著者
小山 孝一
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.17-22, 2010-01-01 (Released:2017-04-25)
参考文献数
3

放送番組はその時代で最新の媒体を使ってきており,テレビ番組のアーカイブも放送された媒体に合わせて保存されてきた。テレビにおけるアーカイブの歴史は短いが,番組媒体の種類はフイルムから磁気のビデオテープ,ディスク等,いろいろな媒体で保存されてきた。放送形態の変更があると,古い素材を新しい媒体へ変換しなければならず,この作業は繰り返されている。2000年からは徐々にデジタル化が進み,デジタルアーカイブの導入により,保存される番組もファイル化され,社内のLocal Area Network(LAN)を利用して保存された番組の検索,閲覧ができるようになった。
著者
伊藤 健雄
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.22-27, 2024-01-01 (Released:2024-01-01)

日本にリサーチ・アドミニストレーター(University Research Administrator: URA)と呼ばれる新しい高度専門人材が大学等の研究機関に配置されて以来,彼らは組織の経営企画支援や研究者の研究推進支援,産学連携のコーディネーション等の役割を担ってきた。最近では,URAは研究者としての学術的専門知識や特殊な経験やスキルを活かして,学術領域(知)の融合や研究環境の高度化から次世代人材育成等まで対応し,エビデンスや理論に基づく施策の提言や検証ができる人材として進化しており,複雑な社会課題解決やイノベーションの創出におけるキーパーソンとして期待されている。
著者
須藤 健次郎
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.12, pp.559-565, 2023-12-01 (Released:2023-12-01)

発明通信社は創業以来70余年にわたり企業や特許事務所へ,特許情報やデータベース,特許調査など様々なサービスを提供している。その中のうち,特許検索データベースのHYPAT-i2は検索・表示・出力などの機能以外に検索結果の分析や検索用のキーワードを提案する機能を備えている。これらの機能は検索結果を集計して検索集合の傾向がどのようなものかを表示するだけではなく,利用者がこれから行う検索の方向性を確認するツールとしても有効である。本稿では簡単ではあるが実例を用いてこれらの分析機能の使い方の説明と本年4月にリリースしたHYPAT-DUのAI解析を利用したAI-SDIの紹介をする。
著者
林 和弘
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.12, pp.533, 2023-12-01 (Released:2023-12-01)

本年度で20回目となる,記念すべきINFOPRO2023にご参加,ご登壇いただいた皆様,誠にありがとうございました。ご協力,ご協賛いただいた皆様にも厚く御礼申し上げます。さて,今回はCOVID-19後初めて対面での開催を行いました。ただし,最初はオンラインを中心として,会場にパブリックビューイングのような形で観られるようにするという,どちらかというと保守的なスタイルで準備しました。そして,初日の運営状況や参加者の反応を踏まえて,2日目はより会場での交わりが増える形,いわゆるハイブリッド開催に踏み切った格好となりました。2日連続で参加された方はこの変化にお気づきだったかと思います。この試行錯誤の経験から多くのことを学びました。また,今回INFOPROのサイトをリニューアル(独立)して用意し,広報,事務手続きをなるべくデジタル化,あるいはwebやスマホファーストにすることを心がけました。この結果,約400名の過去最大級の参加者をいただき,過半が会員外の参加でした。さらに協賛も新規5つ,復活2つを含む12社に協賛いただきました。このように新しいマーケットの取り込みがある程度できました。さらに,今回は情報交流会(懇親会)を開催できたのも大きな成果でした。手弁当で準備した簡素なものではありましたが,むしろ,用意したものが余るくらいに皆さんが活発に交流され,我々の想像以上に会場が熱気に包まれました。これまでのアンケートでも懇親会開催の要望が高かったわけですが,やはり対面での交流の重要性を再認識した次第です。前回からご縁をいただいた,URAの活動につきましても,ご縁をつなぐ形でいくつか発表をいただくことができました。さらに,トーク&トークでは,インフォプロとURAの連携につながる本質的な議論がなされ,スピンオフ企画が開始しております。すなわち,サーチャー,URA,図書館関係者といった多様な職種の方に,話題提供として各人の業務を紹介してもらうセミナーがこの10月より始まりました。例年通り,本号の他の記事にて特別講演を始め,INFOPROの開催の様子を紹介しております。今回も実行委員,事務局他のみなさまのチームワークで,開催から記事執筆までこぎつけました。この場を借りて関係の皆様に今回も“熱く”御礼申し上げます。最後に,2022年度に引き続き本協会副会長を拝命しており,INFOPROの改善のみならずINFOSTAおよび事務局のDXを念頭に改革に清田会長と共に着手しております。そして,実行委員長を兼任しているINFOPROを改革の一つの“試行の場”として取り組んでおります。もちろん,これまでの活動の本質は引き継ぎながらどう進化させるかを折に触れて考え,そして,ベストエフォートとして実践してみることを繰り返すことになります。次回のINFOPROに向けて,引き続きみなさまのご支援ご協力を賜りますよう,どうぞよろしくお願い申し上げます。(INFOPRO2023 実行委員会委員長 林 和弘)INFOPRO2023 実行委員会 委員長:林 和弘(科学技術・学術政策研究所),副委員長:川越康司(ジー・サーチ),委員:川本敦子(東芝),北川道成(三菱ケミカルリサーチ),木村光宏(㈱アドスリー),寺脇一寿(医学中央雑誌),長谷川幸代(跡見学園女子大学),平井克之(新潟医療福祉大学),松原友紀子(筑波大学),宮田和彦(クラリベイト),光森奈美子(海洋研究開発機構),矢口 学(科学技術振興機構),担当理事:増田 豊(ユサコ),清水美都子,岡 紀子
著者
岡野 裕行
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.233-237, 2011-06-01 (Released:2017-04-20)
参考文献数
25

文学館と呼ばれる施設は,文学を対象とした専門図書館として機能している。また,文学館は博物館や文書館としての特徴も兼ね備えている。図書館と文学館との連携には,施設の規模による違いが見られる。連携を考える場合には,それぞれの施設の形態のみに注目するのではなく,収集対象としている資料の主題分野のほか,それに関係する個人や団体にも関心を払うことが求められる。
著者
大澤 剛士
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.11, pp.493-499, 2023-11-01 (Released:2023-11-01)

生物調査は,自然科学におけるシチズンサイエンスにおいて頻繁に行われる主流テーマの一つである。多くの場合において,研究者や行政担当者をはじめとするプロジェクトの主催者は,シチズンサイエンスによって大量の生物データが取得できることを期待するが,常に期待通りの成果が得られるわけではない。本稿は,シチズンサイエンスによる生物調査において,期待どおり大量のデータを得ることが困難であるという現実と,それを生み出している要因について議論する。さらに,これら問題を回避するための工夫と実践例を紹介する。これらを通し,生物調査のシチズンサイエンスプロジェクトを運営する際に留意すべき点を提示する。
著者
髙瀨 堅吉
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.11, pp.507-513, 2023-11-01 (Released:2023-11-01)

本稿は,シチズン・サイエンスの成果をどうアウトプットするのかについて,二つの点で考えを述べる。一つは,「職業研究者が行っているようなアウトプットがシチズン・サイエンスでも可能か」という点である。そして,もう一つは,職業研究者によるアウトプットとは異なる「シチズン・サイエンスならではのアウトプットが存在するのか」という点である。著者は,これまでシチズン・サイエンスを行った経験から,「市民の繋がりを活用する」必要があるテーマはシチズン・サイエンスに馴染み,その成果を自治体や企業が報告書としてアウトプットする限りでは,シチズン・サイエンスはよいかたちで推進されると考えた。
著者
中村 征樹
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.11, pp.476-479, 2023-11-01 (Released:2023-11-01)

市民が科学研究の一翼を担うシチズンサイエンスが,近年,科学研究の重要な潮流として台頭してきた。本稿ではシチズンサイエンスの概要を確認したうえで,多様なシチズンサイエンスの取り組みを理解するため,シチズンサイエンスを類型化しようとする取り組みを紹介する。そこでは,市民の関与のレベルや,プロジェクトに参加する市民と科学者の関係性といった観点から各種のシチズンサイエンスが位置づけられる。それを踏まえたうえで,本稿ではシチズンサイエンスの意義について検討する。
著者
臼田-佐藤 功美子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.11, pp.480-485, 2023-11-01 (Released:2023-11-01)

国立天文台は2019年に,市民がインターネットを通じて「すばる望遠鏡」のビッグデータにアクセスし,銀河研究に協力する「GALAXY CRUISE」プロジェクトを始動した。天文学分野において,ウェブ上で既存の観測データを分類するシチズンサイエンスは国内初といえる。本プロジェクトは,日本語で参加できるだけでなく,先行する海外でのプロジェクトにない独自の特徴を持つ。例えば,丁寧なトレーニングメニュー,クルーズ船に乗って宇宙を航海する世界観やゲーム性等を導入した。本稿ではGALAXY CRUISEの進捗状況とともに,アンケート結果から見えてきた参加者のモチベーションと属性の時間変化を紹介する。