出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.691, pp.98-101, 2001-04-30

ノ島電鉄が足元を駆け抜ける。そのわきのがけ地の上に建つこの住宅は,海に面した南面に大きな開口部が設けられた。シンプルな細長い箱が海に向かって開こうとするその形状を,設計者の手塚貴晴氏は「メガホン型」と呼ぶ。 海が大好きだという建て主の池さんは,「この土地を最初に見つけた時,風の吹き方や太陽の軌跡を確認したくて夫婦で二度キャンプした」と言う。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.717, pp.100-102, 2002-04-29

連載の第1回でお伝えした建築基準法による規制は,4月中旬に国会審議に入った。具体的な規制の中身は告示が出るまでははっきりしないが,厳しい内容になるようならば,早めの対策が不可欠になる。そこで本誌では専門家や研究者への取材をもとに規制内容を推測してみた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.639, pp.116-119, 1999-05-03

東京や名古屋などの住宅地でネズミの被害が広がっている。夜になると天井裏で騒ぐ,ふんをまき散らす,しつこいかゆみをもたらすダニを持ち込む──など。一時,住宅では見かけなくなっていたネズミが,今また増え始めたことに住人は戸惑っている。今回の相手は,かつて多かった大型の「ドブネズミ」以上に手強い小型の「クマネズミ」が主だ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.693, pp.別6-11, 2001-05-28

書籍や文具などインターネットで買える商品はどんどん増えている。しかし,現物がない注文住宅はそれらと違い,インターネットで扱うことは難しいと考えられてきた。昨年4月に積水化学工業が販売を開始した「@ハイム(アットマークハイム)」はそんな常識を覆す住宅だ。発注者の意識の変化を巧みにとらえた商品だと言える。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.740, pp.20-23, 2003-03-17

イツ南部のベルンリートに設けられたこの博物館は,第二次世界大戦下におけるドイツ潜水艦とそのクルーの物語で,映画にもなった「ダス・ブート(Uボート)」の著者,ロータル・ギュンター・ブッフハイム氏が世界中から収集した奇妙なコレクションを展示している。ミシシッピ湖岸に向かってなだらかに下る傾斜地に建ち,ストライプ状に長く延びる屋根スラブやデッキの白い色が,緑の地形…
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.738, pp.20-23, 2003-02-17

京・虎ノ門の築31年のオフィスビルをリニューアルし,借り手の改装を許可するなどの画期的な方法で運営する賃貸オフィスビルが生まれた。 このビルを所有しているのは安田不動産。部屋の内部は入居者が自由に変えられるように,コンクリートむき出しの壁などシンプルなものだ。
著者
藤森 照信
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.669, pp.132-135, 2000-06-26

藤森教授,一人親方焼酎工場に踏み込む。内部のあまりの男ヤモメぶりに驚嘆し,ダダをこねず大人の対応。 工場の中に入って様子を見,作業の労苦を知って,設計はひとまず"おあずけ"となった。新しい建物を作るより,作業の労苦の減少に資金を振り向ける方がいい,と思ったのだった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.696, pp.40-43, 2001-07-09

建築関係者の収入は相変わらず厳しい状態が続いている。本誌読者を対象に2000年の年収を調査した結果,設計事務所勤務者の厳しさが浮き彫りになった。設計事務所勤務者は,建築界の4業種のうち最も平均年収が低いうえに,その半数近くが前年に比べて年収を減らしている。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.711, pp.8-13, 2002-02-04

つの間にかスクリーンが上がったり下がったりしている。開き方が変わるのが面白くて,ついつい見てしまう」。向かいのビルで働く女性はこんな感想をもらす。 広島市中区の国道沿いに建つ新川電機中国支社は,ガラス張りのビルの日射を,外付けスクリーンで制御しようと試みたオフィスビルだ。スクリーンは電動式で,オフィスで働く社員がスイッチを押して一枚一枚動かす。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.735, pp.56-59, 2003-01-06

住宅雑誌で最近,最も目にすることが多い名前は「池田昌弘」ではないだろうか。上写真の中央の人物が池田氏だ。一見するとインテリアデザイナーのような雰囲気だが,職業は構造設計者。だが,氏の仕事の進め方を知ると,そう呼ぶのには少し違和感を覚える。 同氏をよく知る建築設計者たちが語る"池田昌弘像"は,こんな感じだ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.645, pp.32-37, 1999-07-26

伝統建築では自重による軒の変形は付き物。奈良・薬師寺で建設中の大講堂も例外ではない。薬師寺でこれまで腕を振るってきたあの故西岡常一棟梁は経験的な「勘」で築後の変形を予測し,あらかじめ軒の反りを多めにとっていた。だが,今となっては棟梁の勘に頼ることはできない。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.748, pp.16-21, 2003-07-07

工半年前の昨年9月に中里村と東隣の万場町の町村合併が決まり、計画していた「中里村新庁舎」はいらなくなった。白紙に戻った建物の使い道は、その後に再検討され、合併で誕生した神流かんな町の合同庁舎に転用された。神流町支所のほか、健康増進管理センターや図書コーナーが入る複合施設だ。
著者
内田 祥哉 森田 司郎 矢野 克巳
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.652, pp.60-63, 1999-11-01

ある現場で,工事主任さんから「こんなコンクリートを使っていたら建物が将来どうなるのか,心配で寝られない」という話を聞かされたことがあります。人手不足に加えて生コンなどの品不足も深刻で,やっと現場に生コンが入ったと思ったらシャブシャブ。これじゃ困ると断ろうにも工期が延びるから断れない。結局それを使うことになるが,できたものを見ると自信を持てない。
著者
萩原 剛
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.710, pp.110-113, 2002-01-21

「初めて超高層ビルの設計を手掛ける際,外装デザインをどうすべきか迷っていた」。竹中工務店設計部の萩原剛氏はこう話す。モジュールを統一してデザインすれば,大面積の「繰り返し」デザインの外装が出来上がる。印象が薄れはしないか……。萩原氏がデザインのヒントにしたのは,2人の巨匠のマリオンだった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.649, pp.176-179, 1999-09-20

長野県・軽井沢の別荘地の一角に,鬱蒼うっそうと繁る木立に隠れるようにして建つ,ガラスの温室のような建物。屋外と屋内の境界を感じさせない開放的なプランは,夏の数週間を過ごすためだけの,いかにも優雅な別荘として建てられたように見える。 だが実際には,この住宅は初めから日常の住まいとして設計されたものだ。
著者
畠中 克弘 岡 泰子
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.680, pp.30-51, 2000-11-27

施工図の作成を専門に手掛けるA氏はある日,先輩のB氏から一通の電子メールを受け取った。B氏は二十数年のキャリアを持つ施工図管理のベテラン。メールには,B氏が出向している大手ゼネコンの現場の近況が記されていた。こんにちは,○○です。暑い日が続きますが,元気にお過ごしですか。私の方は,やっと現場に入りましたがよく分からない現場です。設計班は13人もいます。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.656, pp.113-115, 1999-12-27

神奈川県横須賀市の湘南国際村は,三井不動産が開発した複合都市。その中心に位置する約290戸の戸建て分譲住宅地は,相模湾を見下ろす丘の上にある。 95年から分譲を開始した同社では,約2年前から建築家の起用を販売の目玉にしたシリーズを展開してきた。これまで3回のプロジェクトに分けて4区画ずつ,12戸の住宅を5人の建築家が設計。いずれも即日完売と,好評を博している。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.666, pp.64-70, 2000-05-15

横浜市の港北ニュータウンの中心,横浜市営地下鉄センター北駅を出ると,観覧車を頂に冠した建物が目に入る。阪急百貨店が100パーセント出資したデベロッパーのモザイク開発が運営するSC,モザイクモール港北だ。都筑阪急はその核テナントとなる百貨店。専門店街を挟んで駅ビルと対置する形に都筑阪急を配し,専門店街を貫く横方向の人の流れを引き起こそうとしている。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.731, pp.70-73, 2002-11-11

銀色に輝く巨大な曲面の屋根を見上げると「都市部に建つ近代的な建築物」というイメージが強い札幌ドーム。意外にもその外構のほとんどは,のどかさが漂う野原のようなつくりだ。草地が広がり,林がぽつぽつと散在する。人の手が加わっていないような池もある。9月に訪れたときには草地で蝶々が舞っていた。 「"生きている"という感じの自然だ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.641, pp.128-137, 1999-05-31

野尻湖ホテル,強羅ホテルなど,歴史ある有名ホテルが,この二年ほどの間に立て続けに休業に追い込まれた。これらは昭和初期,外国人観光客の誘致を目的としたホテルブームのなかで誕生したもの。これらのホテルのなかには,間一髪で解体を免れた所もある。受難の時代を迎えたクラシック・ホテルの現状を取材した。 3月31日,強羅ホテルの60年の歴史に幕を引く最後の朝がやってきた。