著者
木村 初男
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.16-22, 1991-01-05
被引用文献数
3

液晶の研究は最近いよいよ活発で, 新奇な分子配列相が次々と発見されている. 普通の液体には等方的な相ただ一つしか無いのに, 棒状分子は何故こんなに豊富な液晶相=異方的液体相を持つのだろうか? 最近の計算機シミュレーションは, 引力が無い剛体の円柱状分子の系が, 斥力による排除体積効果のみによって, 液晶のネマチック相, スメクチック相だけでなく, これまで知られていなかった柱状相も実現し得ることを示した. 実験的にも, 棒状の生体高分子溶液で観測の報告が相次いでいる. 液晶秩序は斥力が作り出すのか? 棒状分子系の柱状相とはなにか? 最近の話題を解説する.
著者
久保 亮五
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.657-659, 1992-08-05
著者
金子 邦彦
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.289-295, 1995-04-05
被引用文献数
2

我々が,例えば,生物界の現象を眺めていくと,進化にしても,発生にしても,なんらかの階層性があるように感じられる.なぜだろうか?こういった階層性を作り出していくダイナミクスは何なのであろうか?それとも,われわれの脳の情報処理の特性として,階層的にとらえようとしてしまう傾向があるだけなのだろうか?1984年,ポスドクでロスアラモス研究所に行った時,なにをやりたい?って聞かれてこう答えたことがある.階層性の理由は,たとえば効率という点で考えてみると,いくつか見出される.実際,「しょっちゅう電話で仕事を邪魔される時計屋さんの時計の作り方」とか「不正確な動作をする素子で,いかに信用できる情報処理系をつくるか」などといった例で階層的構成の有利さは議論されている.前者は,モジュール構造を作った方が電話で邪魔されてもそのモジュールだけやりなおせばよいので全部最初からやりなおさずにすむ,後者は並列入れ子の素子でエラーを除去するといったものである.また,モジュール構造を含んだ進化過程は実際にも見出されているし,また最適化を行う上で有利であることがシミュレーションによっても示されている.しかし,一方で,そういう階層的な構造がどうやってできたかについては,上の議論は何も答えてくれない.「前もって,遺伝子にかきこまれているから」とかいった,ある意味で「逃げ」の解答をしたくないのであれば,たとえば,全く同一のルールで発展するような要素の集団が分化していって階層的な構造をつくりだすこと(さらにはそれがいかに動的に変化していくか)を見ていかねばならない.さて冒頭の問に戻る.4年後の88年,再び,ロスアラモスに滞在することになった時,あれはどうなった?と問われた.その段階でも,それに対する満足な答えを持っていなかったし,実際は,今も持っているかはそう確かではない.ただ,たまたま,この滞在中に解答への一つの方向を見出せた(とも考えられる)ので,その後の発展を含めて解説をしていきたい.
著者
富永 昭
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.326-331, 2000-05-05
参考文献数
31
被引用文献数
6

熱音響現象は「熱」と「音」との関わる熱力学現象であり,初期には線形近似の流体力学で記述され,後に熱力学的な理解が進んだ.過去20年ほどの問に熱音響現象を理解することと,この現象を応用する研究とが平行して進歩してきた.熱音響現象は物理学の盲点のような現象である.「音」を流体の断熱的運動と捉えていたら,熱音響現象は理解できない.固体壁と振動流体との熱交換が重要だからだ.非一様温度の非平衡系なので,熱音響自励振動という散逸構造も出現する.熱力学的理解のために,熱力学の示量性状態量と一旦決別して,熱流やエネルギー流などの古い概念を復活させる.熱音響理論ではこれらの流れを示量性状態量と結びつけて熱音響現象を議論する.
著者
安中 正一
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.14, no.11, pp.660-661, 1959-11-05
著者
高橋 秀俊 藤村 靖
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.9, no.5, pp.326-331, 1954-10-25
著者
須藤 靖
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.11-15, 1991-01-05

銀河形成, あるいはもっとひろく宇宙における構造形成の問題は, 古くて新しい問題である. 古いと言ったのは, その基礎となる重力不安定性の考え方は一世紀近く前から存在しているからである. 一方, 新しいと言うのは, 宇宙観測技術の飛躍的進歩により, 我々が想像していなかった大スケールにわたる構造の存在が認識され続けている事実を指す. ここでは主として, 理論的にみた銀河形成の考え方の枠組みを概観した後に, 最近提唱された宇宙マッハ数テストを紹介し, 銀河形成論に与える意味を解説する.
著者
安孫子 誠也
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.121-122, 2002-02-05
参考文献数
6
著者
宮沢 弘成
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.123-125, 2002-02-05
参考文献数
4