著者
北澤 茂
出版者
工業技術院
雑誌
戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 さきがけ
巻号頁・発行日
2000

脳には水晶クロックがありません。しかも信号は多数のループを巡るので、複数の信号の間の時間順序は簡単に失われてしまいます。脳はどこで、どうやって信号の時間順序を表現、保存、再生しているのでしょうか?本研究は、信号と信号の差分に基づく「動き」を表現する領域と、信号そのものを表現する領域が協調して、信号の時間順序を再構成する、という「動き投影仮説」を手がかりとして問題解明に挑みます。
著者
Nigel H. Collier
出版者
情報・システム研究機構 国立情報学研究所
雑誌
戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 さきがけ
巻号頁・発行日
2008

感染症の拡大を阻止するには、公衆衛生の専門家や政府が多くのソースから信頼できる情報をタイムリーに得る手段が必要です。本研究では、健康被害の監視対象範囲を広げると共に、アジア太平洋地域の諸言語で、発生例の深刻度の自動的な判断や、複数の情報の組合せによる状況の把握などの課題を解決することを目指します。
著者
吉村 奈津江
出版者
東京工業大学
雑誌
戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 さきがけ
巻号頁・発行日
2017

本研究では、心と身体の健康のセルフケアを、脳波を用いたBrain-Machine Interface (BMI)でサポートすることを目的としています。脳活動情報を用いて心の変動や運動調整能力の解読を実現し、自分の心身状態を日々確認することで、普段気がつきにくい心身の異常をいち早く見つけることができると考えています。この心身の状態を自分でモニタリングし、健康指標を提供するシステム構築を目指します。
著者
角谷 寛
出版者
京都大学
雑誌
戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 さきがけ
巻号頁・発行日
2001

睡眠時呼吸障害は、睡眠中に無呼吸・低呼吸を引き起します。このために頻回に生じる低酸素血症によって、不可逆的な脳の障害が生じ、痴呆症を引き起こす可能性が示唆されています。本研究では、睡眠時呼吸障害の状態をマウスで再現し、痴呆症との関係を解明します。
著者
朝長 啓造
出版者
大阪大学
雑誌
戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 さきがけ
巻号頁・発行日
2006

ウイルスの目的は、自らの遺伝情報(ゲノム)である核酸を細胞内で効率よく保存していくことにあります。本研究は、RNAをゲノムにもつボルナウイルス(BVD)のユニークなゲノム保存のメカニズムを利用することにより、これまで困難であったRNA分子を細胞内で長期間、安定に発現させる技術の開発を目指します。BVDの特性を基にした新しい機能性RNA分子の発見など、RNA(リボ)ウイルスを用いた創薬が目標です。
著者
福嶋 政期
出版者
東京大学
雑誌
戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 さきがけ
巻号頁・発行日
2016

記憶に関する神経生理学や心理学の最新の研究成果により、人が新たな出来事や言語を記憶する際に、「情動(感情を含む)」や「運動」がその事象の五感覚情報を長期記憶として保持させることが明らかになりつつあります。本研究は、この情動や運動の記憶保持効果とVR・AR技術を統合し、人の記憶に効果的に介入する新たな語彙学習の潮流を創ることを目指します。
著者
千葉 逸人
出版者
九州大学
雑誌
戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 さきがけ
巻号頁・発行日
2016

電力網、コンピュータの回路、ニューラルネットワーク、心筋細胞など、無数の素子が結びついて構成される大規模ネットワークは、我々の身の回りに溢れています。特に、個々の素子が協調した状態である同期現象の研究とその応用は今後ますます重要になります。本研究の目標は、ネットワーク上の力学系の研究、特に同期現象を解明するための数学理論を構築すること、およびその様々な社会的問題への応用です。
著者
西川 悠
出版者
国立研究開発法人海洋研究開発機構
雑誌
戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 さきがけ
巻号頁・発行日
2018

魚群探知機は海面下の魚の存在を探知するために漁業・養殖業・海洋調査などで広く使われていますが、魚群の全体像や個々の魚の特徴を捉えることは得意ではありません。本研究では、養殖生簀中の魚の成長や動きをシミュレートし、生簀に設置した魚群探知機のエコー画像と比較することで、生簀中の魚の体重分布・個体数計測の高精度化を目指し、魚群探知機から魚群の詳細な状態を知る技術の開発に挑みます。
著者
三浦 典之
出版者
神戸大学
雑誌
戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 さきがけ
巻号頁・発行日
2018

本研究で、0.1mm角に極小粉末化した計算機能要素で構成する、粉薬のように飲み込めるコンピュータ、Triturated Computing Systemを提案し、これを実現する基幹技術を開拓します。構成要素を個別チップに細分化し、構成部品を極小粉末化することで、人体内部をはじめ人間生活と社会に負荷なく無意識のうちに溶け込める計算機システムを実現します。
著者
歸家 令果
出版者
東京都立大学
雑誌
戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 さきがけ
巻号頁・発行日
2020

超短パルスレーザー場中で希ガス原子と高速電子線を衝突させ、角度分解飛行時間型電子分析器を用いて散乱電子のエネルギーと散乱角度分布を計測します。散乱電子の強度分布を解析することによって、標的原子と入射電子との相互作用ポテンシャルによって生じる散乱電子のゼプト秒の遅延時間を決定し、ゼプト秒科学を開拓します。
著者
平野 優
出版者
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
雑誌
戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 さきがけ
巻号頁・発行日
2017 (Released:2018-03-20)

タンパク質において水素原子や外殻電子は様々な化学反応に直接関与しており、そのふるまいからタンパク質の分子機能には量子トンネル効果が寄与していると考えられています。本研究では、中性子回折とX線回折の2種類の量子ビーム技術を相補的に利用した高分解能立体構造解析を行い、水素原子と外殻電子の情報を高精度で決定し、タンパク質が関与する化学反応における量子トンネル効果の構造基盤の解明を目指します。