著者
加藤 晴治
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.14-17, 1965

伊勢市倉田山には, 神宮皇学館と並んで, 神宮文庫がある。そこに皇学館の図書館も併置されて, 多くの書籍, 古文書などが保蔵されている。とくにここでは神宮文庫に保蔵されている古文書のうちからいくらかを選び出してそれに用いられている用紙が如何なるものであるかを検討しようとするものである。そのために選定した古文書は次の26種である。これを分類すると次の5種になる。 (カッコ内の数字は第1表の番号である。)

1 0 0 0 天平の紙

著者
町田 誠之
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.10, pp.522-526, 1976
被引用文献数
1
著者
石塚 雅規 斎藤 継之 江前 敏晴 磯貝 明
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.437-447, 2010-04-01
参考文献数
18
被引用文献数
2

広葉樹漂白クラフトパルプをTEMPO触媒酸化することで,セルロース中のC6位の水酸基の一部をカルボキシル基のナトリウム塩に効率的に変換できる。そこで,酸化の程度を変えたTEMPO触媒酸化パルプを一定条件で水中解繊処理して得られるスラリーから手抄きシートを作製し,各種物性評価を行った。広葉樹漂白クラフトパルプは3mmol/g―pulp以上の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を添加してTEMPO触媒酸化を行うことにより,解繊処理によるパルプ繊維の切断が促進された。TEMPO酸化広葉樹漂白クラフトパルプの解繊処理によって得られた切断したパルプ繊維およびナノファイバーを含む微細化物も,水道水を用いた抄紙法によって90%以上紙中に歩留まらせることができた。TEMPO触媒酸化パルプの解繊物を水道水で抄紙すると,水道水中の多価イオン(例えばカルシウム)を多く含むシートになり,イオン交換機能が期待できる。解繊が進むに従い,シートの密度は高くなり,通気性の低い緻密なシートになった。これらの結果から,抄紙条件を最適化することにより,一部ナノファイバー化したTEMPO触媒酸化パルプ解繊物の抄紙法によるシート化が可能であり,イオン交換能等の有する機能性シートへの利用が期待される。
著者
長谷川 清
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.1163-1168, 1996-08-01

当工場では, 現在4基の蒸気タービンが稼働しているが, そのうちの3基については, いずれも昭和40年代に設置されたものである。<BR>設置後20年以上経過しており, 経年劣化を考慮しなければならない時期にさしかかっていた。又, 運用負荷帯での効率低下が顕在化して来た為, 既存設備としての省エネルギーを考慮に入れながら, 設備そのものの信頼性向上を図る目的で逐次改造工事を実施してきた。<BR>改造内容としては, <BR>(1) 隔板 パッキン環・ノズルを含め新製交換 (高効率ノズル採用) <BR>(2) 動翼 シュラウドを含め高効率翼に新製交換<BR>(3) 動翼シールフィン 新製交換<BR>(4) シャフトバッキン環 前・後部及び中央部新製交換<BR>(5) ローター・円板 2T・ 3T→新製交換<BR>4T→既設流用<BR>(6) その他 3T→ 第一段ノズルボックス新製交換<BR>2T→ 抽気背圧タービンから背圧タービンに改造をそれぞれ定期検査期間を利用し実施してきた。<BR>改造の結果, 蒸気消費率は, <BR>2T : 11. 09 ton/ MW→9. 77ton / MW (改善率 11. 9%) <BR>3T : 6. 68ton/ MW→6. 26 ton / MW (改善率 6. 3%) <BR>4T : 10. 77 ton/ MW→9. 63ton / MW (改善率 10. 6%) <BR>となり改造工事を行ったことで計画以上の省エネルギーを達成することができたとともに, 設備上の信頼性も向上し, 現在, 安定した稼働を継続している。
著者
岩重 尚之
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.34-38, 2011

LPスクリーンは,約40年間の弊社ノウハウを注ぎ込み完成させた,超低動力スクリーンである。低動力の秘密はその内部構造にあり,スクリーンプレートに設けられたすべての開口部を,均一に原料スラリーが均一な速度で通過すること,処理原料の濃度を高くすることができるような工夫が盛り込まれている。今回は,佐々木賞受賞記念講演として,この画期的スクリーン技術の紹介をする。
著者
佐藤 幹晃
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.1675-1684, 2004
被引用文献数
3

板紙の最近の傾向は,軽量化と高付加価値化,美粧化といわれている。すなわち,以前から重視されてきた強度に関する品質はもとより,印刷用紙に匹敵するような高い印刷適性も要求されてきている。したがって,板紙用ヘッドボックスにおいても,印刷・情報用紙用ヘッドボックスと同様の性能が求められているのが現実である。我がフォイトグループでは,以前から紙種を問わず高品質のヘッドボックスを供給してきた。同時に,ハイタービュレンスW型ヘッドボックスとモジュールジェット濃度コントロールシステムという高い信頼を得てきた技術をもとに,新たにマスタージェットヘッドボックスと呼称する高品質なヘッドボックスを開発してきた。その一方で,最小の生産コストで最大の生産性を確保する命題のもと,経済的にも優位なヘッドボックスの開発にも取り組んでいる。
著者
中田 雅博
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.283-286, 2007
被引用文献数
1

弊社として30余年の事業の歴史と約2,500台納入させていただいた,その歴史の概要と現在における"スーパーNASP"の特徴について述べる。<BR>要求スペックをいかに実現していくかは世の中の技術の進歩とユーザ様のご支援によるものがベースにある。本文では"WISの歴史と将来"を技術あるいは要求スペックをキーワードあるいは,その狙いがご理解いただけるように記載している。また,将来について紙の生産ラインの特質である高速・連続24時間稼動などそのWISへの期待レベル高さに対して課題と一般的に言われている生産ラインの発展の方向性を見据えながら記載している。"スーパーNASP"を軸に将来へ向けて弊社の方向性とユーザ様の期待とでWISが発展していくものと考える。
著者
川井 利克
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.31-36, 2012

昨今の電力供給事情の悪化により,日本の産業界は省エネルギーへの取組みを強化せざるを得ない環境にあり,省エネルギーの進んだ製紙業界においても,更なる取り組みが必要となっている。このような状況の中,製紙工程の中でも,とりわけ大きな動力を消費する叩解工程は,これまでも日々改善を積み重ねられてきたが,今また注目しなければならない工程となった。<BR>また古来より紙製品の品質を左右する重要な工程である叩解技術は,製紙原料,抄紙技術とともに変遷してきたが,主原料であるバージンパルプや古紙原料の短繊維化が進行している今日においては,叩解処理技術は新たなる転換期を迎えていると考える。<BR>本稿では,この様な背景に合致した低動力で製品品質のアップグレードを可能とする弊社の最新型リファイナー用刃物である"Finebar"に焦点を当てる。<BR>この"Finebar"は,刃幅,溝幅を究極まで狭小化すること可能な刃物であり,その特徴を生かして得られる様々な優れた叩解性能を紹介するとともに,"Finebar"の技術を更に展開した新しい叩解技術への弊社の取り組みを紹介,報告するものである。<BR>紙面の関係上,導入メリット,ミニセグメント等,一部の内容の報告に留まったが,Finebarは,国の内外を問わずL,N混合叩解や家庭紙用叩解などあらゆる叩解工程で,極めて高い叩解性能が実証されており,叩解工程の省コストに貢献できる優れた技術であるといえる。
著者
後藤 任孝 青木 功
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.41-44, 2009

日本製紙石巻工場は,平成19年に最新鋭の高速オンマシンコーターであるN6マシンを建設,同年11月に営業運転を開始した。また当工場ではこれに先立ち,N6マシンへDIPを供給するパルプ設備として,日産400トンの高白色新聞DIP設備(HDIP―2)を稼動させた。HDIP―2は近年の古紙品質低下にも対応出来るよう,異物やインキ除去に関わる最新の技術を導入したが,特にインキ剥離工程に関しては,今後古紙への混入率増加が予想されるUVインキやトナー印刷物にも対処すべく,相川鉄工株式会社と共同でニーディング力に優れた4軸タイプの新型ニーダー(商品名:UVブレーカー)を開発,HDIP―2の粗選工程に設置した。<BR>UVブレーカーは,従来型ニーダーの代表機器である2軸型ニーダーとの比較においてダート除去率に優れ,特に粗大ダート区分において効果が大きかった。また4軸のそれぞれのローターについて,回転数の違いによるダート除去効果についても実機で確認し,最適な回転数を見極めた。<BR>本報では,新型ニーダーであるUVブレーカーの開発経緯と石巻工場の実機操業によって確認したダート除去効果について報告する。
著者
玉城 道彦 梅口 直人
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.630-632, 2015

2014年9月17日~19日に2014International Bioenergy & Bioproducts Conferenceが開催された。例年同様,PEERS(Pulping, Engineering, Environmental, Recycling and Sustainability)Conference(9月14日~17日)に引き続いての開催となったが,筆者らはIBBCのみ参加した。会場となったのは,米国ワシントン州タコマにあるホテルムラーノのヴェニスボールルームである。<BR>今回参加者はPEERS,IBBCを合わせて14ヶ国420名であり,その大半は米国からであった。また,日本からの参加は5名あった。平成27年は,TAPPI100周年を迎え,全てのカンファレンスがアトランタで開かれることについてもアナウンスがあり,製紙産業が移り変わりゆくなかで,バイオ関連項目での新たな成長が期待される意気込みを感じた。<BR>発表は以下のセッションにより行われた。<BR>・Availability<BR>・Preparation & Pelleting<BR>・New Technology<BR>・Biochemical<BR>・Thermochemical<BR>・Modeling<BR>・Bioproducts<BR>・Status Updates<BR>・Policies/Incentives<BR>本稿では,筆者らが聴講した中で,興味深かった研究発表の概要を紹介する。

1 0 0 0 OA 硝酸法パルプ

著者
F. E. Brauns
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.214-216, 1958-04-10 (Released:2010-02-10)
参考文献数
20
著者
コノパ ジョー
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.1035-1041,017, 2003
被引用文献数
3

米国では, クラスター・ルールの実施に基づき, すべての漂白クラフト・パルプ工場は排水中の, 吸収性有機ハロゲン化物に関する厳格な基準に適合する必要が生じた。ほとんどの工場では, 吸収性有機ハロゲン化物の基準を達成するために, 主にC段かCD第一段で, 100%二酸化塩素を, その代用物として適用しようとした。二酸化塩素を代替物として, 無塩素漂白 (ECF) に転換した工場では, 漂白設備の第一段の幾つかの操業パラメーターに影響が見出されるようになった。<BR>いくつかの問題点のうち, そのひとつは, ECFによる脱リグニン工程において, 塩素段に適用される二酸化塩素に100%変更できず, 部分的にしか適用できなかった。またもう一つには, 第一段でのpH上昇により, 塩素やCD漂白法と比べて, その金属の溶解性は同一のレベルに達しなかった。<BR>金属および金属イオンを管理することは, ECFによる漂白工程において, 大変重要な課題となっている。従来の漂白方法では, 影響が少なかった金属でも, 無機の汚れを発生させ, 過酸化物による漂白において, その効率を低下させることになる。操業条件の幾つかについて, それを検討し, その最適条件を見出すことにより, 漂白工程での様々な工程段階で, そのスケールに関する問題を減らすことができる。