著者
前川 勇樹 境 裕樹 内山 彰 山口 弘純 東野 輝夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoNA, モバイルネットワークとアプリケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.168, pp.31-36, 2013-07-25

本報告では,鉄道の乗車車両に応じてユーザ間で観測されるBluetooth受信信号強度が異なることに着目し,複数の乗客が持つスマートフォンで検出されたBluetoothの近接デバイス情報を活用して乗車車両を推定する手法を提案する.提案手法では,検出履歴からユーザ組ごとの相対乗車車両を算出し,それらをサーバに集約することで,同一車両グループを決定する.さらに,得られたグループ間の相対的な車両位置情報からグループの乗車車両の推定を行うことで最終的にユーザの乗車車両を推定する.受信信号強度の不安定性が推定精度に与える影響を軽減するために,ベイズ推定法に基づくフィルターを用いて相対乗車車両の推定を行う.さらに,ユーザ組の相対乗車車両情報を集約してクラスタリングを行うことで全体の位置関係を推定し,個々の乗客による単一の推定と比較した推定精度の向上を図るとともに,新規参加ユーザの推定結果が迅速かつ高精度に得られるようにしている.大阪市営地下鉄御堂筋線において提案手法の実証実験を行った結果,3両の列車に乗車した15人のユーザについて,推定精度は98%となり正しく同一車両乗車グループを推定できることが分かった.
著者
望月 祐洋 上善 恒雄 西田 純二 中野 秀男 西尾 信彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoNA, モバイルネットワークとアプリケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.495, pp.297-304, 2014-03-07

スマートフォン等のWi-Fi対応機器が常時発信しているProbe Requestを受信するWi-Fiパケットセンサを多地点に配置してデータを収集し,匿名化処理を施してクラウドサーバ上に蓄積することでリアルタイムに人の滞留・流動を分析し,人流の時空間分布を把握するための汎用システム構築の現状について報告する.
著者
竹本 裕明 ザモーラ ジェーン ルイ フレスコ 樫原 茂 妙中 雄三 高井 峰生 金田 茂 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoNA, モバイルネットワークとアプリケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.304, pp.11-16, 2013-11-14

本論文では,これまでに提案してきた要救助者群の情報共有手法の有効性評価をシミュレーションにより行う.現在我々は,通信被害地域において,要救助者端末から救助要請メッセージを収集し,救助者へ配送するためのアプリケーションとしてSOSCastの研究開発を行っている.文献[5]〜[7]において,要救助者端末間の通信によるバッテリ消費の削減を考慮した情報共有手法を提案し,5台の実機による評価を行ったが,多数の要救助者が存在する環境での評価は行っていない.本論文では,Scenargieシミュレータを用いて,多数の要救助者端末が存在する環境下において,要救助者群内での情報共有にかかる時間,通信回数,バッテリ消費量の評価を行った.評価結果より,端末バッテリ消費量を大幅に削減させるためには,端末の通信回数の削減だけでなく,別のアプローチも必要であることが明らかとなった.
著者
吉田 京平 服部 峻
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoNA, モバイルネットワークとアプリケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.31, pp.127-132, 2014-05-08

近年,歩きスマホによる事故が多発しており,特に階段ではユーザが自己抑制しないと大きな事故に繋がる危険性が高い.階段における歩きスマホ事故を未然に防ぐため,コンテキスト・アウェアネス技術を用い,階段における歩きスマホを検知できるモバイルアプリケーションを提案する.加速度センサから得られた加速度値,及び,4つの閾値とウィンドウサイズをパラメータとして,「静止」,「歩行」,「階段昇り」,「階段降り」の4つのコンテキスト認識を行っている.また,各コンテキストの再現率・適合率が最大となるようなパラメータを求める実験を行った.
著者
北形 元 笹井 一人 高橋 秀幸 木下 哲男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoNA, モバイルネットワークとアプリケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.168, pp.63-66, 2013-07-25

本稿では,大規模災害時における通信需要の極端な増加,電力供給の停止,通信路の切断など,極めて厳しい条件下において円滑な通信を実現する不揮発性ネットワーキングを提案する.大規模災害時においては,極端な通信需要の増加状態の継続により輻輳が緩和されず,大規模な通信障害が長時間に渡り続く.このような不安定な通信品質の下で,中継ノードでデータを一時蓄積しながら中継していく技術としてDTN(Delay Tolerant Networking)が提案されており,これを活用した災害時の情報通信方式も提案されているが, DTNがその性質上,送信のみの単方向通信であるという点から,安否情報や避難情報など,情報入手に利用することは難しい. そこで本稿では,利用者端末からのリクエストとサーバからのレスポンスの両者をひも付けながらネットワーク上に保持することで,リクエストを送信してからサーバからのレスポンスを受信の間に,利用者端末をネットワークから切断し可能とする,不揮発性ネットワーキングを提案し,その主要技術について述べる.
著者
多氣 真之輔 小板 隆浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoNA, モバイルネットワークとアプリケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.209, pp.5-9, 2013-09-05

通信インフラが破壊された状況においても通信を行える手段としてDTNが注目されている. DTNは通信の切断に強い反面,メッセージ到達に時間がかかる問題がある.ルーティングの方式によっては無駄なメッセージの増大も発生する.本研究では,DTN環境に特殊な移動を行う移動中継ノードを導入し,メッセージ到達時間を短縮し,無駄なメッセージの削減の実現を目指す.