著者
鈴木 規之 津田 徹 齋藤 利文 森山 京平 ザモーラ ジェーンルイ フレスコ 樫原 茂 藤川 和利 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.384, pp.49-54, 2012-01-12
被引用文献数
1

大規模災害時において,建物の倒壊や負傷により移動できない被災者を救出するためには,発生直後から如何に迅速な救助活動を行うかが重要となる.しかし,災害時には,既存の通信インフラが使用できないため,被災者の情報を入手することが困難となる.そこで,本稿では,各ユーザのスマートフォン間で蓄積運搬転送型通信を行うことで,被災者からの救助要請メッセージを伝搬し,救助者が被災者の状態や位置を把握できるアプリケーション(SOSCast)の設計を提案し,実装する.SOSCastは救助要請メッセージに含まれている被災者のGPS情報と,救助要請メッセージの受信者のGPS情報を用いて,多くの救助要請メッセージを収集することで,被災者の位置の把握を行うことができる.また,プロトタイプシステムを用いた実験評価では,被災者のGPS情報が誤差を含んでいる,または取得できない場合においても,受信者のGPS情報をもとに被災者の位置を推測できることを示した.
著者
小島 一允 樫原 茂 横山 輝明 奥田 剛 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.92, no.1, pp.140-149, 2009-01-01

ユビキタス環境では,ユーザのコンテクストに応じた有用な情報やサービスを提供することが求められている.コンテクストはユーザの周囲の情報から構成される.現在,無線センサネットワークを用いることで,そうしたコンテクストを構成するセンシングデータを収集することが可能である.しかし,現在の無線センサーネットワークでは,収集したセンシングデータとユーザの対応関係を明らかにするために,追加の位置検知機構が必要とな乱本論文では,WSN上で追加の位置検知機構を必要とせずに,ユーザの周囲のセンシングデータを取得する手法を提案する.提案手法では,ユーザとともに移動する端末が最近傍のセンサノードを検知し,そこからユーザの周囲のセンシングデータを直接取得する方法を提案する.また,ZigBeeセンサノード上に本提案手法を実装し,そのプロトタイプを用いて実環境において有効性の評価を行う.
著者
竹本 裕明 ザモーラ ジェーン ルイ フレスコ 樫原 茂 妙中 雄三 高井 峰生 金田 茂 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoNA, モバイルネットワークとアプリケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.304, pp.11-16, 2013-11-14

本論文では,これまでに提案してきた要救助者群の情報共有手法の有効性評価をシミュレーションにより行う.現在我々は,通信被害地域において,要救助者端末から救助要請メッセージを収集し,救助者へ配送するためのアプリケーションとしてSOSCastの研究開発を行っている.文献[5]〜[7]において,要救助者端末間の通信によるバッテリ消費の削減を考慮した情報共有手法を提案し,5台の実機による評価を行ったが,多数の要救助者が存在する環境での評価は行っていない.本論文では,Scenargieシミュレータを用いて,多数の要救助者端末が存在する環境下において,要救助者群内での情報共有にかかる時間,通信回数,バッテリ消費量の評価を行った.評価結果より,端末バッテリ消費量を大幅に削減させるためには,端末の通信回数の削減だけでなく,別のアプローチも必要であることが明らかとなった.
著者
佐原 壮海 樫原 茂 太田 能 高井 峰生 金田 茂 山口 英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.51, pp.1-6, 2015-02-23

既存のレートアダプテーション機能 (RA) は主に室内などの移動性の低い環境を対象としているため,路車間通信のような移動環境においては,チャネル品質の変動に適応した伝送レート選択を行うことは困難である.本論文では,まず,移動環境における既存 RA の通信性能をシミュレーションにより評価し,問題点を明らかにする.そして,移動時のチャネル品質の変動に適応するための RA として,データセットを利用した RA(Rate Adaptation with Dataset: RAD) を提案する.シミュレーション評価により,既存 RA と比較して,RAD の FTP/CBR 通信の通信量がともに向上することを示した.
著者
佐原 壮海 樫原 茂 太田 能 高井 峰生 金田 茂 山口 英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.51, pp.1-6, 2015-02-23

既存のレートアダプテーション機能 (RA) は主に室内などの移動性の低い環境を対象としているため,路車間通信のような移動環境においては,チャネル品質の変動に適応した伝送レート選択を行うことは困難である.本論文では,まず,移動環境における既存 RA の通信性能をシミュレーションにより評価し,問題点を明らかにする.そして,移動時のチャネル品質の変動に適応するための RA として,データセットを利用した RA(Rate Adaptation with Dataset: RAD) を提案する.シミュレーション評価により,既存 RA と比較して,RAD の FTP/CBR 通信の通信量がともに向上することを示した.Existing rate adaptation mechanisms (RAs) are basically targeted for selecting the best transmission rate at indoor environments. As a result, RA in mobile environments, such as in Vehicular to Infrastructure communication, is more challenging due to frequently changing of channel quality. In this paper, we evaluate existing RAs in mobile environments using a simulator, and disclose the RAs' problems. We also present Rate Adaptation with Dataset (RAD) for selecting the appropriate data rate in mobile environments. Finally, we show that RAD outperforms other existing RAs in FTP/CBR communication.
著者
西山 尚志 樫原 茂 飯田 勝吉 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.691, pp.71-76, 2003-02-27
被引用文献数
1

近年,インターネットの普及とプロードバンド化に伴い,映像や音声を転送する実時間通信が増加している.実時間通信時に経路障害が発生し,実時間性が損なわれる事は重要な問題である.本稿では,この対策としてマルチホームが有効であると考え,マルチホームを実現可能なSCTP(Stream Control Transmission Protocol)に注目する. SCTPでは転送を行うパスをプライマリパスと呼ぶ.このプライマリパスは,ネットワークの状況を考慮せず決定され,変更もできない.さらに,経路の切り替え基準や切り替え時間も問題となる.そこで,本稿ではこれらの問題点とその影響を明らかにし,拡張したHEARTBEAT機能を用いた,SCTPにおける実時間通信むけプライマリパス選択手法を提案する.さらに,提案手法の有効性をシミュレーションを用いて評価,考察する.
著者
山口 剛史 井島 亮一 塚本 和也 樫原 茂 尾家 祐二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.628, pp.293-298, 2006-02-23
被引用文献数
3

近年の無線LANの急速な普及に伴い,今後は複数の通信事業者が提供する公衆無線LANサービスが混在し,互いにオーバラップすることで,ユビキタス環境が形成されると予想される.このようなユビキタス環境では,(1)端末の移動,及び(2)干渉による通信品質の劣化が頻繁に発生すると考えられる.そのため,これらの品質劣化を適切に検知し,より良い通信品質を提供可能な無線LANヘハンドオーバすることが重要となる.先行研究ではハンドオーバ決定指標に着目し,既存のハンドオーバ決定指標の問題点に言及した上で,フレーム再送回数の有効性をシミュレーション実験により示した.しかし,電波の再現性などの問題から,電波強度との比較実験は行っていない.そこで,本論文では実環境においてFTP通信とVoIP通信を用いて,(1),(2)の検討項目に関して実験を行い,その結果からハンドオーバ決定指標としての電波強度の問題点とフレーム再送回数の有効性を明らかにする.
著者
林 卓磨 妙中 雄三 樫原 茂 奥田 剛 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.45-50, 2009-02-24

小型無線デバイスが互いに無線接続したモバイルメッシュネットワークの構築が望まれている.しかし,モバイルメッシュネットワークは端末が移動するため確実にデータ配送を行うことが課題である.これまで,無線メッシュネットワークにおいてデータの配送効率を向上させる手段として,Opportunistic Routingとネットワークコーディングを組み合わせたMOREが提案されている.しかし,MOREは固定の無線メッシュネットワークを対象としており,端末の移動は考慮していない.本論文では,モバイルメッシュネットワークにおいて,移動端末に対して確実かつ効率的にデータ配送を行うための通信方式の提案を行う.また,本提案方式の有効性を示すために,提案方式とMOREをシミュレータ上に実装し評価する.
著者
種田 良子 横山 輝明 樫原 茂 奥田 剛 門林 雄基 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.650, pp.7-12, 2006-03-03

近年,企業や大学などのイントラネット上では,グループウェアを用いた文書共有が行われている.しかし,共有される電子文書の量は増加の一途を辿っており,ユーザの検索負荷の増加を招いている.この問題を改善するためにさまざまな検索手法が提案されているが,キーワードによる検索は,キーワードが使用される分野や登場する文脈において異なる意味を持つ.そのため,このようなキーワードの多義性により生じる不要な検索結果を減らすことが重要となる.そこで,本研究では,キーワードの多義性による不必要な検索結果を削減し検索精度を向上させるための手法として,ユーザクラスタリングを用いた検索システム,DOCUSEUCを提案する.提案システムでは,ユーザの所有している文書に基づいてユーザ間の類似性を算出し,ユーザのクラスタリングを行う.そして,ユーザは検索時に自分の所属するクラスタから検索を行うことで,検索結果から非目的文書を削減することができる.本論文では,実際のシステム構築を述べ,有効性の評価を報告する.