる課題に直面する一方で,多様な「アーカイブ」に関する取り組みが進みつつあるが,それは「文書主義」「体系性」という「アーカイブズの本質」には必ずしも基づかない場合がある。(2)「組織アーカイブズ」「収集アーカイブズ」の区分と,これらを包括的に捉える枠組みが有益である。(3)政策の検証などに関して「証拠(エビデンス)をもって判断する」という,「実証的な思考法」を実現するための場として,「アーカイブズ」を位置づけることが可能である。
著者
古賀 崇
巻号頁・発行日
2010-10-23

2010年度明治大学図書館情報学研究会シンポジウム「MLA連携の意義と課題」 ; 会期・会場: 2010年10月23日(土) : 明治大学駿河台キャンパス
著者
古賀 崇
出版者
天理大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、「政府のオープンデータをいかに保存し、その長期的アクセスをいかに保障するか」という観点での制度・政策的課題、および米国連邦政府を中心とした課題解決の試みを明らかにした。研究成果の中で提示したポイントは、以下のような点である。(1)「オープン・ガバメント時代」のもとで政府情報は「メディアとしての多様化」を示しており、その全体像を把握していく必要がある。(2)オープンデータが有する「機械可読性」を、保存においても考慮する必要がある。(3)政府のオープンデータや、官・民によるその加工物の保存は、「ガバナンス」すなわち官・民が交わる統治状況を遡及的に検証することにつながり得る。
著者
佐藤 翔 永井 裕子 古賀 崇 三隅 健一 逸村 裕
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.383-402, 2011-09-27 (Released:2011-12-13)
参考文献数
34
被引用文献数
2 1

本研究では機関リポジトリへの論文登録がその論文の被引用数と電子ジャーナルのアクセス数に与える影響を明らかにするために,『Zoological Science』掲載論文を2つの機関リポジトリに登録し,被引用数と電子ジャーナルアクセス数への影響を観察する実験を行った.実験は2008-2010年にかけ行い,実験前後の機関リポジトリ登録論文の電子ジャーナルアクセス数,被引用数の変化を,登録しなかった論文と比較した.また,機関リポジトリ登録論文の利用状況を分析するとともに,機関リポジトリ利用者と電子ジャーナル利用者をIPアドレスに基づき比較した.その結果,機関リポジトリへの登録により電子ジャーナルアクセス数が減ることはなく,新たな利用者を獲得できていた.しかし論文の被引用数を増やす効果はなかった.機関リポジトリ利用者の多くが動物学研究者ではなく,他分野の研究者や一般市民であったためと考えられる.
著者
古賀 崇
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.64, pp.67-76, 2013-03-31

筆者は2011年6月に共著書として『研究ベース学習』を上梓した。本書は「おもに大学1年生向けに研究を体験してもらうための指南書」として書かれたが、その内容は記録管理の領域で研究に取り組もうとする人々、特に現場での業務に従事しながら論文執筆を行いたいと考える人々にとっても有益なものと考える。そこで本稿では、『研究ベース学習』での筆者担当部分などに基づき、「研究活動に際しての学術文献の探索・読解・評価」と「論文執筆の方法」を概説する。
著者
佐藤 翔 永井 裕子 古賀 崇 三隅 健一 逸村 裕
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.383-402, 2011-09-27
被引用文献数
1 1

本研究では機関リポジトリへの論文登録がその論文の被引用数と電子ジャーナルのアクセス数に与える影響を明らかにするために,『Zoological Science』掲載論文を2つの機関リポジトリに登録し,被引用数と電子ジャーナルアクセス数への影響を観察する実験を行った.実験は2008-2010年にかけ行い,実験前後の機関リポジトリ登録論文の電子ジャーナルアクセス数,被引用数の変化を,登録しなかった論文と比較した.また,機関リポジトリ登録論文の利用状況を分析するとともに,機関リポジトリ利用者と電子ジャーナル利用者をIPアドレスに基づき比較した.その結果,機関リポジトリへの登録により電子ジャーナルアクセス数が減ることはなく,新たな利用者を獲得できていた.しかし論文の被引用数を増やす効果はなかった.機関リポジトリ利用者の多くが動物学研究者ではなく,他分野の研究者や一般市民であったためと考えられる.
著者
古賀 崇
出版者
名古屋大学附属図書館研究開発室
雑誌
名古屋大学附属図書館研究年報 (ISSN:1348687X)
巻号頁・発行日
no.9, pp.13-20, 2010

【訂正】注10)に"2011年2月末時点で、収録論文数は9万件を突破している。"とありますが、正しくは"2011年5月末時点"となります。訂正の上、お詫び申し上げます。京都大学附属図書館研究開発室は、館内の調査研究室(1985年4月設置)を 改組し、1996年4月に発足した。2009年1月からは初めての専任教員として筆者が 着任し、研究開発活動の一層の充実を図っている。2009年度は、当研究開発室は 活動領域として(1)機関リポジトリ、(2)情報リテラシー教育・講習、(3)資料保存、 (4)情報システム、の4つを掲げ研究開発活動に取り組んできた。本稿はこれらの 活動を紹介し、今後の課題にも触れる。The Kyoto University Library established its Research and Development Laboratory (R&D Lab) in April 1996 by reorganizing the Library's Research Room established in April 1985. In January 2009, Prof. Takashi Koga became the R&D Lab's first full-time member in order to further the Lab's activities. Items on the Lab's agenda for FY 2009 were: the University's institutional repository (KURENAI), information literacy education and instruction, preservation and conservation of the library's collections, and the library's information system. In this article, the R&D Lab's activities as well as its future challenges are explained.
著者
古賀 崇
巻号頁・発行日
2009-12-19

第129回記録管理学会例会発表(2009年12月19日、大阪・富士ゼロックス)
著者
根本 彰 三浦 太郎 中村 百合子 古賀 崇
出版者
東京大学
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.453-478, 2000-03-15

12 policy statements, in which 4 are during the former, 3 during the middle, 5 during the later Occupation Period (1945-1952) in Japan, are analyzed to investigate the course of library policies at the Education Division of the Civil Information and Education Section (CIE). General Headquarters, Supreme Commander of the Allied Powers (GHQ/SCAP). In result we indicate that the national plan with public libraries made by P. O. Keeney was not taken over by his successors after his dismissal in April 1947,and that important library policies were begun by those except the libraries officers. And we consider that there was a concept of library developments among those of the CIE but there was no single continuing policy with the library.
著者
古賀 崇
出版者
アート・ドキュメンテーション学会
雑誌
アート・ドキュメンテーション研究 = The bulletin of Japan Art Documentation Society (ISSN:09179739)
巻号頁・発行日
no.24, pp.70-84, 2017-03

本稿は、「デジタル・アーカイブ」ないし"digital archives" をめぐる日本内外の主要な論考を取り上げつつ、これらに関する日本内外の概念・考え方の「多様化」ないし「ズレ」を検証することを試みる。英語圏の"digital archives" については、「今いる人・人々の日々の業務や活動」、またそれを体現する「ボーン・デジタルの記録」に焦点を当てるか、あるいは「デジタル化された資料の集積(コレクション)に対してアクセスを提供するウェブサイト」を念頭に置くか、といった違いがある。日本の「デジタル・アーカイブ」はもっぱら後者に当たると言えるが、"digital heritage" "digital collection" といった関連概念も考慮する必要がある。The aim of this review article is to observe the diversification of the concept and definition of "digital archives," based on the concerned articles in Japan and abroad. In the English-speaking countries, mainly two opposite definitions of digital archives exist;(a)collection of born-digital records based on activities of people and organization, and(b)websites that provide access to collections of digitized materials. In Japan, especially those eager to policy promotion of digital archives stand for the definition of(b). In this situation, however, related concepts such as "digital heritage" and "digital collection" should be also considered.
著者
古賀 崇之
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
巻号頁・発行日
pp.33, 2010 (Released:2011-01-15)

【目的】 内側広筋は膝関節の保護や支持性,膝蓋骨の外側偏位を防止する役割があるとされている.しかし内側広筋は筋萎縮を生じやすく,回復しにくい筋といわれている.これに対し,大内転筋の筋活動を伴う股関節内転運動を行なうことで,内側広筋の筋活動を高めることができるとされている. そこで本研究では,スクワット動作においても大内転筋の筋活動を伴う股関節内転運動をすることで,内側広筋の筋活動を高めることができるかを検討することを目的とした.【方法】 対象者は健常男性7名とし,筋電図計はメデイエリアサポート社製のKm-818MTを使用した.測定肢は利き足とし,被験筋は内側広筋・外側広筋・大腿直筋・大内転筋の4つの筋とした.測定肢位は,スクワット肢位とし,この肢位を3秒間保つスクワット動作と,スクワット肢位にて両膝関節でボールを3秒間挟む動作(以下ボール動作)を行い,各動作の積分値を算出した.また徒手筋力検査の肢位にて各筋の最大随意収縮(以下MVC)の積分値を算出した.各筋のMVCの積分値を100%とし,各動作での各筋の積分値で除した%MVCを算出し,記録した.【結果】1.内側広筋と大内転筋の相関はr=0.45となり正の相関を示した.(p<0.05)2.内側広筋と大腿直筋の相関はr=0.05となりほとんど相関を示さなかった.(p<0.05)3.ボール動作における内側広筋の%MVCがスクワット動作より優位に高値を示した.(p<0.05)【考察】 内側広筋と大内転筋は正の相関を示し,大内転筋の筋活動が高まることで,内側広筋の筋活動が高まるということがわかった.河上らの報告によると内側広筋と大内転筋は筋連結をしている.そのため大内転筋が収縮することにより,内側広筋が伸張されることが考えられる.Edmanらの研究によると等尺性収縮中のカエルの筋線維に伸張を与え,その長さに保持すると,伸張前の張力より大きな張力が維持されることを示している.このことを「伸張による収縮増強効果」と呼んでいる. 以上のことより,大内転筋が収縮することで,筋連結により内側広筋は伸張され,内側広筋には「伸張による収縮増強効果」が生じた.この効果により内側広筋の筋活動が高まり,結果として内側広筋と大内転筋には正の相関を示したものと考えた. 河上らの報告による内側広筋と大腿直筋にも筋連結が見られる.しかし内側広筋と大腿直筋はほとんど相関を示さなかった.このことから,ただ筋連結をしているだけでは筋活動を高めることはできず,筋連結している筋同士の筋線維方向が一致していることが重要だと考えられる. 最後に,ボール動作における内側広筋の%MVCがスクワット動作より優位に高値を示したことから,立位動作においても大内転筋の筋活動を伴う股関節内転運動をすることで,内側広筋の筋活動を高めることが可能ということがわかった.