著者
齋藤 努
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.300-303, 2000-05-20 (Released:2017-07-11)
参考文献数
4

考古遺物の原料産地の推定は, その生産地とあわせて考えることによって原料の供給と生産, ものや人の移動や交流, 技術や文化の伝播などの状況を解析するのに役立つ。自然科学的な産地推定法の一つとして鉛同位体比法があり, 古代青銅器などの分析に適用されている。ここではその方法の原理とこれまでの成果, 古代銭貨である皇朝十二銭の分析結果について紹介する。
著者
朽津 耕三 田中 充
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.636-640, 1998
参考文献数
10
被引用文献数
1

アボガドロ定数は, 19世紀後半からマクロの物理現象に現れる分子の大きさと単位時間の衝突回数などを用いて推定された。定量的な測定はおもに20世紀に入ってから行われ, 1910年代に, ファラデー定数と電子の電荷の比などに基づいて, およそ6.0×10^<23>mol^<-1>であることがわかった。1940年代には3桁目まで, 最近では6桁目まで正確な数値が得られている。現在の値はおもにケイ素単結晶の格子定数・密度・モル質量の測定に基づくもので, 国際協力のもとにさらに測定の信頼度を向上させる努力が続けられている。もし将来8桁目まで信頼のおける測定値が得られたら, キログラムの国際標準は原子質量で定義され, kg原器は博物館に移される日が来るかも知れない。
著者
池田 光治
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.114-115, 2006-02-20 (Released:2017-06-30)
参考文献数
4
著者
橋谷 元由
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.300-301, 2018

<p>反応によって化学製品を製造する場合,反応器からは求めようとする製品の他に副生物や未反応の原料が出てくる。したがって,製品を得るためには分離精製が必要になる。分離操作の中で工業的に最も使用されている蒸留について,そのしくみと蒸留塔について概説する。</p>

1 0 0 0 OA 蒸留のしくみ

著者
橋谷 元由
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.300-301, 2018-06-20 (Released:2019-06-01)
参考文献数
5

反応によって化学製品を製造する場合,反応器からは求めようとする製品の他に副生物や未反応の原料が出てくる。したがって,製品を得るためには分離精製が必要になる。分離操作の中で工業的に最も使用されている蒸留について,そのしくみと蒸留塔について概説する。
著者
内藤 周弌
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.464-467, 2000-07-20 (Released:2017-07-11)
参考文献数
3

高校生に, 簡潔に「触媒作用の本質」を教えるのは難しいため, 高校の教科書では抽象的に「…は, 触媒を用いて合成される」といった記述が目立つ。しかし, 地球規模での環境問題の解決や石油の枯渇に伴う新しいエネルギー資源の創製のために, 将来, 触媒が果たさねばならない役割は益々大きくなっていくであろう。今こそ, 21世紀を担う高校生に是非「触媒の面白さと重要性」を生きたかたちで教えて頂きたいと思う。本稿はそのような目的の一助になればという趣旨で書かれたものである。
著者
瀧本 真徳
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.140-143, 2015-03-20 (Released:2017-06-16)

現在では有機化合物の構造確認は核磁気共鳴スペクトル法や赤外吸収スペクトル法,精密質量分析などの機器分析によって行うことが多い。しかし,有機化合物に含まれる官能基の反応性を利用した定性試験や誘導体化による確認法は高価な分析機器を用いずとも簡便に実施することが可能であり,有機化学の実験実習として有用である。本稿ではそのような官能基などの確認法のうち,アミンとカルボン酸に関してよく用いられるものを紹介,解説したい。
著者
平野 富夫
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.124-125, 2009-03-20 (Released:2017-06-30)
参考文献数
4

光学特性を活かした塗料はいくつかあるが,塗料そのものが発光するようなものは特殊な例を除いては存在しない。エレクトロルミネッセンス現象を利用したEL塗料を開発した。その構造と原理およびその将来の可能性について解説した。
著者
水畑 和子 堀川 恵司 酒井 英男
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.344-347, 2016-07-20 (Released:2017-01-01)
参考文献数
4

富山県は,三方を急峻な山々に囲まれ,深い湾を抱くように平野が広がっている。豊富な水資源は,稲作等の農業を盛んにし,また急な川が多いので水力発電所が多く,大量の電力を必要とするアルミ産業を発展させた。過去には,日本の四大公害病の一つ「イタイイタイ病」が発生し,最近では,立山に日本で唯一の氷河があることが確認された。魚津では,国の特別天然記念物に指定された約2000年前の杉林の埋没樹根も発見されており,富山市を中心に半径50kmの中に高低差4,000mの時空を超えた多様な自然環境が見られる。本稿では,富山の川のカドミウム濃度の現状と立山の雪と魚津埋没林の地下水に関する研究について紹介する。
著者
伊東 章
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.204-205, 2018-04-20 (Released:2019-04-01)
参考文献数
2

エチレンプラントは石油化学コンビナートの中核であり,日本には大きなエチレンプラントが11ほどあり,日本全国で年間630万トンのエチレン,570万トンのプロピレンが作られている。エチレンプラントでは油(ナフサ)を熱分解することにより,反応性の大きい二重結合を持つ炭化水素ガスであるエチレン,プロピレンを製造している。熱分解後は多数の蒸留塔で成分分離が行われる。
著者
道家 達將
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.54-58, 1991-02-20 (Released:2017-07-13)

天保5年(1834)名古屋生まれの, 実にユニークな, 奇人とまで言われた化学技術者がいる。その名は宇都宮三郎。尾張藩100石取りの武士の三男で, はじめ儒学・武術を学ぶが, 西洋砲術家上田帯刀の門に入ったことから舎密(化学)に興味をもつようになり, ついには23歳のとき尾張藩を脱藩して江戸で兵科舎密にうちこむ。柳河春三, 桂川甫周, 福沢諭吉らと親交を結び, 勝海舟の世話で幕府の蕃書調所精煉方(のち開成所化学)で働く。公的機関に化学の名をつけたのは彼が最初という。明治維新で解雇されるが, 開成学校教師, 工部省技師に再び雇われ, 明治15年(1882)工部大技長となる。我が国最初のセメント・耐火煉瓦・炭酸ソーダの製造, また竈(かまど)づくりや酒造法の科学的改良などに成功。明治35年に没し, 父祖の墓所のある愛知県豊田市の幸福寺に葬られた。今回は, この宇都宮三郎の人と仕事を紹介し, 彼のゆかりの地をたずねる。
著者
中込 真
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.80-81, 2018-02-20 (Released:2019-02-01)
参考文献数
9