著者
栄久庵 祥二
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.A35-A49, 2004-07-30

This research is an attempt to identify those elements that should constitute the design activity so far and explain the way it was and it is now. The seven design elements are supposed to change over time, thus explaining the nature of material culture unique to three ages that are pre-modern, modern and the present day as post modern. Broad history such as this may be partly compensated by the usefulness of simple table like apparatus that is expected to help design students to navigate through rather chaotic situations of design thinking today.
著者
蒲生 郷昭
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.A23-A38, 2005
被引用文献数
1

三味線が本土中央に伝来した当初は、「しやひせん」「しやみせん」「さみせん」などという称呼が併存していた。これらは当時の琉球人による発音の本土人による音訳、あるいはその転訛であったと思われる。文禄になると「しやひせん」等と書かれることはなくなり、はやくも「しやみせん」、またはそれに準ずるものが最有力になる。しかし漢字表記「三味線」、それに「三弦」という別称は、慶長にいたっても見ることができない。本稿では、いじょうのことを示したほか、この問題についての研究史の発掘もおこなった。
著者
此経 啓助
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.A47-A63, 2005

神道が仏教に対抗する形で意識上にのぼり、思想化の試みが果敢に実行されたのは、近世に入ってからといわれる。人々の生活に密着した葬祭(葬儀・埋葬)に関してもさまざまな計画が生まれ、明治新政府の神道を柱にした宗教政策に大きな影響を与えた。しかし、何をもって「神葬祭」というのかは公に統一されないまま今日に至っている。この小論では、神道を意図した墳墓を「神道式墳墓」と仮定して、近世における大名・神職・儒家・国学者などによる「神道式墳墓」の計画・意図・実行をさぐり、資料化を計った。
著者
廣澤 文則
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
no.47, pp.5-20, 2008

映画が発明されて約百二十年経った。映画の発明には多くの科学者や技術者達の技術開発や努力のおかげであり、一朝一夕に出来上がったものではない。映画技術史を授業で教えるためには、映画技術に関する科学史・写真史等は必要不可欠であり、時には化学史や機械開発史まで必要となってくる。しかし、それぞれの名専門分野での詳しい開発史はあるが、映画技術史に関すると思われるものを専門家ではないが、広く浅く年表にまとめ資料化を計った。
著者
山内 淳
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.25-36, 2005

ルイ12世は、前王シャルル8世と同様、イタリア遠征に執念を燃やした。だが当時のイタリアは、ヨーロッパ強国による利権争奪の地となっており、混沌とした状況が続いていた。一方、フランス国内では、国王夫妻の長女クロードの結婚問題が浮上していた。宮廷の大方は、王位継承第一位のフランソワ・ダングレームとの縁談を望んでいたが、ブルターニュ公国の再度の自治権確立を目指す王妃アンヌは、神聖ローマ帝国の後継者との縁組を画策していた。フランス国王夫妻は、娘の結婚問題で対立することになる。本論は、ブルターニュ公国の女公爵アンヌ・ド・ブルターニュについての考察の続きである。
著者
栄久庵 祥二
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.49-54, 2005

There are two kinds of effect which tools have, the one being 'sociopetal' and the other 'sociofugal'. The former refers to the effect of tools that pull people together thus encouraging face to face interpersonal communication, while the latter is the effect that puts them apart, independent or isolated. The traditional Japanese heating equipments such as KOTATSU and HIBACHI play sociopetal role, and so does the well in the context of neighboring engaged in by housewives. Today, in general, sociofugal effect as played by mobile tools dominates over sociopetal one due to the nature of tools, technological development and people's value in our affluent society. Even so, desire for face to face communication among people persists strenuously. In this situation, there seems to be something to do on the part of designers.
著者
熊谷 保宏
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.A73-A92, 2000-07-15

二つの記録演劇教育機関の評価?演劇についての高度な学びの諸相と大学アメリカと日本における大学への演劇定着演劇科の形成とその要困学びの現状と諸問題アポリアとしての入口/出口問題演劇学習者とは何者か「理論と実践」という足かせ実践の逆説演劇を教えるということ大学における位置性混雑した交差点脱中心化と再中心化演劇を学ぶということ
著者
蒲生 郷昭
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.A57-A72, 2006

永禄のころ本土中央に伝来したと考えられる三味線は、本稿が対象とする年代には、すでに広い範囲で用いられるようになっていた。しかしながら、その楽器名は、寛永期に俳譜の分野で「三味線」と書かれはじめるようになったものの、それは普及せず、正保、慶安にいたってもなお、おおくは仮名で書かれ、漢字を使ったとしても、俳諧以外で「三味線」とされることはなかった。別称の「三弦」の用例もはじめて認められるが、それは堺出身ながら十年間琉球に滞在していた人物によって書かれたものである。
著者
山下 聖美
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.A133-A141, 2006

宮沢賢治は一九一八年に盛岡高等農林学校を卒業後、一九二〇年まで研究生として学校に残り、その間、将来の職業問題に悩む日々が続いていた。この期間を宮沢賢治の人生における<挫折>の時期として、同時期に勃発した盛岡高等農林学校の大学昇格運動とその失敗という<挫折>とからめて考察していく。
著者
此経 啓助
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.A43-A60, 2005

明治時代初期に施行されたさまざまな墓地政策を通して、文化政策としての宗教政策を検討してみた。具体的には、墓地政策の「神葬祭墓地の成立とその後」に対象をしぼり、神葬祭墓地の痕跡を現在の公営霊園に探し、さらにそこに神道式の墳墓を探索した。その結果、前者の痕跡は希薄だったが、後者に関しては多種多様な墳墓を見つけることができた。一種の「神道文化」である。それは神葬祭墓地が数年して「共葬墓地」(公営墓地)に吸収された理由を解き明かす大きな手がかりとなった。つまり、墓地政策の「公共性」と「宗教性」の両方を必要とするかぎり、全体としての「文化政策」を「政策文化」に転換しなければならない。「宗教性」のもつ概念化された「宗教」を生きた「文化」として取り扱う必要がある。
著者
此経 啓助
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.A19-A28, 2004-03-15