著者
藤原 省三 佐藤 博 野口 琢矢 長門 仁 尾崎 任昭 菊池 隆一 野口 剛 内田 雄三
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.146-150, 2002-02-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
13

症例は69歳,男性.脳梗塞後遺症のため胃瘻が造設されていた.出血性胃潰瘍のため緊急入院.H2受容体拮抗剤により一時は軽快したが,2カ月後,潰瘍は一再発した.その後3カ月間の治療にて潰瘍は瘢痕化しなかったため,オメプラゾール坐剤を調製し投与した.投与中の24時間胃内pHモニタリングでは酸分泌抑制効果はほぼ完全であり,潰瘍は速やかに瘢痕化した.嚥下困難な患者の難治性胃潰瘍に対し,オメプラゾール坐剤の投与は極めて有効な治療法であると考えられた.
著者
川崎 敏生 荒川 芳輝 杉野 寿哉 光原 崇文 舟木 健史 菊池 隆幸 小柳 正臣 吉田 和道 国枝 武治 高橋 淳C 高木 康志 宮本 享
出版者
医学書院
雑誌
Neurological Surgery 脳神経外科 (ISSN:03012603)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.1005-1010, 2015-11-10

Ⅰ.はじめに もやもや病は,両側内頚動脈終末部に慢性進行性の狭窄を生じ,代償的に脳底部に異常血管網が形成される原因不明の疾患である11).一方,川崎病は乳児および幼児において原因不明の系統的血管炎を主体とする疾患であり6),活動期に稀ながら脳梗塞を合併する4,7,12,15,17).川崎病活動期のもやもや病合併の報告はないが,川崎病罹患歴のあるもやもや病の報告がある1,3,8,9,13,14).今回,川崎病の既往があるもやもや病3例を経験したので,文献的考察を交えて報告する.
著者
池田 昭夫 松本 理器 長峯 隆 菊池 隆幸 小林 勝弘 國枝 武治 宇佐美 清英
出版者
京都大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2015-06-29

難治てんかん患者の脳内脳波記録への数理モデルの適用や、手術病理標本の解析、動物実験などを通じ、てんかん焦点の脳波バイオマーカーとしてのActive ictal DC shiftsの存在を確立し、てんかん発作における、 神経細胞, 能動的グリア, 受動的グリアの3成分、特に前2者の重要性を明らかにした。また、てんかん発作前状態ではred slow(低周波数帯域活動と高周波律動の共起)がactive DC電位の領域に一致することを明らかにした。一方で、頭皮上脳波での記録の実証により、Active ictal DC shifts、Red slowのバイオマーカーとしての汎用性を明らかにした。
著者
片岡 拓実 加藤 直也 菊池 隆司 芦原 克宏
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.1521-1526, 2009 (Released:2010-06-18)
参考文献数
13

軸受設計において、最小油膜厚さは最も重要な情報の一つである。油膜厚さ計測手法確立のため、軸受メタル表面に形成した数μm厚の薄膜電極とシャフト間の静電容量から油膜厚さを求める方法を検討し、単体試験機でEHL計算値と一致した。この手法を用いてエンジン実働時の主軸受の油膜厚さを最大負荷条件まで実測した。
著者
菊池 隆 鴨志田 晃
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2008 春季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.176-190, 2008-04-26 (Released:2017-06-06)

日本企業がサービス化する経済に対応していくためには、日本のインスティテューション(≒社会経済文化システム・体質)に対する洞察が必要だ。オランダの社会学者であるホフステードは、日本文化は、相対的に不確実性回避傾向が強く、また権力格差が大きいとしている。こういった体質と、例えば日本が得意としている(ように見える)ゲームソフト、「おもてなし」が売りの老舗旅館、あるいはコンビニに関わるロジスティクス、日本に生じ易いとされる顧客の過剰期待と企業の過剰サービス、そして日本の生産性が低いと言われるサービス分野、との相互関係を、有用なサービス分類に基づいて洞察することが不可欠である。
著者
松本 理器 菊池 隆幸 山尾 幸広 中江 卓郎 小林 勝哉 下竹 昭寛 吉田 和道 國枝 武治 池田 昭夫 宮本 享
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.316-325, 2019 (Released:2019-06-25)
参考文献数
12

適切に選択された2種類以上の抗てんかん薬で単独あるいは併用療法が行われても, 1年以上発作が抑制されないてんかんは薬剤治療抵抗性てんかんと定義される. 全てんかん患者の30~40%を占め, 外科治療適応を検討することが推奨されている. 本稿では, 最近の診断技術の進歩も踏まえて, 部分てんかんのてんかん焦点診断のためにキーとなるてんかん関連領域を概説し, 実際の症例提示から, てんかん焦点の術前診断のプロセスを紹介する. 焦点関連領域の評価にはさまざまな検査法を行うが, 単独で焦点診断に至る 「万能な」 検査はなく, 各検査の特性・限界を理解して, 各種検査間の結果の整合性を検討しながら, 包括的に術前評価を行うことが重要である.
著者
菊池 隆
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.169-171, 2018

<p>鎌倉市図書館ツイッターでは,図書館の行事ばかりでなく,近隣の情報などもツイートするなどの工夫をしている。そのような中,平成27年8月,メッセージ性の高いツイートで全国的に認識されるようになった。それ自体は喜ばしいことではあるが,公的機関における情報発信には多方面への配慮が必要で,認知度の高いメッセージ性がある内容を発信することには限界がある。また,利用者の属性によってはSNS以外での情報発信が効果のある場合もある。制約のある中,いかに多くの市民,利用者に情報を見てもらうかが重要である。</p>
著者
菊池 隆 鴨志田 晃
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.176-190, 2008-04-26

日本企業がサービス化する経済に対応していくためには、日本のインスティテューション(≒社会経済文化システム・体質)に対する洞察が必要だ。オランダの社会学者であるホフステードは、日本文化は、相対的に不確実性回避傾向が強く、また権力格差が大きいとしている。こういった体質と、例えば日本が得意としている(ように見える)ゲームソフト、「おもてなし」が売りの老舗旅館、あるいはコンビニに関わるロジスティクス、日本に生じ易いとされる顧客の過剰期待と企業の過剰サービス、そして日本の生産性が低いと言われるサービス分野、との相互関係を、有用なサービス分類に基づいて洞察することが不可欠である。
著者
菊池 隆
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.169-171, 2018-04-01 (Released:2018-04-01)

鎌倉市図書館ツイッターでは,図書館の行事ばかりでなく,近隣の情報などもツイートするなどの工夫をしている。そのような中,平成27年8月,メッセージ性の高いツイートで全国的に認識されるようになった。それ自体は喜ばしいことではあるが,公的機関における情報発信には多方面への配慮が必要で,認知度の高いメッセージ性がある内容を発信することには限界がある。また,利用者の属性によってはSNS以外での情報発信が効果のある場合もある。制約のある中,いかに多くの市民,利用者に情報を見てもらうかが重要である。
著者
菊池隆裕
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.930, pp.92-95, 2006-07-17
被引用文献数
2

2005年末から2006年前半にかけて,電機メーカーや大学関係者の間で話題を呼んだ資料がある。東京大学の学生が教養学部(大学1,2年生)から専門課程(大学3年生以上)に進む「進学振り分け(進振り)」時の,学科別の基準点や最低ラインをまとめたものだ注1)。その資料によると,工学部の26学科のうち下から二つはいずれも電子・情報関連が占めた(図1(a))。
著者
姫野 秀一 菊池 隆一 内田 雄三
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.26-30, 1999-01
被引用文献数
7 3

腺腫内に早期印環細胞癌を含む,大腸同時性4多発癌の1例を経験した.症例は60歳,女性.平成8年3月26日,他院にて横行結腸癌に対し横行結腸切除術(高分化型腺癌,stage II)を施行した.その10カ月後,同院にて全大腸精査を行ったところ,上行結腸に直径5cm大の腫瘤型腫瘍を認め,手術目的にて当院に紹介された.平成9年2月17日,右半結腸切除術を施行(stage II).切除標本には,(a)上行結腸中央部に腫瘤型病変,(b)上行結腸下端にIIa病変,および(c)結節集簇様病変,を認めた.各々の病理組織学的診断は,(a)中分化型腺癌,深達度ss,(b)tubular adenomaの一部に印環細胞癌を認める腺腫内癌,深達度m,(c)高分化型腺癌,深達度m,であった.本症例はきわめて稀な印環細胞癌の腺腫内癌を含む多発癌であり,発癌の機序を考えるうえでも非常に興味深いと考えられた.
著者
菊池 隆之助
出版者
日本スラヴ・東欧学会
雑誌
Japanese Slavic and East European studies (ISSN:03891186)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.109-117, 2001-03-31

欧州環境閣僚会議でスロベニアは大気汚染を最大の環境問題として発言した。とりわけスロベニアでは石炭燃焼によるイオウ酸化物の大気中への排出が深刻化している。日本や欧米ではイオウ酸化物排出対策に脱硫装置が一般的に使用されるが、その対策としてスロベニア環境省は省エネルギーや天然ガスの普及を第一に掲げている。こうした実状を現地調査した結果、環境省発表の対策ではなく、発電所は低品位国産炭の使用を止め、高品位輸入炭に切り替えつつある対策を取っていた。この石炭代替政策はスロべニアの石炭業に影響を与え炭坑労働者から職を奪う可能性を含んでいる。それは15%の失業率をさらに引き上げることになる。またエネルギーの海外依存度も高くなり、外債を抱えるスロベニアにとって国際収支を悪化させることにもなる。環境改善のため、炭坑労働者は犠牲になってよいのか、自国産業を鈍化させてよいのかという命題をスロベニアの本ケースを基に考察し、環境と社会と経済を融合させる糸口を持続保存的開発の理念に立ち模索するものである。