著者
武若 耕司
出版者
コンクリート工学
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.16-23, 2007-02-01
参考文献数
16
被引用文献数
1 5

シラスコンクリートは, 用いる細骨材の全てをシラスとしたコンクリートと定義される。シラスは, 南九州に大量に存在する火砕流堆積物の総称であり, 乱した状態では砂状になることから, 以前よりこの地域では, 細骨材としての利用可能性について検討が行われていたが, 1990年代後半に入り, 海砂の採取規制に伴う代替骨材として着日されるようになり, 検討が本格化してきた。そして, 2006年1月に, 鹿児島県より『2005年制定 シラスを細骨材として用いるコンクリートの設計施工マニュアル (案) 』が発刊されるに至った。本文では, このマニュアル (案) の内容を基に, シラスコンクリートの主な特微, 配合設計法および施工⊥の注意点などを概説するとともに, 実用化の事例ならびに今後の展望を示す。
著者
小林 実 伊藤 仁 森島 洋一 水谷 亮
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.54-59, 2009-03-01
被引用文献数
1

これまでの高層ビル解体は上階から下階に向けて解体していたが,今回開発した工法は,1階の柱直下にジャッキを設置し,1階部分の柱を切断してはジャッキダウンを繰り返してビルを下階から解体するものである。解体作業中の建物の耐震安全性を確保するため,新たに建物内部に鉄筋コンクリート造の壁「コアウォール」と鉄骨製の「荷重伝達フレーム」を設置する。本工法を鹿島旧本社ビル解体工事に適用した結果,騒音・粉塵の飛散低減,近隣が抱く不安感の解消,高所作業がなくなったことによる落下の危険性解消など従来の解体工事の課題を大幅に改善できることを確認した。工期短縮も見込め,解体材の分別・リサイクル率も向上し,環境に配慮した解体工法である。
著者
野口 貴文 小山 明男 田村 雅紀
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.5-10, 2009-04-01
参考文献数
2
被引用文献数
1

日本建築学会では,環境に配慮したコンクリートおよび鉄筋コンクリート工事のあり方を示すことを目的として,2008年9月に「鉄筋コンクリート造建築物の環境配慮施工指針(案)・同解説」を制定した。本稿は,その概要をまとめたものである。
著者
藤井 孝晏 玉井 定道 西村 勝尚 志水 史典
出版者
Japan Concrete Institute
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.45-54, 1995-04-01
参考文献数
2

当建物は20階建て高層RC造集合住宅である。設計基準強度600 kgf/cm2のコンクリート, SD 490の高強度鉄筋を使用し断面の縮小化・鉄筋量の削減を図った。柱・はり・床・壁の主架構を構成する部材はすべてサイト製作によるPCa部材とし, はり主筋を柱はり接合部内において接合する極めてPCa化率の高い構・工法を開発し, 実用化した。その結果, 省力化・省資源・工期短縮・高品質化が図れた。<BR>本稿では, 建物概要, 高強度材料を用いたサイト製作PCa部材の設計と構・工法および高強度コンクリートに関する施工と品質管理について報告する。
著者
加藤 昌二
出版者
Japan Concrete Institute
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.571-577, 2013-07-01

晴海二丁目マンションC1街区新築工事は,湾岸エリアに建つ超高層免震マンションで,C2街区と合わせたツインタワーマンションの第1期として計画されたものである(図-1)。今回の超高層免震マンションの施工は,建物を構成する要素それぞれが,「日本一」であったり「日本初」であったりと,その計画と施工は大変に難易度の高い工事であった。我々が模索した,この工事における「最適化施工」の内容を,躯体を中心に述べる。
著者
柳田 淳一 大沼 薫春 山口 勝 山田 雅裕
出版者
Japan Concrete Institute
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.163-170, 2012-02-01
参考文献数
6
被引用文献数
1

プレキャストコンクリート部材は,認定を受けたプレキャストコンクリート製造工場で製造されることから,一般に高い水準で品質が安定している。本報では,品質確保のためのプレキャストコンクリート製造工場の認定制度の概要と最近の品質管理方法の一例を示した。また,今後の建築の現場打ちRC構造物では,コンクリートのかぶり厚さの検査を電磁誘導法で測定する機会が増えることから,プレキャストコンクリート部材のかぶり厚さ検査における電磁誘導法の適用性について検討した結果を報告する。
著者
田中 良弘 小林 隆 石堂 正之 大川 真佐雄
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.27-34, 2007-11-01
被引用文献数
3

超高強度繊維補強コンクリート (Ductal) は, 高強度, 高じん性, 高流動, 高耐久性の特性を持つ材料であり, この新素材を橋梁に適用すれば従来のPC橋梁に比べ自重を20~50%に低減することが可能となる。筆者らは, これまで実施した歩道橋や道路橋の施工実績から得られたDuctalの設計・施工に関する蓄積技術を活用して, モノレール軌道桁の技術開発を行い, 桁長40mのモノレール桁を完成した。開発した桁は, 6個のプレキャスト・セグメントが接合されてボックス断面となる。接合方法の要素実験, プレキャスト・セグメント工法を適用した桁長10mのモノレール桁の施工性能実験, および載荷実験など, 一連の実験・解析により施工・構造性能を検証した。
著者
鎌田 雅己 土肥 卓也
出版者
Japan Concrete Institute
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.1015-1021, 2012-11-01

2007年春より着手されていた,東京駅丸の内駅舎は創建時の姿を取り戻し,2012年10月1日にグランドオープンを迎えた。創建から98年を向かえた丸の内駅舎であるが,弊社では日本の首都東京の顔として,今後の100年も皆様に愛される建物を目指して各種検討・工事を進めてきた。今回は丸の内駅舎の歴史的経緯と保存・復原工事について報告する。
著者
辰濃 達 山本 佳城 河合 邦彦 河本 慎一郎
出版者
Japan Concrete Institute
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.621-627, 2012-07-01
被引用文献数
4 3

都市部を中心に超高層集合住宅建築が増加し,<i>F<sub>c</sub></i>100N/mm<sup>2</sup>以上の超高強度コンクリートは,40から50階クラスの超高層建築の大きな軸力を支持する低層階柱に適用されてきたが,超高強度コンクリートは,これに限らず,大きな軸圧縮耐力を期待する部位への適用が考えられる。本稿では,人工地盤上の地上緑化による重量負担,人が行き交う吹き抜け周りの開放性,都市広場の安全性を同時に解決する方法として,超高強度コンクリートを用いた細柱(<i>F<sub>c</sub></i>250N/mm<sup>2</sup>)とプレストレストコンクリートを利用したPCa梁(<i>F<sub>c</sub></i>100N/mm<sup>2</sup>)を組み合わせた架構の設計・施工について報告する。
著者
岩波 光保 横田 弘 寺内 潔
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.33-40, 2008-02-01

桟橋上部工の維持管理を容易にすることでライフサイクルコストの削減に寄与できる新しい構造形式「リプレイサプル桟橋上部工」について, その概要と構造性能についてこれまでに実施した実験の結果に基づいて概説する。