- 著者
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藤巻 裕蔵
- 出版者
- 森林野生動物研究会
- 雑誌
- 森林野生動物研究会誌 (ISSN:09168265)
- 巻号頁・発行日
- vol.35, pp.1-6, 2010
1976〜2009年の4月下旬〜7月上旬(高標高地では7月下旬)に北海道中部・南東部の823区画(5km×4.5km),調査路928か所でシジュウカラとゴジュウカラの生息状況を調べた.シジュウカラが出現したのはそれぞれ505区画(61%),548か所(59%),ゴジュウカラが出現したのは333区画(40%),359か所(39%)であった.シジュウカラの生息環境別の出現率は常緑針葉樹林53%,針広混交林52%,落葉広葉樹林77%,カラマツ林71%,農耕地・林68%,農耕地43%で,住宅地71%であった.ゴジュウカラの出現率はそれぞれ67,63,60,50,33,16,14%であった.標高別の出現率はシジュウカラについては200m以下では60%,201〜400mでは65%,401〜600mでは61%,601〜800mでは40%,801m以上では12%,ゴジュウカラについてはそれぞれ33,47,68,36,24%であった.調査路2km当たりの平均観察個体数は,シジュウカラでは常緑針葉樹林0.5±0.5(平均値±標準偏差),針広混交林0.8±1.1,落葉広葉樹林1.0±1.1,カラマツ林1.0±1.1,農耕地・林0.8±1.2,農耕地0.3±0.8,住宅地0.8±0.8.ゴジュウカラではそれぞれ0.5±0.9,0.6±0.9,0.5±0.9,0.1±0.3,0.2±0.4,0.04±0.23,0.03±0.17であった.