著者
林 和弘 和田 光俊 久保田 壮一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.184-193, 2008
被引用文献数
1 4

電子ジャーナルの利用が浸透してから久しく,欧米ではサイトライセンスによるライセンスビジネスが定常化し,利用規約と著作権規定の改訂が行われているが,日本の電子ジャーナルではいまだ無料公開しているところが多く,アクセスに対する規約や著作権規定の対応が追いついていない。あるいは,オープンアクセスに対する対応についても明確でない点が多い。今回J-STAGEに登載されている英文電子ジャーナルを中心に,著作権とライセンスビジネスの点から調査を行った。その結果を元に日本の電子ジャーナル事業の持つ問題点と,打開策について考察し,特に日本の非営利出版事業が持つ潜在的なアドバンテージについて指摘する。<br>
著者
山田 直史 高島 洋典 木村 康則
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.325-334, 2017-08-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
16

IoT(Internet of Things)とCPS(Cyber Physical Systems)は共に,物理的な世界とサイバー空間とを融合させることで,世の中に新しい価値を生み出す。本記事では,まず,IoTとCPSに関して,国内外の企業や政府等における具体的な事例を紹介する。次に,第5期科学技術基本計画において,その実践が提唱された「超スマート社会」(Society 5.0)と,その実現に向けたプラットフォームの概要について述べる。さらに,その基盤となる技術の体系化を行い,CRDS(研究開発戦略センター)が作成した研究開発の俯瞰報告書を踏まえて,今後の研究開発課題について述べる。
著者
名和 小太郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.131-139, 2010
被引用文献数
1

グーグルはデジタル・アーカイブを構築するために,第一級の研究図書館のもつ膨大な書籍をスキャニングしつつある。この行為は著作者の許諾なしに開始されたために,著作権侵害訴訟を引き起こしている。ただし,現在提案されている和解案は,既存の著作権法よりも,許諾プロセスについて,より有効な解を示している。
著者
清沢 由美
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.699-706, 2012 (Released:2012-02-01)
参考文献数
3

大規模な法律事務所において必要となる法情報の「収集」,「管理」および「提供」の現状と課題について,情報共有を統括するロー・ライブラリアンの視点から考察する。イントラネット上に開設した,法情報,知識,ノウハウをデータベース化したポータルサイト「Law Librarianの部屋」の内容を,守秘義務,案件間の情報遮断に十分配慮しながら充実させ,よりユーザーフレンドリーなものに発展させるためには,データベースの運営者と利用者の連携が欠かせない。また昨今の海外案件の増加に伴い,諸外国の法制度等の情報の重要性も高まっており,これらの情報を充実させることが直近の課題である。
著者
三瓶 滋
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.47-58, 1983 (Released:2012-09-28)

中小企業事業団では, 昭和57年10月より情報検索の機械化を開始し, 現在, 岩手, 静岡, 富山, 京都, 広島, 大分の6地域情報センターとオンラインで結んでいる。これにより情報活動の遅れていた中小企業において, (1)膨大な情報量の中から必要な情報の入手が簡単になった。(2)マクロな経済情報を初め, 産業・技術・経営・官庁情報などを全国共通で利用ができ, 中央の情報センターと地域情報センターにおいて情報収集を機能分担することが可能になった。本稿では, 中小企業情報検索システムの必要性と, システムの基本設計, 全体の概要, 今後の方向性などについて述べた。
著者
松本 康志
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.79-88, 2017-05-01 (Released:2017-05-01)
参考文献数
6

気象情報は社会の基盤的な情報として,防災対応から日々の生活などのさまざまな分野で活用されている。気象庁は,スーパーコンピューターの計算能力向上を基盤にした精緻な数値モデル開発等による予測精度の向上と,ひまわり8・9号の観測データ等のビッグデータや対象区域の細分化によるきめ細かい気象情報をはじめとする新たな情報提供など,さまざまに充実を図ってきた。同時に,「気象庁防災情報XMLフォーマット」の策定など,気象情報を社会により広く,よりわかりやすく提供し,活用を促進する方策も講じてきた。近年の情報通信技術(ICT)の飛躍的な発展に伴い,即時的,自動的な情報処理による高度な利用が期待される。そのため,IoTなどに関する有識者や幅広い産業界の企業・団体からなる「気象ビジネス推進コンソーシアム」を2017年3月7日に発足させ,気象情報を活用して社会の生産性の向上を目指す取り組みを新たに開始した。

2 0 0 0 訂正

出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.E1-E1, 1976

Vol.18 No.12(3月号)の「ずいそう」欄にて誤植がありましたので,下記のとおり訂正いたしますとともに,おわび申し上げます。1008ページ右段下から9行目 正:Акуленко 誤:Акупенко1008 右 8行目 正:Англо 誤:Антло1009 右上 5行目 正:рационального 誤:радиональното1009 右上 6行目 正:литеиньій цехов 誤:пйтеиньій дехов1009 右上 19行目 正:Patentansprüch 誤:Patentantsprüch1009 右上 20行目 正:微妙 誤:徴妙1009 右上 27行目 正:wobei 誤:Wobei1009 右上 27行目 正:sowohi 誤:Sowohl1009 右上 27行目 正:auch 誤:auck1010 左上 21行目 正:věze 誤:Věze1010 左上 21行目 正:reschigo 誤:Reschigo1010 左上 22行目 正:krouzky 誤:Krouzky1010 左上 22行目 正:karbidu 誤:Karbiku1010 左上 23行目 正:chloridu 誤:Chloridu1011 左上 1行目 正:Wtracenia 誤:Watracenia1011 左上 12行目 正:включения 誤:вклгочения1011 左上 15行目 正:развития 誤:раzвития1011 左上 15行目 正:за50лет 誤:за50пет1011 右 1行目 正:半殺し鋼 誤:半数し鋼
著者
富所 茂 向井 義博
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.667-677, 1986 (Released:2012-03-23)

旺文社におけるCAI教材の研究・開発の現状を紹介した。CD-ROMを利用したCAIの特徴を解説すると共に, 同社のCD-ROM利用CAIシステムとして, カルチャーインCAI中学英語教材システムについて紹介した。本システムは, 東芝のCD-ROMドライバーXM-2000および, パソピア700から構成されており, CD-ROMと, FD (フロッピーディスク) の特徴を生かしている。前者では大量の音声データの記録を行い, FDでは文章データおよびグラフィックスデータ等を記録し, フレームオリエンティッド型で学習効果をあげるシステムになっている。
著者
富所 茂 向井 義博
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.667-677, 1986

旺文社におけるCAI教材の研究・開発の現状を紹介した。CD-ROMを利用したCAIの特徴を解説すると共に, 同社のCD-ROM利用CAIシステムとして, カルチャーインCAI中学英語教材システムについて紹介した。本システムは, 東芝のCD-ROMドライバーXM-2000および, パソピア700から構成されており, CD-ROMと, FD (フロッピーディスク) の特徴を生かしている。前者では大量の音声データの記録を行い, FDでは文章データおよびグラフィックスデータ等を記録し, フレームオリエンティッド型で学習効果をあげるシステムになっている。
著者
長谷川 世一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.343-352, 2015

2015年現在,クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは今やインターネット上における著作権に関するパブリックライセンスのグローバル・スタンダードとなった。また,クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの活用方法も日々さまざまな形で変化し続けており,日本においても独特な活用事例がいくつか見られるようになっている。世界におけるクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの普及状況を報告した後,日本におけるクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの活用事例を紹介する。
著者
岡本 隆明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.181-188, 2016

京都府立総合資料館では,所蔵している東寺百合文書の全点をデジタル化し,Webで公開している。利用を促進するため,クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに依拠し,適切なクレジットを表示すれば自由に複製や再配布ができるという利用条件にしたことで,これまで東寺百合文書とはあまりかかわりのなかった分野からも関心を集めた。「『東寺百合文書』や古文書とはどういったもので,これまではどのように利用されていたのか」から始め,それをデジタル化してWebで公開し現在に至るまでの概要を紹介する。
著者
伊東 寛
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.849-854, 2017-03-01 (Released:2017-03-01)

インターネットの利便性をこれまでになく享受し,ネット上に拡散する情報の力が革新的な発想を後押しすることも多い21世紀初頭は,同時に情報漏えいや権利侵害,依存といった弊害や危うさを露呈し始めた時代でもある。不可視だが確実に存在する脅威,ネットにつながっているゆえの不自由さをも見極める必要がある。現代の環境を冷静に認識し,今起きていることに対してどうふるまうべきか。現代思想・法曹・警察行政・迎撃技術・情報工学・サイバーインテリジェンス等のスペシャリストが,6回に分けて考える。最終回は,防衛省で陸上自衛隊初のサイバー部隊の初代指揮官を務め,その後,民間セキュリティー大手へ,そして今また経産省へと転身した伊東寛氏が,日本のセキュリティー産業育成について語る。インテリジェンスの観点から,また,国家安全保障上の視点からみえてくるサイバーセキュリティーの未来像とは何か。