著者
加藤正恭 小川秀人
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.249-251, 2011-03-02

大規模組込みソフトウェア開発では,機能追加や変更による影響範囲特定が課題である。従来の影響分析では,まず変更点ごとに影響が波及しそうな機能に目安をつけて絞込み,そのあとで実際にどんな影響があるかを人手で分析していた。しかし,大規模なソフトウェアの場合は人手による影響分析では工数がかかる。本研究では,ソースコードから変数と関数の依存関係に関する情報を自動的に抽出し表形式(CRUDマトリクス)で可視化する手法を開発した。CRUDマトリクスを用いてレビューを行なうことにより,影響分析工数を削減することができるようになった。
著者
淡誠一郎
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.359-361, 2011-03-02

カーネギメロン大学開発による,教育用プログラミング環境Aliceは,プログラミング初心者の学習意欲低下をまねく要因を極力そぎ落とし,アニメーションという魅力的で理解しやすい題材により学習者のモチベーションを持続させる,というコンセプトで開発されている.Aliceは世界中の学校で広く利用されているが,日本の学習現場での利用は少ない。現バージョンのAliceは,英語のみにしか対応していない,という事実がその大きな要因であると推察できる.幸いAliceはオープンソースであるので,その日本語化を試み,中学生と大学生を対象とした授業で利用して,良好な反応が得られたので,ここに報告する.
著者
磯貝佳輝 齊藤義仰 村山優子
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.347-348, 2011-03-02

動画投稿サイトには膨大な動画が投稿されているが,膨大な動画の中から短時間で自分が興味のある動画を探すのは難しい.各投稿動画の概要がわかるダイジェスト動画を提供することで,ユーザの動画検索を支援することができると考えられる.そこで本研究では,ニコニコ動画に投稿されるような時系列のコメントを分析することで, 各シーンの性質を推定し,ダイジェスト動画に必要なシーンを自動的に選定するアルゴリズムを検討する.必要なシーンに含まれるコメントの特徴と,不要なシーンのコメントの特徴を分析し,コメント数の多いシーンのうち必要なシーンのみを抽出するための手法を提案する.
著者
高野茂 井上創造 馬場謙介
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.795-796, 2011-03-02

本研究では,インターネット上の膨大な画像群を巨大な画像データベースとみなし,それを専門家の知識により整理し,すべてのユーザは安全・安心にオンライン図鑑として利用することができるシステム開発を目指す.本システムは,ユーザがモバイル端末により撮影した質問画像を,図鑑検索サーバに送信することにより,その一次回答(類似画像)を直ちに受け取ることができる.専門家により得られる詳細な二次回答はSNSを介してユーザへと配信される.本稿では,リフティングウェーブレットに基づくモバイル図鑑検索システムの構築について述べ,SNSシステムと連携し,より精度の高い一次回答を返す類似画像データベースを自動的に再構築する手法を示す.
著者
端山竜也 渡辺賢悟 宮岡伸一郎
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.129-130, 2011-03-02

近年、大きな紙に書道をする姿を、パフォーマンスとして観客に見せる「書道パフォーマンス」が注目を浴びている。しかしながら、「書道パフォーマンス」をするためには実演できる場所の確保をしたり、パフォーマンスに用いる道具の準備をしたりなど、様々な条件をクリアしなければならず、試みるには敷居が高いという問題がある。本研究ではそういった敷居の高さを、デジタル画像処理を用いたツールによって軽減することを目的とする。二台のWebカメラによってリアルタイムに撮影された映像から、射影変換の技術を用いて筆の接地判定を行い、スクリーン上に描画をする。そのツールの概要と実験結果について報告する。
著者
武井祥 徳永幸生 杉山精 阿部匡伸
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.251-252, 2011-03-02

日常生活環境の中に存在している様々な環境音を組み合わせて創った音楽がある。<br />この音楽は、楽器音ではなく環境音を用いることで、音楽に付加価値を与えることができる。<br />しかし、多くの環境音は音楽を生成するのに必要な音高が認知しにくく、<br />そのような環境音のみで音楽を生成すると、音楽として認知しにくくなってしまう。<br />また、音高を認知しやすい音ばかりを用いてしまうと、付加価値が減少してしまう。<br />そこで、音高が認知しにくい環境音を用いてもどの程度なら音楽として認知しやすいかを検討した。<br />まずは、環境音を組み合わせて創られた音楽の例であるHondaのCM「Music」篇に着目し、検討した結果を報告する。
著者
信田春満 尾形哲也 奥乃博 高橋徹 日下航
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.125-126, 2011-03-02

認知ロボティクスにおいて身体図式の獲得は重要なテーマの一つである。従来研究では運動指令値と視覚を相関学習させるため,視覚中の身体位置が既知であることが前提であった。対して本手法は「予測(操作) できる部分が身体である」という考えに基づき、運動指令値と視覚の関係を予測学習することによって画像中の他者と自己の身体識別を可能とした。具体的には神経力学モデルであるMTRNN に運動指令値及び自己と他者の身体を含む視覚情報を入力し予測学習させ,予測可能部分を自己身体とした。実験の結果,MTRNN は運動指令値のみから自己身体を他者身体に比べ平均10 倍の精度で予測できることが確認された。
著者
藤井雄太郎 安藤哲志 伊藤孝行
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.397-398, 2011-03-02

近年,ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やブログ等では,未成年にとって悪影響を及ぼすような書き込みや画像,または動画などの存在が問題となっている.そのため,効率的かつ自動的に有害な情報を適切に判別し,人への負担を軽減するための研究が進められている .本稿では,掲示板等の文章に注目し有害な情報の判別を行う.文章中の複数単語間の共起情報、距離情報に加え、グレイワードという概念を定義し、それらを用いた有害文書分類手法を提案する.また,今回判別する文章の対象として,過度な性的描写を含む文章とする.
著者
林国興 岩井祐太 西山裕之
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.283-284, 2011-03-02

近年,携帯端末の高機能化,無線通信の向上などに伴い,これを用いた様々なサービスが普及しており,中でも,位置情報サービスにおいては,携帯電話へのGPS搭載義務化を受けより一層注目を集めている.しかしながら,屋内環境においてはGPSの取得が困難であるため,アクセスポイントや発信機といったインフラを利用した位置推定を行うシステムが多く提案されている一方,設置や初期設定などからユーザが容易に利用できるとは言い難い.本研究では,インフラを利用することなく,携帯端末によるアドホックネットワークを形成することにより相対的な位置を推定する手法を提案する.また,位置推定精度の評価実験を行い,システムの有効性を示す.
著者
黒野望 勝崇 中道上 青山幹雄
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.373-374, 2011-03-02

クラウドサービスの利用が普及している.クラウドサービスにおけるユーザ毎の違いは構成メタデータで表現している.しかし構成メタデータの構造は一般的に示されていない.本稿では構成メタデータのバリエーションモデルの提案を行い、構成メタデータの可変部分の構造を示す.構成メタデータを操作するAPIに着目し,ユーザの操作による構成メタデータの変動の構造を示す.プロダクトラインに基づく可変性の概念を導入し構成メタデータの可変性を定義し、OVMによるモデル化を行う.モデルにより共通部と可変部を表現することで、構成メタデータの変動の範囲を示す.提案したモデルをSalesforceへ適用し、妥当性を評価する.
著者
澤田真吾 吉谷幹人 浜中雅俊
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.661-662, 2011-03-02

本稿ではweb上よりバンドメンバーの音楽活動に関する情報を西暦や日付と共に自動収集する手法を提案する.従来,特定の人物の情報をWeb上から時間表現とともに収集する研究はあったが,Web上に出現する時間表現は無数に存在するため人物と関係のない情報も多く集めてしまっていた.本研究では,取得する情報を,人物の生存期間,バンドの所属期間やソロ活動期間,曲の発売やコンサートの日時などの順に時間の幅を限定していくことで,無駄な情報を大幅に省き,より人物と関係の深い情報の抽出が可能となる.
著者
國廣直樹 長谷川智史 穴田一
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.379-380, 2011-03-02

文章の書き方には人それぞれ特徴がある.一番特徴が表れるのは文字の筆跡であるが,電子テキストの普及等から,筆跡以外の特徴を用いて解析を行い,著者不明の作品や文献等の書き手を識別する研究が行われている.<br />既存の研究では,読点直前の品詞や単語の出現頻度等に著者の特徴が表れると考え,主成分分析や類似度等を用いて比較することで著者の識別が行われてきた.しかし,比較文章における文字数の統一や,短い文章を使用できないという制約があるものが多い上,未だに著者の特徴がどこに表れるか明確になっていない.そこで,本研究では,文章の文字数に依存しない著者の特徴を抽出する方法を提案し,その有効性を検討する.
著者
味方さやか 小林一郎
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.161-162, 2011-03-02

災害時における復旧計画の作成は,迅速な機能回復のための重要な課題の1つである.しかし,復旧に当たる人員や順序は相互連関を持つと考えられるため複数の制約が生じる。そのため、これらの条件を考慮しつつ早急な復旧を行うスケジュールを作成するのは困難であると考えられる。そこで,本研究では,複数のライフラインの相互連関を取り入れた目的関数を定義し,複雑なライフライン網の復旧計画の作成を試みる.解の探索には,遺伝的アルゴリズム(GA)を適用した手法と遺伝的アルゴリズムにローカルサーチを取り入れた手法を用い,両者の比較を行った.
著者
粟飯原萌 小林貴之 村上雄太郎 菅原祐人 花村成慶 武田智裕 古市昌一
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.307-308, 2011-03-02

本研究は,教育支援を目的としたシリアスゲーム(SG)に関するものである.対象は就学前の児童で,社会性や言語教育等の支援を目的とした電子絵本の利用を効果的に実施するため,集中力を持続させるためのHMIに関する.児童が電子絵本との間で複数の手段でインタラクションを繰り返してストーリが進行・展開することにより,集中力を維持することを特長としたHMIを提案する.本HMIでは,電子絵本中の複数の登場人物をAR,OpenCV及びマルチユーザタッチパネルを利用したユーザ認識技術を複合的に利用することにより,一人または複数の人が同時に操作することが出来る. 本稿では,方式の提案及び初期評価結果について述べる.
著者
今井正樹 上原哲太郎 候書会 津田侑 喜多一
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.557-558, 2011-03-02

情報漏洩対策機能として使用者のIDを電子透かしで文書に埋め込む電子文書管理システムがある.情報漏洩発生時に文書の流出元特定を容易にし,使用者の情報漏洩を心理的に抑止する.しかし,従来の方式でIDを符号化した場合,異なるIDを持つ文書を比較することによりIDの消去が可能である.そこで本稿では結託耐性符号を用いてIDを符号化し,文書に埋め込む電子文書管理システムを提案する.システムはOffice形式の文書を対象とし,実用可能な時間でIDを埋め込む.組織内不正者の成りすましが困難となり,故意の情報漏洩についても抑止できる.結託耐性符号の実用的な符号長,有効な透かしの手法について検討し,それが文書に与える影響について調査する.
著者
神宮彩実 太田直哉
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.527-528, 2011-03-02

犯罪捜査において、防犯カメラに写った不審車両のナンバープレートを認識することは大変重要である。しかしナンバープレートが小さく撮影されていて、目視で数字を認識できない状況も多い。本研究では防犯カメラが犯罪後も使用可能であること、ナンバープレートには0から9の10種類の数字しか使われていないことの2点に着目し、このような場合にも防犯カメラの画像から数字を認識する手法を提案する。また、実験によってその有用性を確かめる。
著者
券田孝晴 西山裕之
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.685-686, 2011-03-02

近年、短いテキスト「つぶやき」を投稿することができるWebサービス、Twitterが注目されている。Twitterでは,更新情報や新着情報をつぶやくTwitterアカウントを介した情報収集ツールとして利用されているが、アカウントを探す際に様々な問題がある。それは、つぶやきの配信元であるアカウントが信頼できるのか確認する手段がほぼないこと、さらに、アカウントのつぶやき自体が信頼できる情報なのか不明なことである。そこで、本研究では、Twitter内の信頼できる情報を収集するためのアカウント検索を目的とした、アカウント情報の信頼度を考慮したTwitterアカウント検索システムの実装を行う。
著者
外川遼介 登内敏夫
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.57-58, 2011-03-02

現在、稼働率や処理性能等のサービスレベルを顧客と合意する運用管理が重要となっている。しかし、障害の発生等に伴うサービスレベルの違反を完全に防止することは困難であるため、事前に違反の予兆を検出し、対処を図る必要がある。違反の予兆に用いるイベントの事例を学習して違反確率を算出する従来の方式では、違反事例が少ない場合、違反確率の正確さに大きな問題がある。そこで、違反の予兆に用いるイベントの確率分布の形状を推定して違反確率を算出するサービスレベル違反予兆方式を提案する。従来方式との比較実験により、提案方式は、違反の予兆に用いるイベントの事例が少ない場合であっても、正確に予兆を検出できることを示した。
著者
平野直樹 菱沼千明
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.381-382, 2011-03-02

生ごみ削減が問われているにも関わらず,コンビニでは衛生上一定時間を経過した食品などの廃棄が続いている。廃棄される商品の原価は,オーナーが全額自己負担しなければならない。本論文では、適切な割引を導入して販売促進することで、廃棄を少なくする方法を提案する。具体的には、割引率と販売増加数との関係式を過去の売上げデータから見い出し、当日の売上げ傾向が予定よりも少ない場合には、関係式にから求めた割引率を適用して商品販売を行い、在庫をゼロにできることを明らかにした。なお、仕入れ数は当日変更は不可とした。関係式は特定のコンビニデータを元に見いだしたが、パラメータ変更により異なる特性にも適応しうることも考慮した。
著者
卜部静香 奥田隆史 井手口哲夫 田学軍
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.371-372, 2011-03-02

近年,電気自動車が注目されている.電気自動車が普及するためには,ガソリンスタンドに相当するようなEV(Electric Vehicle)ステーション等のインフラが必要である.<br /> EVステーションには,電気自動車のバッテリー充電設備と,バッテリー交換設備が備えられている.バッテリーの充電には多大な時間を要するため,適切な充電設備を設置しないと,EVステーション内で車の混雑が発生する可能性がある.また,交換設備を建設するためには,多大なコストとスペースが必要になるため,エリア内の適切な交換設備数を明らかにする必要がある.そこで本研究では,EVステーションを待ち行列モデルを用いて表現し,EVステーション内のニ種類の設備の最適数を検討する.