2 0 0 0 OA 小胞体の話

著者
黒住 一昌
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
電子顕微鏡 (ISSN:04170326)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.60-66, 1988-07-31 (Released:2009-06-12)
参考文献数
39
著者
森田 清三 杉本 宜昭 阿部 真之
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
顕微鏡 (ISSN:13490958)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.51-54, 2010-03-30 (Released:2020-01-21)
参考文献数
9

原子間力顕微鏡による力学的原子操作について最初に説明し,つぎに,異種原子交換型垂直原子操作現象の発見と,これが探針先端原子を試料表面原子と室温で直接垂直交換できる夢の交換型単原子ペンであることについて明らかにする.最後に,原子埋め込み文字“Si”の組み立てにより,交換型単原子ペンによる室温での高速ナノパターンニングの可能性を示す.
著者
鈴木 清 藤原 忠 石井 忠
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
電子顕微鏡 (ISSN:04170326)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.58-61, 1953-10-10 (Released:2009-09-30)
参考文献数
4

(1)国産研磨材料を用いて超薄切片用マイクロトーム・ナイフの研磨法を考察し, 3段階法を採用した。(2)荒砥ぎにはガラス砥石に#800のアルミナ又はカーボランダム。中砥ぎにはガラス砥石に#1500の酸化クロム仕上げにはベークライト砥石又はピッチ砥石にベニガラ(直径1μ以下)を用い×700~×1000の顕微鏡検査に耐え得る刃を作り得た。
著者
若本 祐一
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
顕微鏡 (ISSN:13490958)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.86-91, 2015-08-30 (Released:2019-09-03)
参考文献数
21

クローン細胞集団内で観察される様々な表現型のばらつきは,多くの場合,置かれた環境での増殖能や死亡率といった個々の細胞の「適応度」と相関を持つ.このとき,注目する表現型の統計的性質を集団計測から正確に見積もることは原理的に不可能となる.細胞状態変化の本来の性質と,さらにそれらの状態と適応度との相関により決定される集団の性質を同時に理解するには,1細胞レベルの動態計測が必須となる.近年このような計測を実現するマイクロ流体デバイスが開発されつつある.本稿ではまず,細胞表現型の集団内多様性が細胞の適応度差と関係する例として「パーシスタンス現象」に着目し,その1細胞解析で得られた知見を紹介する.さらに,遺伝子発現量などの表現型が適応度と相関をもつとき,集団計測で得られる統計量が細胞の性質とずれることを簡単なモデルをもとに議論し,そのような差が,実際の長期1細胞動態計測で確認されつつあることを述べる.
著者
藤田 守 馬場 良子 熊谷 奈々
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
顕微鏡 (ISSN:13490958)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.229-236, 2010-12-30 (Released:2020-01-21)
参考文献数
39

消化管,特に腸粘膜上皮の吸収上皮細胞は栄養素の消化と吸収に関して重要な役割を演じているが,哺乳動物においては,出生と離乳というタイミングで消化管の構造と消化吸収機構がダイナミックな変化を遂げる.乳飲期の腸吸収上皮細胞は成熟期とは異なり,部位によって機能的だけでなく,形態的にも分化しており,通常,離乳後には存在しない頂部細胞膜ドメインからの高分子物質の吸収機構(エンドサイトーシス)とそれらに関与するエンドゾームのネットワークが発達する.それらは電子顕微鏡や生物試料作製法の進歩によって初めて観察が可能となった構造であり,最近では多様な手法を用いたアプローチも可能となってきた.本稿では,出生直後から離乳に至る過程で生じる腸の形態および消化吸収機構の変化,特に吸収上皮細胞のエンドサイトーシスとそれに関与するエンドゾームのネットワークの変化について,我々のこれまでの成果も含めて概説する.
著者
鈴木 智子 後藤 友美 橋本 英樹 佐藤 繭子 豊岡 公徳
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
顕微鏡 (ISSN:13490958)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.90-93, 2022-08-30 (Released:2022-09-07)
参考文献数
18

中性水圏に生息する鉄酸化細菌が作る酸化鉄について,特にGallionella ferrugineaが作るらせん状酸化鉄に着目し,HRTEM,STEM-EDX,STEM-EELSによりその結晶構造,構成元素,微細構造について明らかにした.さらに,菌体から酸化鉄が生成される場面について空間的に解析するため,アレイトモグラフィーによる3次元再構築を試みた.
著者
志方 俊夫
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
電子顕微鏡 (ISSN:04170326)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.115-127, 1979-01-15 (Released:2009-06-12)
参考文献数
11
著者
釜崎 とも子 上原 亮太
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
顕微鏡 (ISSN:13490958)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.90-93, 2013-08-30 (Released:2019-09-10)
参考文献数
21

紡錘体は染色体を正しく二分するための構造である.機能的な紡錘体は,分裂期に微小管が高度に組織化されることにより形成される.これまでに,紡錘体微小管を生成する微小管形成中心として,中心体と染色体が知られてきた.近年,これらに加えて,紡錘体内部の微小管自身も,紡錘体微小管の生成・増幅に重要であることが分かってきた.このような微小管依存的微小管生成過程で中心的な役割を果たすのが“オーグミン複合体”である.我々はごく最近,ヒト紡錘体を電子線トモグラフィーおよび三次元モデリングにより解析した.その結果,オーグミン依存的な新規微細構造“エンドリンク”を介して微小管の枝分かれが形成されていることを突き止め,紡錘体における微小管依存的微小管生成過程に関する重要な知見を得た.
著者
永野 俊雄
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
電子顕微鏡 (ISSN:04170326)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.105-106, 2000-07-31 (Released:2009-06-12)
参考文献数
25
著者
八木田 和弘
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
顕微鏡 (ISSN:13490958)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.80-82, 2012-06-30 (Released:2019-12-18)
参考文献数
17

概日時計(体内時計)は,約24時間周期の生体リズムである概日リズム(サーカディアンリズム)を司る内因性の自律振動体であり,バクテリアから人に至るまで地球上のほとんどの生物に備わる普遍的な生命機能の一つである.加えて,環境周期に同調する性質を持ち,周期的に変動する環境条件に生体機能を適応させることができることから,概日時計の生理学的意義が多岐にわたることが近年の研究の進展から明らかになってきている.本稿では哺乳類概日時計について概説し,特に概日時計の細胞自律性について述べる.