著者
藤野 博之
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.21-26, 2008-02-15
被引用文献数
1

プロジェクトを効率良く成功に導く為の最も重要な要素の一つに,プロジェクト・チーム・メンバーのモチベーションと意識レベルの問題がある.これらが,プロジェクトの成功の行方に大きく影響を与えることは,改めて説明するまでもない.本稿では,プロジェクト・メンバーの仕事に対する意識が,どのような要因に影響され,どうすれば意識レベルが向上して行くのかについて,我々の部門における草の根活動をベースに考察する.
著者
建部 清美 阿部 未寿希 関 哲朗
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.30-35, 2006-10-15

ソフトウェア開発プロジェクトにおける短納期化への要求は,ビジネススピードの加速とともにますます高まってきている.1990年代以降,スピードを重視した方法論は提唱されてきているが,大規模プロジェクトをマネジメントするには至っていないのが現状である.こうした中で,制約理論をプロジェクトマネジメント分野に適用したCCPM(Critical Chain Project Management:クリティカル・チェーン法)が注目されている.本論文では,CCPMをソフトウェア開発プロジェクトへ適用したモデルを提案する.本モデルを適用し,短納期開発を実現したプロジェクトの事例を用いて,スケジューリング方法や適用結果の分析を行いモデルの有効性について検証する.
著者
島田 さつき 西 康晴 富澤 和美 栗田 浩一郎
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.19-23, 2004-04-15

プロジェクトマネジメントにおいてモチベーションは重要である.モチベーションを向上するには,プロジェクト,仲間であるメンバ,自分自身をきちんと理解することで,自らプロジェクトを成功させたいと思うことが必要となる.そこで本研究では,プロジェクトの立ち上げ時期でプロジェクトヘの,推進時期で仲間への,完了時期で自分自身への「理解」を促進するフレームワークを提示する.ツールとして,自分の業務負荷を仲間に知らせるための"セルフコンディションシート"と,プロジェクトにおける自分の貢献や成長を再認識する"自己振り返り分析"を提案する.本フレームワークを用いることで,よりよいヒューマンマネジメントが期待できる.
著者
山内 貴弘
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.34-38, 2002-06-15

お客様満足の向上とコスト削減は,共に現代の企業経営にとって重要なテーマである.一方,企業経営の一端を担っているプロジェクトマネジメントにおいても,この2つのテーマは経営戦略上,設定すべき重要な管理目標となっている.しかし,お客様満足の向上とコスト削減は背反する内容もはらんでいる.お客様満足の向上を進めるあまり不用意なコスト増加に繋がったり,またコスト削減を図ることによりお客様満足の低下をもたらしたりするような場面があるからである.筆者の従事するシステム開発の請負プロジェクトを基に考えるならば,この2つの目標を同時に達成するには,コミュニケーション・マネジメントの効果的適用が重要である.また特に,プロジェクトの開始段階でのチーム・ビルディングのためのキックオフ・ミーティングが効果的であった.本稿では,システム開発プロジェクトにおけるお客様満足向上とコスト削減の関係を明らかにし,それに向けてキックオフ・ミーティングを有効活用したコミュニケーション・マネジメントのあり方を述べる.
著者
村井 康真
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.16-20, 2004-06-15

プロジェクトを最適な計画の下で実施,管理するために,ワーク・ブレークダウン・ストラクチャー(WBS)を作成する必要がある.WBSとは,プロジェクトの範囲を成果物やそれを生成する作業の観点から定義し,構造化したものである.WBSで定義した各要素は,プロジェクト計画の立案や実施を通して利用される.ところが筆者の知る限りにおいて,WBSには構成要素の抜け洩れを確認する方法が示されていない.そのうえ定義したWBS要素が,運営管理上の観点から適正な規模かどうかを判断する有効な基準を備えていない.本稿では,ネットワーク・ロジックをWBSの作成過程に適用するための有効な手法を提案する.また,クリティカルパスの算定により,所要期間に余裕のないアクティビティを特定することで,それらに対してリソースの追加や並行処理を同時に検討することが可能となる.
著者
田中 伸一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.36-41, 2003-08-15

多国籍企業にとって社内プロジェクトマネジメントの標準化は,各国で培われたベストプラクティスの存在と,共通基盤となるグローバルスタンダードとのコンビネーションが必要になる.ビジネスがますますグローバルに展開される今日,効果的・効率的なPM標準の確立は重要な課題である.欧州と米国の企業合併により活動している弊社は,PMI/PMBOKとPRINCE2の融合をベースとした実践的な体系を定義している.これらの体系は,事業展開を推し進めるためにプログラムマネージャーとプロジェクトマネージャーの双方にとっての共有基盤となりつつある.今,我が社においてプログラムオフィスとプロジェクトオフィスの連携により,PM標準の見直しとPM要員の育成が開始された.
著者
橋爪 宗信 濱 久人 丹波 武志
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.7-12, 2006-06

プロジェクトマネジャーの重要な個人特性としていわゆる肝が据わっている("胆力"がある)ことが,重要な要素ではないかと考えている.どんなに危機的な状況に追い込まれても笑える力やチームを動かしていくために,チームメンバーの笑いを引き出す力が必要である.これを我々は「笑力」と呼ぶ.本研究では,「笑力」をプロジェクトの成功要因と関連性の観点で研究し,プロジェクト成功に向けた笑力の効用を提言する.
著者
横塚 知典 五十嵐 剛 大橋 新悟 大黒 英和 塩見 慎吾
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.46-48, 2005-04-15
被引用文献数
2

企業内にITが浸透し, ITの無いビジネスは考えられなくなっている.それに伴い, システム開発プロジェクトの数も急激に増大しており, 多くのプロジェクトマネジャーが, 日々, リスクやコミュニケーション等に関する苦労を重ねながらプロジェクトを進めている.今回, 我々は多くの先人たちのプロジェクトマネジメント経験からプロジェクト遂行上の実践的ノウハウを集約しPMBOKの体系に合わせ整理統合を試みた.本稿では, 当該ノウハウ集を構築し, Webサイトに公開し現場のプロジェクトマネジャーの座右の銘としたプロジェクトマネジメント強化の取り組みについて紹介する.
著者
藤貫 美佐 西尾 敏郎 端山 毅
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.3-6, 2006-08

ソフトウェア開発プロジェクトにおいて,生産性等に関する過去の実績データを計画策定に用いる際に留意すべき事項を整理した.一般にこのようなデータはばらつきが大きく,平均値や中央値でその特徴を簡略には表していると解釈することには危険が伴う.全社スタッフとしての著者らの日ごろの活動から,実用的な観点でプロジェクトにおける生産性データ活用を促進するアプローチについて議論した.
著者
齊藤 邦浩
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.26-31, 2007-02
被引用文献数
3

IT業界では,コスト削減を求め,中国でのオフショア開発が増加傾向にあるが,様々な問題を耳にする事が多い.当論文では,筆者の実体験およびオフショア開発に関する文献を基に課題点を列挙する.次に,考察として,課題点の一つであるコミュニケーションに関し,PMBOKのコミュニケーション・マネジメントを参考にしながら,コミュニケーション構造の分析や,中国と日本の相違点について比較を行う.最後に,オフショア開発を成功させるための具体的対応策を提案し,その効果について述べる.
著者
松本 雅義
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.10-15, 2006-04-15

オープンアーキテクチャの広がりに伴い,ITに対する社会の要求が厳しくなる中で,SIプロジェクトは難易度を増し,プロジェクトマネージャに対する期待感が高まっている.しかし,この領域でのプロジェクトマネージャは不足しており,早急な育成が求められている.本稿では,オープン系SIプロジェクトに携わるプロジェクトマネージャの育成について,システムエンジニアとしての技術力とマネジメント能力の両面を捉える.SIプロジェクトの特性と,それに求められる技術力やマネジメント能力との関係を整理し,双方をバランスよく習得するためのポイントや具体的な取り組みについて考察する.