著者
深井 雅海
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.219-231, 1991-06-01 (Released:2008-05-30)

徳川幕府において,将軍は「御庭番」という独自の情報収集機関を持っていた。「御庭番」は八代将軍吉宗が創設した幕府内の役職であり,幕政の主導権が行政機構を掌握していた老中に移りつつあった状況において,社会の動きを将軍独自に収集してその意志を幕政に反映させようとしたものである。本稿は「御庭番」の創設過程,その組織·地位·職務,創設期の出動例,遠国御用と呼ばれた国内情勢の調査例,さらには職務不適格な旗本の採索例などを,最近明らかになった資料に基づいて述べたものである。
著者
田村 貴代子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.30, no.11, pp.1083-1095, 1988 (Released:2012-03-23)
参考文献数
3

目録情報を収録したJAPAN/MARC (国立国会図書館作成) のCD-ROM化について紹介した。これは試作版として開発したもので, その開発経緯と仕様の概要を述べた。さらに, (1)情報検索のための機能, (2)目録作成のための機能を中心に画面構成をあげ, その機能を詳述した。
著者
マーカム ディアナ B.:著 高木 和子:訳
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.9-16, 2003
被引用文献数
2

この20~30年,デジタル情報テクノロジーが図書館に大きな変革をもたらしている。そして,電子情報サービスをサポートする技術インフラも整備されてきている。こういった状況にあって図書館は,利用者の情報ニーズに合った図書館サービスをどう決定していくか。図書館がデジタル革命を十分に利用するための諸方策はどうあるべきか。これらに対処することが図書館リーダーに求められており,またリーダーシップをどう高めるかは大きな課題であり,関心事である。新しいリーダーを教育,訓練するさまざまな開発プログラムが米国で出現しており,すでに実施されている。例えば,ACRL/ハーバードリーダーシップ専門講座,NLMのアソシエート・フェローシップ・プログラム,シラキューズ大学の夏期専門講座などである。著者はこれら9つのプログラムを紹介する。加えて,1999年に開始された,大学図書館のリーダー,管理者を対象とするフライ・リーダーシップ専門講座についてそのカリキュラムと成果を詳しく述べる。また,日本人も参加できるモーテンソン・センター国際図書館リーダーシッププログラムについても詳しく紹介する。
著者
中野 明彦
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.1-6, 2005 (Released:2005-04-01)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

わが国から発信される学術成果の8割が海外の雑誌に,しかもその多くが商業誌に掲載されており,このことが情報発信のあり方としてさまざまな問題を生んでいる。国内の雑誌,特に学協会が発行するいわゆる学会誌というものが,もう少し力をつけ,研究者が投稿したいと考えるような雑誌に脱皮していくことができれば,この問題の解決に少なからず寄与できるはずである。本稿では,創刊以来30年の伝統を持つ英文学術論文誌Cell Structure and Functionを完全な電子ジャーナルに移行させ,冊子体を廃止するという大きな決断を行った日本細胞生物学会の取り組みを,学会の立場から紹介する。
著者
サイエンスウィンドウ編集部
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
サイエンスウィンドウ (ISSN:18817807)
巻号頁・発行日
vol.8, no.C1, pp.1-81, 2014 (Released:2019-02-19)

目次 始まり もっと知りたい! わたしのからだ 第1章 どうしておなかがすくのかな p.08 食べ物のゆくえ p.14 栄養を全身に届ける p.17 [栄養素の役割] 第2章 【まんが】細胞の秘密を解き明かした人々 p.30 [細胞発見の歴史] 第3章 頭の中では何が起きている? p.34 脳のいろいろなはたらきって? p.40 それぞれの生き方に合った脳 第4章 からだのいろいろなはたらき p.48 心臓がドキドキするのはなぜ? p.52 けがをするとからだはどうなるの? p.54 汗をいっぱいかくのはどうして? p.56 からだの中はいつも同じ状態に p.57 [熱中症を防ごう] 第5章 からだは日々つくられる? p.60 細胞はどんどん増えて入れかわる p.64 便をつくる、小腸の細胞と大腸の細菌 p.66 成長するって何だろう p.68 明日のためにゆっくり休もう p.69 [人間は何のために眠るの?] 第6章 からだにかかわる仕事 p.72 眠りの研究ってどんな仕事? 終わり 成長していく心とからだ p.76 実験しよう p.78 もっと知りたい人へ p.80 大人の方に
著者
藤枝 真宏 小野寺 夏生
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.77-85, 2006 (Released:2006-05-01)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2 1

J-STAGE登載雑誌の論文を引用した論文数および引用した著者の地域分布を,J-STAGE登載の前後で比較した。また,J-STAGE利用団体へのインタビュー,調査対象誌を引用した著者への質問票調査を実施した。これらの結果から,わが国の学術雑誌が電子化されることによって,利用が拡大したか,当該分野への影響力が増したのかどうかを考察した。J-STAGEは流通の促進に貢献しているが,実際に引用に影響を与えるためには,審査レベルの向上や魅力的な記事の掲載等,編集方針の変更によって質を向上させることが必要であることを指摘した。

2 0 0 0 OA つなげる科学

著者
サイエンスウィンドウ編集部
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
サイエンスウィンドウ (ISSN:18817807)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.1-40, 2014-10-01 (Released:2019-02-14)

サイエンスウィンドウ2014秋号の冊子体一式(PDF版)およびHTML版は下記のURLで閲覧できます。 https://sciencewindow.jst.go.jp/backnumbers/detail/78 目次 【特集】 つなげる科学 p.06 リビングで始まる元素の会話 大ヒットした元素周期表 p.10 近所の子どもがくつろぐ世界一小さな科学館(理科ハウス) p.12 地域の人々の対話の場(多摩六都科学館) p.14 時を超えてつながる(石と賢治のミュージアム) p.16 サイエンスアゴラでの出会いとつながり p.18 to ではなくwithのサイエンスコミュニケーション(村山斉 東京大学カブリIPMU機構) p.20 つなげば見える持続可能な社会(ESD) p.22 復興教育から始まったESD(福島県立安達高等学校) p.24 社会とのつながりと科学者の責任(吉川弘之 JST 研究開発戦略センター) 【連載】 p.02 共に生きる:アカマツとマツタケ p.26 空からジオ:島原半島ジオパーク/長崎県 p.28 タイムワープ夢飛翔:周期表/新元素の発見を促した p.29 カタカナ語でサイエンス!:“ 惑う星” を楽しむところ p.30 文学と味わう科学写真:石たちの陣取り合戦 p.32 自然観察法のイロハのイ:虫の鳴き声リスニング p.34 動物たちのないしょの話:シマウマ(広島市安佐動物公園) p.36 発見!くらしの中の科学:ご飯をおいしく炊く炊飯器の工夫 p.38 読者の広場:サイエンスウィンドウ カフェ p.40 空からジオ:解説
著者
谷口 祥一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.758-765, 2014

RDAの理解において重要であるが,RDA本体には直接記載されていないこと,すなわちRDAの位置付けを確認するための事項を取り上げ論じた。最初にRDAの全体的な評価とわが国におけるRDA採用の必要性を確認し,そのうえで以下の事項を論じた。(1)RDAはFRBRとFRADに基づいているが,細部においては多数異なる部分があるため,むしろ独自のモデルをもつと捉える方が混乱が生じない。(2)RDAのみでもメタデータを作成できるが,RDAに含まれている選択肢の扱いや構文的事項については採用機関側での決定が必要である。RDA採用機関においては従来からのMARC21がメタデータスキーマとして用いられており,それに代わるものが現在検討されている。(3)RDAメタデータが利用者にもたらすものは,端的にはFRBRモデルに沿ったOPAC検索・表示機能の実現である。(4)RDA自体はLinked Dataに対応したものではなく,そのためLinked Dataに向けてRDAエレメントや値の記録に用いる統制語をレジストリOpen Metadata Registryに登録する作業が別途進められている。
著者
神尾 達夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.215-223, 1984

日本経済新聞社はこのほど, オフィスのパーソナルコンピュータを対象にした情報サービス「NIKKEI TELECOM」を開発, 4月からサービスを開始している。電話回線を通じて, 数値や文章の経済情報を提供, パーソナルコンピュータの機能を活かして, 数表やグラフなどを作成する新機軸のオンラインサービスである。提供情報は, 景気情報, 投資情報の2本立てとなっているが, 従来のデータベースサービスに加え, わが国では初のオンラインによるニュース速報を行うのが大きな特色。本稿では, パーソナルコンピュータ向けの情報サービスの意義を述べるとともに, 「NIKKEI TELECOM」のサービス概要, システム構成, 提供情報等について詳述する。