著者
三宅 静雄
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.27, no.8, pp.640-641, 1972-08-05
著者
田中 ダン
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.945-952, 2008-12-05

一見逆説的で予想外な現象の発見は,研究の大きな醍醐味の一つです.その現象が単純な機構で生じ,また,普遍的であれば,なおさら重要でしょう.中心多様体縮約,位相縮約を用いてのこのような現象の探求について,三つ紹介させて頂きます.縮約は,例えて言うなら,方程式の'相転移点'から普遍的な数理模型を導出する物理・数学手法です.本稿では,三つの研究を各々独立に述べますが,「縮約による新しい数理構造の探求」という一貫したテーマに基づき,実際,相互に関わり深く発展させてきたものです.
著者
大塚 穎三
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, 1996-12-05
著者
Yang Chen Ning 服部 哲弥 向後 久美子
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.214-220, 1982-03-05

今世紀の前半に物理学的世界像に関する人類の認識に三つの大きな革命的進歩がありました. それは特殊相対性理論, 一般相対性理論, および量子力学です. 最初の二つはEinsteinが提唱したものであり, また彼は量子力学にも大きく貢献しています. しかし今日はこれらのことについてお話するのではありません. (皆さんよくご存知でしょうから.)私がお話したいのは, 理論物理学とは何であるかの理解に対してEinsteinのなした貢献についててす. それは今日の物理学の発展に大きな影響を及ぼしました. 私の話の構成は次の通りです. 1. 「対称性が相互作用を規定する」という原理 2. 場の理論の統一の必要性 3. 物理学の幾何学化 4. 「理論物理学の方法」に対するコメント
著者
鳩山 道夫
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.35-37, 1964-01-05
著者
梁 成吉
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.197-203, 1996-03-05
被引用文献数
1

1994年の暑い夏の最中, 素粒子理論の分野でひとつの「事件」が起きた. コンピュータ・ネットワークを通して毎日眺める新版プレプリント情報に掲載された Seiberg Rutgers 大) と Witten (Princeton 高等研) の共著による2本の論文が原因である. 彼らは, 4次元 (時空(1+3)-次元) の N=2 超対称非可換ゲージ理論の真空構造に関する近似なしの厳密な結果を得たというのである. これが素粒子理論研究者の間で大きな反響を巻き起こした. また, その評判は分野を越えて広まっているようで, 米国では新聞紙上をも振るまわしたとのことである. そこで, この解説ではSeiberg-Wittenの仕事の成果とその意義をまとめてみる.
著者
福田 育夫
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.455-459, 2008-06-05

我々はTsallis dynamics (TD)を導出し,指数1以上でフルエネルギー型のTsallis分布に従う系の分子動力学計算を可能とすることに初めて成功した.さらに,この方程式の関与するエルゴード性及び分布のエネルギーに関する緩やかな減少性が,複雑なエネルギー面を持つ生体分子等の系の状態サンプリングに有効な事を利用し,効率的なボルツマン分布の再構成法を構築してきた.これらの話題について紹介する.
著者
本林 透 岩崎 弘典
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.106-111, 2009-02-05

フェルミ粒子である陽子と中性子からなる系であることを反映し,原子核は原子と同じように殼構造をもつ.陽子と中性子それぞれに魔法数があるのが特徴であり,どちらか一方の核子数が魔法数となる場合には,まわりの原子核に比べて安定になる.また,原子核における魔法数の存在は宇宙における元素合成のシナリオとも密接に関連している.極端に中性子が過剰な原子核では,この魔法数が消失したり,新しい魔法数が出現したりすることが,不安定核ビームを用いた実験研究からわかってきた.ここでは,その契機となった^<32>Mgのクーロン励起実験と魔法数研究のその後の展開について解説する.
著者
小澤 正直
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.945-951, 1988-12-05

現代論理学とも, 数理論理学とも呼ばれる数学基礎論は, 19世紀末に現れた数学の危機を救うために生まれた数学理論であり, 計算機科学がこの数学基礎論から派生したことはよく知られているが, 近年になって, 科学のもっとも基本的な問題にいくつかの応用が発見されるようになった. ノンスタンダード・アナリシスは, 数学基礎論のモデル論の応用として生まれ, 無限小概念の合理化というライプニッツ以来の問題を解決することに成功した. 無限小の合理化は, 単に微分積分学の書き直しにとどまらない, 奥行きの深いものであって, 新しい自然記述の方法を我々に解放したように思われる. 論理学と物理学の間に生まれつつある, この新しい接点を探ってみたい.
著者
美宅 成樹
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.333-337, 1993-05-05

この小特集では生物の設計図であるゲノムについての最近の研究について紹介する.1990年代に入って,ヒトゲノム計画を始めとして多くのゲノム解析計画が始まり,生物についての理解が飛躍的に進むことが期待されている.この新しい生物科学の流れの中では情報学や物理学も無縁ではなく,むしろ非常に重要な役割を果たすのではないかと思われている.しかし,物理学会誌の読者の中には,生物について詳しい人はあまり多くないと思われるので,まずここでは生物やゲノムの基礎事項,その物理的側面および解決すべき問題点などをまとめておきたい.あとで参照しやすいようにできるだけ箇条書きにすることにした.
著者
梶村 皓二
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.288-293, 1991-04-05

低温STM/STSが開発されたことによって, Giaever以来行われてきた超伝導体のトンネル分光法が原子スケールの空間的分解能という新機能を得た. この手法により, 超伝導体に侵入した磁束量子の渦糸(Vortex)内の素励起と酸化物超伝導体の異方的な局所状態密度が初めて明らかにされた. 一方, STMはその原理から絶縁性有機物質に適用するのは難しいと思われているにもかかわらず, 導電性基板表面に吸着・固定させて原子・分子配列の構造観察が行われ, DNAの塩基配列解読への挑戦にまで及んでいる. STM像が得られる機構についても考察する.
著者
杉田 元宜
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.884-886, 1978-11-05

物理学はいろいろの形で生物学や医学, 心理学などの後楯にならなければならないが, そのとき従来のままの形でよいものかどうか少し気になることがある.
著者
安河内 昂
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.26, no.10, pp.765-775, 1971-10-05

今日, かなりの数の超伝導マグネットが実験室でつかわれており, 物理の研究者にも大分親しいものとなりました. しかし, 超伝導マグネットの性質や, それにつかわれている技術については, いがいと知られていないようであります. そこで, 今日における超伝導マグネットの技術の大体をのべて, 今後の発展の方向も展望してみました.
著者
宮沢 久雄 斎藤 基彦 生駒 英明
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.657-672, 1969-10-05

これは物性の片すみのささやかな足どりであり, 解説欄の題材に価するかと問われればためらいを感じるのだが, 編集委員会からの要請にしたがって執筆にふみきった。とり上げた内容は, 電子の身軽いことでは横綱級のIII-V族半導体中, 特にInSbが低温で示す劇的な伝導諸現象と, それらをどう理解するかという点でくいちがう諸派の見解である。