著者
石橋 延幸
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.75, no.10, pp.605, 2020-10-05 (Released:2020-12-10)

巻頭言ノーベル賞の夜
著者
本橋 隼人
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.71, no.11, pp.734-735, 2016-11-15 (Released:2017-08-03)
参考文献数
5
被引用文献数
1

現代物理のキーワードオストログラドスキーの定理:整合的な修正重力理論への道のり
著者
小川 雄一
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.49, no.11, pp.887-892, 1994-11-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
12

磁場閉じ込め核融合のための次期実験装置として,自己点火プラズマの実現を目指した国際熱核融合実験炉を建設しようという設計作業が,国際協力により精力的に推進されている.この様な次期大型装置のプラズマサイズは,現在までに得られたプラズマ実験の実績をベースとして決定されているが,それはどのような物理的・工学的条件で決まっているのか,またどの程度の信頼性があるのか,について紹介する.さらにはより装置の小型化に向けての研究がどのようになされているのかについても簡単に紹介する.
著者
小田垣 孝
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.74, no.8, pp.568-569, 2019-08-05 (Released:2020-01-31)
参考文献数
11
被引用文献数
1

歴史の小径秩序・無秩序現象の計算機実験――50年前に考えられたこと
著者
山本 健
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.72, pp.2818, 2017

<p>アニメや特撮に登場するキャラクターの身長および体重の分布にみられる性質を議論する。ポケモンやパワー・レンジャーなどの作品で、キャラクターの体重の分布が対数正規分布とよく一致するという結果が得られた。この結果を提示するとともに、対数正規分布が現れる定性的な説明を試みる。</p>
著者
安部 秀哉
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.232, 2021-04-05 (Released:2021-04-05)

ラ・トッカータ第60回生物物理若手の会夏の学校
著者
仲澤 和馬 吉田 純也 肥山 詠美子
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.308-313, 2018-05-05 (Released:2019-02-05)
参考文献数
13
被引用文献数
1

ダブル・ハイパー核(DH核)は,ストレンジクォーク(s)を二つ含む原子核の総称である.DH核はsクォークを含むハイペロン(Y)であるΛ(uds)粒子を二つ,またはΞ-(dss)ハイペロンなど一つをバリオン間力(拡張した核力)で内包する.例えばダブル・Λハイパー核(DLH核)やΞハイパー核(Ξ核)がこれにあたる.電荷をもたないΛ粒子間や,Ξと核子間の相互作用は,その質量欠損を通じて知ることができる.通常の原子核の数倍にもなる高密度の中性子星内では,このようなハイペロンの存在が強く示唆されている.DLH核の発見は半世紀前の1963年に遡る.この年,乾板中にとらえられたΞ-粒子静止吸収事象中に1例のΛΛ10 Be,1966年のΛΛ6 He,1991年のΛΛ13 B(KEK-E176実験)である.これらの実験結果から,Λ粒子間の引力の強さ(4–5 MeV)が,Λ-核子(N)間と同程度と広く認められるようになった.ところがこの認識は,2001年1月,KEK-E373実験におけるNAGARA eventと呼ばれるDLH核,ΛΛ6 Heが発見されたことにより覆された.この事象は世界初の不定性のないDLH核の発見であり,この発見からΛ粒子間にはたらく力の強さが~1 MeVという非常に弱い引力であると,実験的に初めて明らかになった.1963年および1991年の事象,E373で発見した他の3例もNAGARA eventに矛盾しない解釈がとられ,NAGARA eventはΛΛ相互作用を議論する「ものさし」となった.NAGARA eventの発見を出発点として理論的に要求されたことは,ΛΛ相互作用の再構築とその他の発見されたDLH核の束縛状態を説明できるかどうかということであった.例えば,DEMACHIYANAGI eventと呼ばれるΛΛ10 Beの束縛状態を,NAGARA eventを説明するΛΛ相互作用で説明できることが分かった.今後は,ΛΛ相互作用のp-波相互作用,ΛΛ⇔Ξ N異粒子変換結合など,さらなる情報を得ることが理論的に重要である.そのためには,より多くの実験データを必要とする.これは,原子核物理学の大きな目的の一つである,YNおよびYY間などハイペロンをも含めたバリオン間相互作用の統一的理解につながるという意味で意義深い.2006年,東海村のJ-PARC建設開始とともにE07実験が採択された.高純度のK-ビームとE373実験の約3倍の乾板を用意して10倍以上のDLH核や確かなΞ核の発見を期待して設計した.特にこれまで行われてきたΞ-粒子生成と関連づけられる事象を選択することをやめて,乾板全面を探査しDLH核やΞ核に特有な崩壊パターンを画像処理により検出する「全面探査法」を導入することにより,さらに10倍(E373実験の100倍)の発見が期待できる.2013年,この「全面探査法」をE373乾板で試験運用して得られた約800万枚の顕微鏡画像中に,二つの分裂片にΛが一つずつ残るツイン・Λハイパー核(TLH核)を発見した.この始状態は,14NにΞ-粒子が原子軌道より深く束縛した原子核(KISO eventと命名)であると確認され,Ξ-粒子と核子間に引力が働くことが初めて明らかになり,日本物理学会の第22回論文賞を昨年受賞した.進行中のE07実験では,100を超えるDH核の発見によりNAGARA eventより重いDH核を系統的に調べることができるとともに,新種のΛΛ5 Hなどの発見によるΛΛ⇔Ξ N結合の情報を得られるのではないかと期待している.
著者
平田 倫啓 鹿野田 一司 松野 元樹 小林 晃人
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.214-220, 2018-04-05 (Released:2019-02-05)
参考文献数
28

物質中の電子は,物質の結晶構造や対称性,元素組成などによって決まるさまざまな大きさの見かけ上の質量,有効質量をもつ.近年,特定の条件がそろったときに,固体中の電子が質量ゼロの相対論的な粒子のように振る舞うことが見出され,大きく注目されている.このように質量がゼロの奇妙な電子状態のことを「ゼロ質量ディラック電子」と呼び,グラファイトを単層剥離し作製するグラフェン中で10年ほど前に確認された.それ以降,ゼロ質量のディラック電子は,表面のみ金属的な伝導特性を示すトポロジカル絶縁体,その類縁物質であるトポロジカル半金属,さらには有機物質中などでも見つかり,「ディラック物質」の科学として新たな広がりを見せている.ゼロ質量ディラック電子の運動は,ディラックコーンと呼ばれる線形なエネルギー・運動量の分散関係で記述される.このコーン型分散をもつことの帰結として,コーンの交点近傍では,キャリア数が極端に少なくなり,通常の金属や半導体で見られるクーロン相互作用の(遍歴電子による)遮蔽効果が消失する.このため,普通は隠れているクーロンポテンシャルの長距離成分(∝1/r)が復活し,従来とは全く異なる電子相関効果が期待される.実際,グラフェンにおいては,電子相関が(通常とは逆に)電子の速度の特異な増大を引き起こし,その結果,コーンが内向きに変形する現象が確認されている.しかし,グラフェンでは電子相関の大きさ自体が小さく,また乱れなどの影響で,交点まわりでの電子の励起を詳細に検証することが難しい.このため,ディラックコーン系における電子相関効果の全貌は,実験的に十分には解明されていない.そんな中,筆者らのグループは最近,強い電子相関と高い結晶性を合わせもつ,有機物質α-(BEDT-TTF)2I3のゼロ質量ディラック電子系に着目し,低エネルギー励起と相関効果の検証に有効な核磁気共鳴(NMR)測定を行った.理論モデルの数値解析を併用し精査することで,ディラックコーン系の電子相関効果に,従来物質とは著しく異なる階層性が存在することを明らかにした.α-(BEDT-TTF)2I3における13C NMR測定によって,局所電子スピン帯磁率の温度依存性が導出される.コーン交点に位置するフェルミ準位のまわりでの熱励起特性を調べることで,三つの電子相関効果が異なる温度(エネルギー)スケールで現れることが示される.すなわち,(A)室温から100 K程度までの温度領域では,従来の強相関電子系と同様に,短距離相互作用によるバンド幅(運動エネルギー)の抑制が生じる.(B)~100 K以下になると,クーロンポテンシャルの長距離成分によって電子速度が増大し,ディラックコーンの顕著な変形(右下図)が見られる.さらに,(C)60 K以下の温度領域になると,オンサイトのクーロン斥力によって磁場誘起のフェリ磁性分極が発現する.ディラックコーン系の電子相関効果に,このように多彩な階層構造が見出されたことは,ディラック物質全般における多体効果を解明し理解していく上での第一歩である.
著者
羽田野 直道
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.826-833, 1998-11-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
18

非Hermiteなハミルトニアンを持つ量子力学の新しい模型が提案され, その興味深い性質が明らかにされつつあります. この解説ではその模型を研究する物理的動機を説明し, 性質の一端を紹介します. この非Hermite系の示すAnderson局在という現象と, 高温超伝導体中の磁束線ピン止めという物理現象が, Feynman経路積分を通してつながっていることを示します. そして, 非Hermite系の複素エネルギー・スペクトルが磁束線のピン止め破壊転移をどのように記述するかを議論します. 非Hermite系は従来「物理的でない」と考えられがちでしたが, 様々な分野で物理現象を有効的に記述する模型として, ここ数年で急速に研究が進み始めました.

3 0 0 0 OA 重力発電51

著者
鈴木 貞吉
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 72.1 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.1, 2017 (Released:2018-04-19)

元東京理科大学大学院教授今村喜夫先生の見掛けと云う概念、つまり地球は何時も動いているから、地球上での観測は全て見かけの値となると云う鉄則から出発して、50回目で湧き出しを理論的に説くことに成功した。湧き出しという概念を、誰が発明したか?私は知らないが,磁気の湧き出しが左手モータ右発電の中指とすると、私の湧き出しは親指になる。運動エネルギーの湧き出しで、脱原発文明をきずいていきたい。
著者
駒宮 幸男
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.65, no.8, pp.614-620, 2010-08-05 (Released:2020-01-18)
参考文献数
7

この記事は日本物理学会のレビューセッションにおいて話した内容である.「実験的な話」というのは話自体が実験的であるということに他ならない.素粒子物理学は,極言すれば宇宙の森羅万象の基礎になっている法則をつきとめるという野心的な学問である.但し,時空や基本粒子の法則だけを知っていれば,物性や生命現象,株価の変動が理解できるとは思ってもいない.P.W.Andersonは,行き過ぎた要素還元主義に対する警句として,数的な増加によって異なる構造や現象が現れることを「More is different」と表現しておられるが,素粒子物理の真髄は徹底した要素還元主義なので,不遜にも「Less is essential」という常用句を持って対抗したい.冒頭から暴走気味なので,これ以降はヒッグス粒子と超対称性の説明にあたり,現在の素粒子の標準理論について必要最小限の説明をして冷静になることにする.
著者
塩見 雄毅
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.73, no.8, pp.594-595, 2018-08-05 (Released:2019-03-12)
参考文献数
1

新著紹介チョコレートはなぜ美味しいのか