著者
三好 征夫 桝田 佳寛 安田 正雪 荒金 直樹
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.361-366, 1998-06-30
被引用文献数
2

通常の強度レベルで目標スランプフローが450mmの,若干の締固めは必要であるが,流動性に優れ,じゃんかなどの施工欠陥を作りにくい分離低減剤を用いた準高流動コンクリートの開発を目標として,高性能AE減水剤や分離低減剤の使用量,粗骨材量を変化させて,スランプフローやVロート流下時間などのフレッシュ性状や硬化物性を検討した。この結果,準高流動コンクリートは,少量の分離低減剤を使用し,350〓/m3程度の粗骨材量で,建築用の軟練りのコンクリートと高流動コンクリートの中間に位置する諸性状を有することが明らかとなった。
著者
原田 志津男 松藤 泰典 小山 智幸 田中 恭一
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.883-888, 1999-06-21
被引用文献数
3

本研究は硫酸酸性地盤に5年間暴露した高品質コンクリートの物理性状に関して検討を行ったものである.暴露試験は霧島温泉郷硫黄谷温泉地帯のpH2。0〜4.5の強酸性地盤で実施した.試験体は,高炉スラグ微粉末,シリカフユームなどを用いた低水結合材比コンクリートである.:本論文では,5年間の暴露試験結果,高品質コンクリート試験体内部の物理性状は健全であると考えられるが,暴露試験体の表面はCa成分が溶出し粗くなっており,pH3程度の酸性濃度が大きい地盤に接したものは,重量減少率も比較的大きくなることを明らかにしている.
著者
笹川 幸男 真下 昌章 福手 勤 坂井 悦郎
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.157-162, 1998-06-30
被引用文献数
1

遊離石灰一アウインー遊離セッコウを主体とするカルシウムサルフォアルミネート系のコンクリート用膨張材を混和した膨張コンクリートの耐久性に関し,15年経過した海洋コンクリート構造物から試験体を採取し,圧縮強度,塩化物イオン含有量,水和物を測定した結果,普通コンクリートとほぼ同等であることが明らかとなった。さらにペースト実験によりカルシウムサルフォアルミネート系膨張材の反応とエトリンガイト生成の関係を調べ,膨張材の主成分であるアウインは材齢3日で,遊離石灰は材齢1時間ですべて反応していることが明らかとなった。
著者
浅枝 隆 藤野 毅
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.67-72, 1998-06-30
被引用文献数
1

コンクリートは様々な形で自然環境を変化させる。その中で、周辺の熱環境を悪化させることは都市生活を営む上で大きな問題である。とこでは、舗装を例にして、コンクリート舗装とアスファルト舗装、裸地面について、夏および冬についてそれぞれの面におけるエネルギーの収支特性を比較した。その中で、コンクリートは、夏には日中には日射の反射が大きく、その一方で大量の熱を蓄えてそれを夜間に放熱する。また、冬にはより冷却されるなどの欠点がある。こうした欠点の緩和としては、単に空隙をもった材料では十分でなく、空隙サイズに広範な分布があり、保水力をもった材料でなければならない。また、植物で建材の表面を覆うことは、日射や天空への赤外放射量を制御するために、夏冬ともに建材の温度緩和に有効である。
著者
丁 海文 河野 広隆 渡辺 博志 鈴木 雅博
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.1117-1122, 1999-06-21
被引用文献数
1 4

自己収縮の温度依存性を調べるために高温の一定温度養生の供試体と水和熱による温度履歴を受けるコンクリートブロック供試体で検討を行った。自己収縮ひずみは各温度履歴に対し依存する傾向を示した。始発から一定温度で養生した条件では養生温度が高くなるほど初期の膨張が大きく,自己収縮の終局値は小さくなる傾向を示した。また,水セメント比が小さくなるほど高温の影響が大きかった。ブロック供試体は水和熱による高温の温度履歴にもかかわらず初期の膨張がなく,自己収縮も大きくなった。自己収縮ひずみのマチュリティによる表現は難しいと考えられた。
著者
中川 好正 橋爪 進 西田 朗 木村 博
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.507-512, 1996-06-17

普通、早強および低熱(高ビーライト系)の3種類のボルトランドセメントを使用したコンクリートについて、初期材齢での強度発現性状を把握する自的で、凝結時間と材齢48時閥までの圧縮強度を、10、20および30℃の各環境温度において時間単位で測定した。その結果、レセメントのクリンカ鉱物中のエーライト組成量と始発時間からの積算温度を考慮すれば、ボルトランドセメントの種類、環境温度および謙ンクリートの調合に関わらず、始発時間を測定することによって初期材齢での圧縮強度が予測できることを明らかにした。
著者
嵩 英雄 清水 憲一 能町 宏 宮崎 祐三
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.1453-1458, 1997-06-09
被引用文献数
1

打継ぎ部の付着性状に及ぼす打継ぎ処理の影響を検討するため,打継ぎ面の処理と湿潤状態及び養生の程度を変え,鉛直および水平打継ぎ部を持っ供試体の曲げ強度,中性化,超音波伝播速度などを試験し,打継ぎ面の骨材露出処理は付着強度を改善し中性化を抑制すること,打継ぎ面の散水の効果は少なく打継ぎ直前の散水は付着を低下させること,超音波試験による打継ぎ部の付着性状を評価できることを明らかにした.キーワード: