著者
中山 裕美子
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.36-39, 2003-02-15

システム開発のプロジェクトを成功に導くには,早い段階でスコープを明確にし,システムへの要求仕様を確定することが鍵となる.本稿は,この目的を効率的に達成する方法として,DFD(Data Flow Diagram)を活用した要件定義を解説し,構造化手法型のDOA(Data Oriented Approach)を取り入れたシステム開発の特徴と留意点を述べる.
著者
岡田 清久
出版者
一般社団法人 プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.6, pp.42-46, 2006

各企業(ないしは組織)において,失敗プロジェクトの原因分析による教訓をそれぞれの組織内に活かす工夫がなされている.当社においても,実際に本番遅延等の重大問題を起こしたプロジェクトに関して,その原因分析を行い,同種の問題発生を防ぐため,その結果を失敗事例分析検討会にてビジネスユニット内に開示し,各事業部,各プロジェクトに活かす努力をしている.本稿では,過去の事例分析を振り返って,失敗プロジェクトを取り巻く問題点について考察する.
著者
藤田 晶久
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.20-25, 2013-02-15

プロジェクト・マネジメント(PM)は,科学的なマネジメントである.科学的なマネジメントを追求していくと,科学的ではない感情はマネジメントされなくなっていく傾向にある.しかし,プロジェクトチームにおいて,感情は日常的に存在する.しかも,それはプロジェクトの重要な成功要因にも失敗要因にもなる.感情には様々なものがあるが,本稿では,「喜怒哀楽」を取り上げる.本稿は,プロジェクトチームにおけるこれらの感情をどのようなものとして認識し,受容し,活用していくかについて考察するものである.
著者
駒木 和彦
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.13-18, 2010-06-15

ソフトウェア開発プロジェクトに定量的管理を導入しようとするとき,ソフトウェアの規模を見積もることが必須である.規模の尺度として代表的なのはファンクションポイントである.ファンクションポイント手法の中で代表的なのはIFPUG法である.IFPUG法は広く普及した手法であるが,世の中にはIFPUG法で計測が難しいソフトウェアがある.そのようなソフトウェア開発プロジェクトにおすすめできるファンクションポイント計測手法がCOSMIC法である.本稿ではCOSMIC法の計測手法と適用にあたっての留意点を紹介する.
著者
初田 賢司 原田 晃 大野 治
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.14-18, 2002-08-15

ソフトウェア開発プロジェクトの見積は,難しいと言われている.要求が曖昧な段階で見積を求められることに加えて,e-プロジェクト等の出現が見積の困難さに拍車をかけている.プロジェクトの成否は,見積の精度に大きく左右されるが,依然として見積者の暗黙知によるところが大きい.本稿では,見積の曖昧さを排除し,合理性,客観性,妥当性を高めるために,見積のアクティビティを分析し,マネジメントとエンジニアリングの観点から考察する.
著者
五百井 俊宏 井沢 澄雄 木野 泰伸 西山 寛志 布川 薫 左瀧 学 高木 英明
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.49-54, 2001-06-15

本報告では,大学,初等教育,個別企業,推進団体で行なわれている,プロジェクトアネジメント(PM)の教育カリキュラムを調査し,評価する.第I部では,大学及び初等教育を取り上げる.まず,日本で最初にプロジェクトマネジメント学科を設置した千葉工業大学におけるPM教育の概要と教育成果及び検討事項を述べる.次に,米国の代表的な3つの大学院の修士課程で授与される学位とコースの特徴を示す.最後に,米国の初等教育の中でPM教育を行ない,若年層のドロップアウト防止に効果を上げているというNFTEの例を紹介する.学校におけるPM教育は,ケーススタディの活用により,基礎学力,モチベーション,コミュニケーション,問題解決等の能力向上に効果を上げることができる.また,総合的な目的達成の視野をもつ人間の育成に貢献するものである.
著者
岡田 公治 福島 聡史 窪田 敦之 堀水 修 椎名 一弘
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.3-8, 2012-06-15

2011年3月11日に発生した東日本大震災は,東日本の広い範囲に甚大な被害をもたらした.本稿では,ある被災工場における生産復旧プロジェクトのスケジュール可視化の取組みについて報告する.復旧プロジェクト内で作成されていた多様なスケジュールを,一元的にモデル化し可視化することを試みた.生産工程の複雑性と先行後続関係の複雑性に対応するために多観点WBS構造を考案し,OR型先行後続関係を導入した.更に これらの概念を取り入れたITシステムを迅速に構築し,実運用を開始した.最終的には,短期間で生産復旧を達成することができた.
著者
長野 伸一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.5, pp.3-8, 2005-10-15
被引用文献数
1

組込ソフトウェアの規模は増大し複雑化する傾向を示している.さらに,その製造において,高品質で短納期・低コストであることが求められている.これらの厳しい要求を満たすためには,対象となるソフトウェアを定量的に把握し,製造プロセスの改善を行っていくことが必要である.本稿で,組込ソフトウェアの定量化手法として,COSMIC-FFPが有効であることを述べる.COSMIC-FFPは,リアルタイムシステムにも適用できるようにファンクションポイント法を拡張した機能規模測定法である.リアルタイムシステム向けに拡張された機能規模測定の手法が,組込ソフトウェアの特徴にも上手く適用できる.本論文で,組込ソフトウェアの特徴を述べ,定量化に際しての課題を提示し,COSMIC-FFPが当該課題をどのように克服しているかを述べる.また,これまでに実施されたCOSMIC-FFPの検証を参照し,COSMIC-FFPが組込ソフトウェアに有効であることを実証している例についても述べる.
著者
佐野 浩 弓取 修二 進藤 秀夫 日下部 祐子 井田 久雄 北田 貴義
出版者
一般社団法人 プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.26-31, 2005
被引用文献数
2 3

公的資金によって推進された研究開発プロジェクトについては,進捗段階における評価のみならず,プロジェクト終了後の状況を追跡的に調査し,得られた社会的・経済的波及効果やプロジェクトの運営管理を評価し,国民に対するアカウンタビリティの向上を図るとともに,技術開発戦略やプロジェクトの運営管理手法を改善していくことが重要である.本稿では,プロジェクトの追跡調査・評価手法についての検討結果を報告するとともに,試行的に行っている追跡調査・評価の途中経過を踏まえ,追跡調査・評価手法についての提案を行った.
著者
宇都宮 潔 橘 成一 齊藤 道成
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.13-16, 2009-02-15

組織がパフォーマンスを発揮するためには,メンバは勿論,チーム/組織として行動し,成果を上げることが重要である.そのためにはメンバが学習し,知(経験)を蓄えるように,チーム/組織としても学習し,知(経験)を蓄えていくことが極めて重要となる.しかしながら,チーム/組織における学習の方法は一律ではなく,各組織において試行錯誤しているのが現状と思われる.そこで,本稿では,チーム/組織がパフォーマンスを向上させるために,本組織において試行的に実践している取組みを紹介する.