著者
山本 真弓 山田 満 ヤマモト マユミ ヤマダ ミツル Mayumi Yamamoto Mitsuru Yamada
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編
巻号頁・発行日
vol.37, pp.33-43, 1997-03-31

1)人工胃液のpH1ではすべての乳酸菌の失活が認められた。2)ビフィズス菌は製剤においてpH1∿4のどのpHでも60分後にはビフィズス菌が死滅しており,製品についてもpH2で失活することからビフィズス菌の腸への到達は難しい。3)ビフィズス菌以外の乳酸菌はpH1ではすべて失活するが,pH2では120分後まで生存する確率が高く,pH3∿4では120分後で全て生存がみられた。4)菌別にみると,L. acidophilus,L. bulgaricus,St. thermophilusはpH2に耐えられ,比較的耐酸性があった。
著者
我妻 美奈子 アズマ ミナコ Minako Azuma
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編
巻号頁・発行日
vol.40, pp.271-281, 2000-03

民族衣裳の和服は年々晴着とよそいきにしか和服を着装して歩いている人達を見かけなくなって来ている。普段着としてのウールアンサンブル等着ている人は少なく,紬なども普段着として着ている人が少ない。和服を着るのは成人式の振袖,卒業式の袴などは多くの人達が着ている。前に礼装として男性の普段着,ゆかた及び羽織・袴の青年と老年の体型を検討したので,今回は青年女性の普段着,袴,羽織・袴・コート及び老年女性の普段着,喪服(夏),喪服(冬)と袴を着装した時の体型を検討したのでここに報告する。実験方法は坂本元一氏が考案した計測器を使用した。5趾他5箇所,すなわち片足を10区分して両蹠面20箇所を,1秒間計測する。足型は足の足面を分類すると1∿10が左足で11∿20が右足である。素足で各自の足型に合わせ,開眼起立で直立5秒後より測定を開始,30秒間で終る。体型についてはデーターによって体型が分けられる。体型は足圧分布を4区画に分ける。左側前方,1区画,右側前方,2区画,左側後方,3区画,右側,4区画である。F_1 : は前方に足圧が多くかかる。F_2 : 後方に足圧が多くかかる。F_3 : 左側に足圧が多くかかる。F_4 : 右側に足圧が多くかかる。F_5 : 左前側と右後側に足圧が多くかかる。F_6 : 左後側と右前側に足圧が多くかかる。足圧分布によって体型を青年女性と老年女性の和服着装時の体型を検討したので報告する。
著者
山田 満 山本 真弓 ヤマダ ミツル ヤマモト マユミ Mitsuru Yamada Mayumi Yamamoto
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編
巻号頁・発行日
vol.41, pp.35-42, 2001-03-31

近年アレルギー疾患が増加する傾向にあり,アレルギー患者は国民の3分の1という高率になるという。そこで食物アレルゲンの一つである牛乳を対象として,牛乳の殺菌温度別アレルゲン性を測定し,アレルギー発症との関係について動物実験により比較検討を行った。抗原として低温殺菌牛乳(63℃30分),超高温殺菌牛乳(130℃2秒)および煮沸乳(100℃20分)を用い,マウス,ラットの腹腔内に注射し感作させた。アレルギー反応の確認はマウス血清IgE抗体値の測定と,ラット平滑筋のSchultz-Dale反応による抗原体反応によって確認した。その結果,低温殺菌乳に比べ超高温殺菌乳のマウス血清IgE抗体含有率の方が有意に高いことが分かった(P<0.05)。超高温殺菌乳と煮沸乳のIgE平均含有率の間には有意差は認められなかったが,高温で加熱時間の長いほどIgE値の高くなる傾向がみられた。一方,ラットによるSchultz-Dale反応でも低温殺菌乳では平滑筋の収縮は見られなかったが,超高温殺菌乳と煮沸乳では1分以内に著しい筋肉の収縮が認められた。これらのことより低温殺菌乳は,超高温殺菌乳に比較してアレルゲン性が弱く,加熱温度の高くなるほどアレルゲン量が増加し,アレルギー発症の原因になりやすいのではないかと考えられる。
著者
石川 香子 坂本 元子 宇田川 孝子
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編 (ISSN:09160035)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.67-81, 2005-03-31

Recent health problems are mainly unbalanced nutrients intake, irregular food intake due to changes of daily life style and disappeared healthy Japanese food culture. On the other hand, according to food balance sheet, the self sufficient rate of food has been maintaining lower level by the over flow of imported foods from the outside countries. Under these situations, Government legislates on "Shokuiku kihon-law (Draft) " and several ministries such as The Cabinet Office, The Ministry of Health and Welfare and Labor, the Ministry of Agriculture, Fisheries and Forestry and The Ministry of Education, Sports and Science will be wrestled with the Law. In this study we discussed about the contents of "Shokuiku kihon-Law (Draft) " which will be legislated by the Government because the educations related to the food and nutrition is the most important role and responsibility of Dietitian. We need to know what responsibilities will be given to Dietitian in this law. We also investigated through questionnaire about how "Shokuiku" is planned in each prefectural Dietetic Associations as their new criteria among 47 prefectures. The results of this survey will be discussed in this study.
著者
三橋 洋子 小林 幸子
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編 (ISSN:09160035)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.55-63, 1996-03-31

昭和58年と62年に実施された献立のうち,22献立についての塩分量の検討を行った。また平成元年から7年(前期)までの7年間に実施された132献立のうち,5回以上実施された8種類の主菜,合計53献立について同一主菜別に献立内容の分析・検討を行い,次の結果が得られた。1) 大量調理における塩分濃度は,材料の量の多さや器具の表面積の大きさ等に影響をうけ,計算値と実測値に差が生じ,その差にはバラツキがみられた。2) 同一主菜の食材料の使い方にはハンバーグやちらし寿司のように各回で個性のあるものや,チンジャオロースやクリームシチューのように毎回使用する食品がほぼ同一であるものとがあった。3) 同一主菜を副菜,汁物を含めた献立としてみた場合,たんぱく質源食品や野菜類の主菜での使用不足分は,副菜や汁物で補っていることが多いが,不足しているままの献立もあり今後の検討課題としたい。
著者
中嶋 英昭 湊 久美子 林 喜美子 斎藤 八千代
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編 (ISSN:09160035)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.161-170, 2000-03
被引用文献数
1

生活習慣病の予防や改善に有効な運動は有酸素運動であり,それは呼吸循環系の機能向上を目指して行う運動で,最大酸素摂取量の多少で評価できる。そこで,一般女子学生を対象にトレッドミル歩・走行を行わせ,呼吸循環系機能の応答について計測した。比較のため運動部員(バスケットボール部,ソフトテニス部)についても同様に測定し,さらに15-25年前の報告とも比較した。心拍数は安静値から運動部と有意な差があり,その差は中等度の負荷でさらに広まり,一般学生・テニス部・バスケット部の間にそれぞれ約10拍/分ずつの差があった。最高心拍数は一般学生・テニス部・バスケット部それぞれ184・191・181拍/分で,運動遂行時間はそれぞれ11分20秒・12分26秒・12分56秒で,バスケット部はまだ余力がある状態かもしれない。最大酸素摂取量は一般学生34.5・バスケット部47・テニス部41ml/kg・分で,運動部との間に有意差が認められた。また15-25年前の一般学生と比較しても若干低い値であった。心拍数と酸素摂取量の関係式から考察するとバスケット部は他の群より大きく左方移動した直線で,テニス部と15年前の一般学生がほぼ同様の傾向,そして今回の一般学生は最も右寄りに位置しており,同一負荷に対して循環系がより多く負担を強いられている状態と言える。以上の結果から,今回の一般学生の呼吸循環系機能は運動部員に比較して,さらに15-25年前の一般学生と比較しても低く,日常生活の中に有酸素運動を取り入れる努力をし,呼吸循環系の機能改善を計らなければ,将来の生活習慣病が心配される。
著者
橋本 令子 中牟田 成美 澤村 薫 村田 光範
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編 (ISSN:09160035)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.153-160, 2006-03-31

本年6月、食育基本法が成立し、食育の重要性が認識されてきている。食育とは、知育・徳育・体育と並ぶ教育の柱である。また、人々の生活習慣の中で特に食生活が注目されており、近年の健康ブームとともに管理栄養士の業務も幅が広がってきている。そこで病院においても、小児科を中心に食育の実施が期待される。これまで小児科医が中心で行なってきた小児健康フォーラムにおいて、今回は管理栄養士が中心となった食育を実施した。その結果、幼少期から適正な食生活を確立することの必要性を食育を通して参加者に理解させることができた。さらに子どもだけでなく保護者の食生活に対する関心の高さが感じられ、病院における小児健康フォーラムを介した食育の実施は効果的であった。
著者
小菅 充子
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編 (ISSN:09160035)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.85-94, 1989-03-31

近年健康に対する関心度は高く,特に成人病と食塩摂取量との関係が注目され,日常の食生活においても減塩志向が盛んである。一方加工食品の利用率も年々増加の傾向にあり,1日の食塩摂取量に対する加工食品の占める割合も高いと考えられる。本実験では,最も一般的な加工食品である即席麺と即席汁物を取り上げ,その利用上の注意点を求めることを目的に,全食塩量および食する際の食塩濃度を測定し,次の様な結果を得た。表示通りの方法で調理を行った即席麺の汁の食塩濃度は1.00&acd;1.52%と,一般の汁物の好ましいとされる食塩濃度に比べてかなり高い値であった。また汁物の即席麺の全食塩量は4.29&acd;6.54gで,この差は各麺の汁の容量の差と食塩濃度の差によるものであった。焼きそば類は調味料を麺の回りにまぶす方法をとるので,2.49&acd;3.30gと汁物の麺よりかなり低い値であった。即席汁物のうち,味噌汁の全食塩量は1.49&acd;2.53gであるのに対し,すまし汁のそれは1.14&acd;2.10gとやや低い値であった。カップ入りのものを除いた他のものは1椀分となっているが,盛りつけ量を考慮して食塩濃度を算出すると,本学学生の家庭の味噌汁およびすまし汁の食塩濃度の測定値よりかなり高い値となってしまう。1日1人当りの食塩摂取量は10g以下,特に本態的高血圧の予防の面からは3&acd;5gに保つことが望ましいとされている現在,測定された様な高い値の食塩量を含む即席麺や即席汁物の利用には,充分の注意が必要であろう。一方塩味の好みは学習により習慣形成されて行くとされるので,今回測定された様な高い食塩濃度の摂取がくり返されぬ様,表示以上の稀釈を行う等の配慮がなされるべきと結論できる。なお食塩の定量については,調理上の塩味として考える時には,従来行われているようなナトリウムまたは塩素のいずれか一方の測定値のみからの食塩量の算出では,問題が多い様に思われる。
著者
林 喜美子 湊 久美子 斎藤 八千代
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編 (ISSN:09160035)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.171-179, 2000-03
被引用文献数
1

本学女子大学生132名,計416日分のペドメーターを用いて測定した1日当たりの歩行量を解析した結果,日常生活の中で,歩行量を増加させる要因は,通学,学内移動,実習系授業,買い物などの外出,立ち仕事アルバイト,スポーツ活動であった。1日中家にいた日の平均歩行量は4593歩で,授業や買い物などで外出した日に比較して有意に少なかった。授業が座学のみで,その他に何も実施しなかった日の歩行量は9275歩で,授業に実習のあった日や授業の他に買い物,アルバイト,スポーツ活動のあった日に比較して有意に少なかった。授業に実習のあった日や授業の他に買い物,アルバイト,スポーツ活動のあった日の歩行量は12000&acd;13500歩と多く,授業がなく,買い物,アルバイト,スポーツ活動のあった日の歩行量は10500&acd;11000歩であった。日曜日の歩行量は土曜日,平日に比較して有意に少なかった。生活状況の違いによる1日当たりの歩行量と同様の生活時の覚醒中平均心拍数との間には正の相関関係が成立した。これらの結果から,歩行はスポーツ活動習慣の少ない女子大学生にとって,貴重な運動習慣の一部となっており,彼女らにとって実現可能な運動処方であることが明らかとなった。
著者
三澤 美紀
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編 (ISSN:09160035)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.63-72, 1989-03-31

農村地域と都市近郊新興住宅地の中学校を対象に生活状況に関する調査と健康状態に関する調査を行い,検討を行ってきたが,本報告では特に就寝時間,夜食の摂取状況,朝の食欲を取りあげ,相互の関連性を検討した。1. 就寝時間は農村地域よりも都市近郊の方が遅い傾向がみられた。また,肉体的愁訴の数が多いほど11時以後に就寝している生徒が多いが,地域差は認められなかった。2. 夜食の摂取状況は地域,就寝時間に関係なくその摂取頻度は低いが,11時以後就寝の生徒において肉体的愁訴の数が少ない者ほど摂取頻度も低い傾向がみられた。3. 遅い就寝時間が朝の食欲に及ぼす影響は農村地域に比して都市近郊の方が大きい。また,愁訴の数が多い生徒ほど朝の食欲も低くなり,この傾向は農村地域において特に顕著であった。4. 夜食の摂取状況と朝の食欲とについては石崎・中野らが夜食の摂取頻度と朝の欠食及び食欲との間には相関性はみられなかったと報告しているが,本調査でも相関性は認められなかった。しかし,夜食をよく食べていても愁訴の数の少ない生徒では朝,食欲のある者の多いことが認められた。以上,これらの現象は農村地域と都市近郊との差というだけでなく,その学校の進学状況通学距離,クラブ活動の状況等,多数の要因がかかわりあっているものと考えられ,これらを踏まえた上で検討する必要があると考える。本報告は,本学栄養指導研究室で調査した一部をまとめたものである。
著者
福田 瑛子
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編 (ISSN:09160035)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.85-98, 2003-03-31

家庭洗濯の実態を把握するために、主婦を対象に12年前とほぼ同様の調査を行い、12年間の家庭洗濯における変化と動向について考察し、次のような結果を得た。1)12年前洗濯機は「全自動」が31.0%であったが、今回は86.0%であり、容量は「5kg」以上が多くなった。また洗う方式は12年前は「渦巻式」が主流で次いで「攪拌式」であったが、今回はそれに「遠心力」「超音波」の洗濯機が加わった。2)洗濯機を購入する動機は、「機能的」「使い方が簡単」が12年前と同様上位にあるものの「価格が安い」の方が順位が上になっている。またトップであった「メーカー」は9位に後退している。3)洗濯時に「取り扱い表示」を考慮しないが約18.0%、「洗濯物を仕分けしない」は20.6%で、洗濯物を白物と色物とに分けて洗濯しているのに、その際「洗剤を替えない」が89.6%もある。また、洗剤の使用量は「表示を読まない」は20.0%から2.45%に減少しているが、「適当」が23.0%あり、洗剤の量についての考え方は変わっていないようである。このようにそうあって欲しくない回答が依然としてかなりある。4)使用洗剤は12年前とほとんど変化がなく、「弱アルカリ性合成洗剤」の「粉末タイプ」が圧倒的に多く、今回は「中性洗剤」も使われている。環境によい「石けん」の使用は依然として僅少である。洗剤については多くの知識をもっているが、環境への配慮は高まっているとはいえず習慣を変えることの難しさを示している。5)ドライ表示の付いた衣服でも、「ドライクリーニングにださない」が32.0%もあり、洗濯機と洗剤の開発で洗濯機の「ドライコース」と「水洗い」を合せると10.1%ある。ドライ表示を信頼していないのか、繊維の種類と洗濯方法との関係についての知識が深まったためなのかはよく分からない。6)乾燥は「天日乾燥」が圧倒的であるが「乾燥機」の使用も増加した。7)家事仕事で好きな順位は、洗濯>料理>掃除>食事の後片づけ>アイロンかけである。最も嫌われているのはアイロンかけであり、取り扱いやすく安全なアイロンおよびアイロン台の開発が望まれる。8)洗濯機メーカーへの要望・洗濯によるしわについての工夫などでは、洗濯機の問題点を認識した意見が多くだされており、消費者も賢くなっていることを示している。また、糊つけやアイロンかけなどは、社会状況の変化で減少しており、12年前とは異なった結果を示しているものもある。
著者
福田 瑛子
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編 (ISSN:09160035)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.229-235, 2000-03

組成繊維が異なる各種の白色布について,屋内乾燥,天日乾燥,ガスおよび電気乾燥機などによる乾燥を繰り返し行い,白色度,黄色度,L^*a^*b^*などの変化を測定し,布の色相に及ぼす乾燥方法および乾燥回数の影響について検討した。得られた結果は次の通りである。1) 羊毛,ポリエステル,ナイロンの白色布は繰り返し乾燥により白色度が低下し,黄色度は増加する。いずれも天日乾燥による変化が大きいが,特に羊毛の変化が大きい。2) 本研究で用いた綿は天日乾燥25&acd;30回程度まで白色度は向上し,黄色度は低下する。一方,L^*a^*b^*の測定結果を見ると,綿の原布は青味を帯び,天日による繰り返し乾燥により無彩色の方向に変化している。綿布の白色度および黄色度の変化は,蛍光染料の退色,脱落によるものと考えられる。3) 麻は繰り返し乾燥により,僅かではあるが無彩色(白色)の方向に変化する。4) 麻,キュプラ,アセテートは,いずれの乾燥方法でも色相はほとんど変化しない。5) 綿,麻,ポリエステルでは,天日乾燥に比べて屋内乾燥,乾燥機ともに色相変化は少なく同程度であるが,ナイロンでは乾燥機の場合,30回以上で天日乾燥と同様に黄変し,紫外線のほか熱の影響を受けやすい。
著者
小菅 充子
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編 (ISSN:09160035)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.45-53, 1994-03-31

和洋女子大学および和洋女子短期大学に在校する,関東地方に住いのある学生の家庭の味噌汁とすまし汁の食塩濃度を10年に渡り3回測定し,以下の様な結果を得た。1.昭和56年(178家庭),昭和63年(126家庭),平成3年(96家庭)の味噌汁の食塩濃度の平均値は1.27%,1.02%,0.95%であり,すまし汁のそれは0.91%,0.86%,0.79%であった。2.いずれの年も,味噌汁はすまし汁よりも高い食塩濃度を示し,有意の差が認められた。3.味噌汁に於ては,食塩濃度は経年的に有意に減少した。4.すまし汁に於ては,昭和56年と昭和63年では食塩濃度に有意の差は認められなかったが,昭和63年から平成3年では有意に減少した。5.昭和63年と平成3年に於ては,高い食塩濃度の味噌汁を好む家庭は,すまし汁についても高い食塩濃度のものを好むことが認められた。6.平成3年に於ては,味噌汁とすまし汁の顕著な摂取離れが観察された。
著者
里和 スミヱ 海老沼 春世 大城戸 ツヤ子
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編 (ISSN:09160035)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.33-42, 1995-03-31

1. オリーブ油15gまたは50gを1回摂取すると,6日後TGは15gで18%,50gで9%低下。HDL-Chは50gで20%増加した。VLDLは50gで5日後20%低下した。2. オリーブ油を20g毎日摂取すると,14日後T-Chは4%低下,TGは17%低下した。HDL-Chは不変で,VLDLは33%低下した。3. 鰯100gで作ったつみれをオリーブ油15gで調理すると,2日後T-Chは10%低下,TGは8%低下,HDL-Chは15%増加し,鰯のみのときより血清脂質改善作用が増強された。4. 血清過酸化脂質の増加は5.7%と軽度であった。5. 血清脂肪酸組成はいずれもオレイン酸の増加はわずかであった。以上よりオリーブ油にTG低下作用,HDL-Ch上昇作用があることが認められた。