著者
桝田 佳寛 野口 貴文 兼松 学
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.11-18, 2005-02-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
6

2004年3月, 日本建築学会「鉄筋コンクリート造建築物の耐久設計施工指針 (案) ・同解説」が発刊された。本指針は, 建築学会の材料施工分野において初めて性能設計に具体的に踏み込み, 今後の材料施工分野の雛型となるべく性能指向型の指針として提案したものである。具体的には, 性能規定としての耐久性能の整理と理論体系の構築を行い, 「性能検証型一般設計法」および「標準仕様選択型設計法」, 「性能検証型特別設計法」の3つの設計ルートから成る耐久設計の枠組みを提案した。また, 構造体および部材の限界状態の設定方法を性能論的な観点からまとめ, 鉄筋, コンクリート, 仕上材など各材料の限界状態との関係から定義した点で意義深い。
著者
堀居 令奈 今本 啓一 兼松 学 萩原 伸治 中島 史郎 吉野 利幸 野口 貴文
出版者
日本建築仕上学会
雑誌
日本建築仕上学会 大会学術講演会研究発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

本研究は,窯業系サイディング住宅外装材の維持管理手法を確立することを目的としたものである。外装材は気温変化,風雨や紫外線など直接的に受ける部材であるが,この外装材の維持管理手法として確立されたものはない。実環境下における挙動を把握し,将来的な劣化予測とモニタリング手法からなる維持管理手法を確立する上で,特に外装材の弱点となる目地の挙動に着目し,温度ムーブメントの低減率等について検討した。
著者
野口 貴文 兼松 学 福山 智子
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.1091-1096, 2016 (Released:2017-11-01)
被引用文献数
1

2016年7月,日本建築学会より「鉄筋コンクリート造建築物の耐久設計施工指針・同解説」の改定版が発刊された。2004年に発行された初版では,鉄筋コンクリート造建築物の耐久設計における性能設計の枠組み・方向性が導入された。本改定では,関連規基準類への整合化,設計劣化外力の見直し,仕上材の有する躯体保護性能とその経年低下の考慮,塩害やアルカリシリカ反応に関する最新技術の取込み,凍害モデルの再構築,品質管理・検査に関わる新手法の紹介,付録における耐久設計例の充実などが行われた。本稿では,2016年改定版の主な改定点を取り上げて解説する。