著者
宮川 修 渡辺 孝一 大川 成剛 中野 周二 塩川 延洋 小林 正義 田村 久司
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.653-661, 1989-09-25
被引用文献数
1

ビトリファイドホィールで13%Crを含む歯科鋳造用Ni合金を能率良く研削するための研削方法と砥石構成要素を確立することを目的として, 被削材に送りを与えながら一定荷重で研削できるように前報の天秤型研削試験装置を改造し, これによって市販のホィール2種と砥石構成要素の異なる試作ホィール11種の研削性能を評価した.アルミナホィールは砥粒が一様に著しく摩滅した.少なくとも軟質のNi-Cr合金に対しては, カーボランダムホィールが有効である.ホィールを被削材に単に押しつける研削ではホィールの性能を十分発揮できない.ホィールの回転方向にハンドピースを動かしながら比較的大きな力で研削することが大切である.研削荷重が50と100gfでは試作カーボランダムホィールの研削性能は市販ホィールのそれと大同小異であったが, 150, 200gfに増すと, 結合剤が19%で粒度#150のカーボランダムホィールだけが市販ホィールの約2倍の性能を発揮した.安定した高い研削性能の持続はホィールの損耗による砥粒の新出のためと考えられる.
著者
宮川 修 渡辺 孝一 大川 成剛 中野 周二 塩川 延洋 小林 正義 田村 久司
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械. Special issue, 日本歯科理工学会学術講演会講演集 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.7, no.11, pp.187-188, 1988-03-31

砥粒の種類、粒度、および結合度を変えた各種のビトリファイドホィールを試作し、一定重で研削する天秤型の装置を用いてホイールの回転数24, 000rpmで1時間の連続乾式研削を行い、通法により鋳造した13%Cr-Ni合金に対する研削性能とその持続性を調べた。Ni合金の研削にアルミナホィールは不向きであるが、カーボランダムホィールの場合、ある程度の損耗は度外視して比較的大きな力で研削するならば、かなり良好な性能を発揮するホィールを得ることができた。この場合、被削材にホィールを単に押しつけるのではなく、被削材とホィールの間に相対的な動き(被削材の送り)を与えることが重要である。
著者
宮川 修 渡辺 孝一 大川 成剛 中野 周二 塩川 延洋 佐々木 俊道 田村 久司
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械. Special issue, 日本歯科理工学会学術講演会講演集 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.4, no.5, pp.79-80, 1985-04-01

Ni-CrやCo-Crなどの非貴金属系合金の研削の困難さは以前からよく知られている。とくに、鋳造用Ni-Cr合金が保険に採用されたことから、この種の合金の研削能率の向上を急ぎはかる必要にせまられている。よって本研究は、難削性合金の研削に適した工具とその研削条件を検討することを目的とする。今回はまず、研削能率を評価するために試作した試験装置について述べるとともに、市販のビトリファイド系アルミナホィール2種とCBN電着ホィールについて試験した結果を報告する。
著者
浅野 拳斗 宇佐美 勉 葛 漢彬 渡辺 孝一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.22-00098, 2023 (Released:2023-03-20)
参考文献数
17

2種類のCT形鋼断面の両端ピン支持単一ブレース材11体を用いて,正負交番の繰り返し中心軸および偏心軸載荷実験ならびに解析を行った.主要な検証項目は,(1)細長比の大きいブレース材に対する初期横荷重法の適用性,(2)部材座屈と局部座屈の連成座屈に対するひずみ照査法の適用性である.(1)に関する実験は,両端のクレビスの回転摩擦の影響が大きく,履歴曲線は,回転摩擦が切れるまでは両端固定の解析,回転摩擦が切れた後は両端回転自由の解析結果に概ね一致した.回転摩擦が切れるのは,部材座屈が生じた変位に概ね一致し,急激な荷重低下が生じ始める点でもあった.(2)に関する予測結果は,局部座屈発生位置に相違はあるものの,ひずみ照査法あるいは解析によってある程度の精度で予測可能であることが分かった.
著者
若山 滋 張 奕文 渡辺 孝一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.60, no.476, pp.101-109, 1995-10-30 (Released:2017-01-27)
参考文献数
30
被引用文献数
4 1

In the present paper, we studied the architectural space in the literary works of Souseki NATSUME who is expected as a representative writer of modern Japan. All wordings related to the urban and architecture were extracted from 12 of his works and the space of stage was specifically analyzed. We found that extremely various architectural wordings were appeared in his works, which indicates sort of "compound aspects" of cultural situation in Japan in that time. According to the distinction in the change of stage-space in his works written in different time, his works could be classified into four patterns. In his earlier works (until "Sanshirou", 1908) the change of stage-space was "active" and "extensive", whereas in his latter works (since "Sorekara", 1909) it was "uneasy" and "circulated".
著者
宮川 修 渡辺 孝一 大川 成剛 中野 周二 塩川 延洋 田村 久司
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.4, no.6, pp.645-656, 1985-11-25

一定速度で被削材を送り, 与えた工具の切り込みにたいしてくりかえし研削で得られる実研削量によって研削工具の性能を評価する試験装置を試作した.これにより13%Cr-Ni合金を被削材として研削試験を行ない, CBN電着ホィールの研削性能を市販のビトリファイド系アルミナホィール2種と比較した.ホィールの振れまわりが影響して, 22, 000rpmの高速回転と18, 000rpm以下の低速回転とで異なった研削挙動が現われた.高速回転では, 研削面のうねりが激しく, 最終研削量も設定した切り込み量を越えた.低速回転では, 研削面のうねりは比較的小さかったが, 設定した切り込み量が完全に削りきれなくなる傾向がみられた.その上, 送り速度を大きくすると一定量を削るまでに何回も何回も研削をくりかえすことが必要になり, 削り残しも大きくなった.振れまわりの影響を考慮して, CBN電着ホィールは低速回転についてのみ実験した.それでもなおこれは, 送り速度が大きい場合でも優れた研削性能を示した.
著者
宮川 修 渡辺 孝一 大川 成剛 中野 周二 小林 正義 塩川 延洋
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
Dental Materials Journal (ISSN:02874547)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.175-185, 285, 1989-12-25
被引用文献数
44 69

燐酸塩を結合剤とし,アルミナ/シリカを耐火材とする埋没材の鋳型に市販のチタンを鋳造した。鋳造体の表層構造をEPMAによって調べ,それが次の4層からなることを明らかにした。すなわち,第1は反応層(焼き付き層),第2は酸素とAlで安定化したα相の層,第3はSi, P, C及び酸素が所々に濃縮された層,そして第4は針状または板状結晶の集合体である。鋳造体の体積が大きいほど,また鋳型温度が高いと,各層が厚くなり,針状結晶も粗大になる。 この多層構造は鋳込みの際に埋没材が溶湯に巻き込まれてできたものではないことは実験結果から明らかである。埋没材の還元されやすい成分の分解によって生じた元素が鋳造体の内部へ拡散してできたものと考えられる。
著者
金谷 貢 渡辺 孝一 宮川 修
出版者
Japan Prosthodontic Society
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.227-237, 2001-04-10
被引用文献数
11 6

目的: 本研究ではブリッジと有床義歯に関する教育, 研究および臨床の将来計画立案の-助とするために, 将来使用されるそれら補綴物数の推計を試みた.<BR>方法: 研究対象は65歳以上の高齢者および要援護高齢者とした. 将来における一人平均のブリツジ数と有床義歯数を歯科疾患実態調査報告をもとにした単純回帰分析より推定した. 回帰分析においては, 推定回帰線の交差および上限に対する補正を加えた. 推定された一人平均のブリッジ数, 有床義歯数, および将来推計人口から, 将来使用される補綴物数を予測した.<BR>結果: 高齢者が使用するブリッジと有床義歯の総数は, 今後20年間で2.0倍 (2.2~1.1倍, 95%信頼区間より算出) と1.5倍 (1.8~1.0倍) にそれぞれ増加し, その後10年間は両者ともにほぼ一定で推移すると推定された.ブリッジ数と有床義歯数の増加率はともに年齢階層が高くなるほど大きくなっていた. また, 要援護高齢者が必要とするブリッジと有床義歯の総数は, 今後25年間で2.7倍 (3.2~1.0倍) と1.8倍 (2.2~1.0倍) にそれぞれ増加すると推定された.<BR>結論: 以上より, 高齢者および要援護高齢者を対象としたブリッジあるいは有床義歯に関する教育, 研究および臨床はこれまで以上に必要性が増してくると考えられた.