著者
長部 喜幸 治部 眞里
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.685-696, 2014-01-01 (Released:2014-01-01)
参考文献数
8
被引用文献数
7 8

日本版NIHや製薬企業における,政策決定・戦略立案に資するエビデンス提供のため,新しい指標に基づいた医薬品産業の現状俯瞰・将来予測を試みた。今回は,パイプラインを有する事業主体の規模や種類に着目し,医薬品開発のカギを握る事業主体について分析した。その結果,米国の強みは中小企業・ベンチャー企業にあること,また一方で,日本の中小企業・ベンチャー企業は米国のような働きを担っていないことが明らかとなった。
著者
佐藤 翔
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.414-424, 2013
被引用文献数
3

本稿ではオープンアクセス(OA)運動の背景から現在までの流れを概観し,現在のOA運動における争点を整理する。現在,Gold OAはビジネスとして成立することを示し,Green OAは機関リポジトリ等においては成功しているとは言えないが,助成機関によるOA義務化を伴うことで成功例が現れている。そして公的助成研究に対するOA義務化の方針は確実に広がりつつある。商業出版者もOAを受け入れ,OA運動における主導権をめぐって図書館と対立するようになっている。その中で問題となっているのが再利用可能性とエンバーゴである。
著者
小林 茂男
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.335-343, 2013

2013年10月第20回ITS世界会議東京では開催テーマを「Open ITS to the Next」とした。次世代のITSは,環境・エネルギー・安全・渋滞解消等の交通問題の解決,人々の生活の質の向上を図ることを目指す。また同時に,災害や不測の事態への的確にしてスピーディーな対応という社会の要請に応えることも重要な役割である。そのためにITSは,グローバルに誰にでもさまざまな機会や挑戦のための場が開かれ,多くのプレイヤーが参加できる共通プラットフォームの構築や広域の連携が図れるオープンな形のネットワーク社会を提供していくベースとなっていくことが望まれる。
著者
長部 喜幸 治部 眞里
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.611-621, 2013-12-01 (Released:2013-12-01)
参考文献数
3
被引用文献数
8 8

日本版NIHや製薬企業における,政策決定・戦略立案に資するエビデンス提供のため,新しい指標に基づいた医薬品産業の現状俯瞰・将来予測を試みた。今回は,今後の成長が期待されるバイオ医薬品に着目し,各テクノロジーの観点から各国の長所・短所を分析した。その結果,バイオ医薬品の研究開発における米国の優位性が改めて認識された。また,日本の研究開発においても,一部の分野で期待が持てることを示した。
著者
福田 博同 五十殿 利治
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.790-809, 1997
被引用文献数
1

文部省科学研究費補助金データベース公開促進費の援助により「筑波大学日本美術シソーラスデータベース作成委員会」が作成した「日本美術シソーラスデータベース:絵画編」を基に,美術シソーラスデータベース作成に関する以下の問題点を明らかにした。第一に日本における美術データベースの現状と課題。第二に美術分野におけるAATや各目録のシソーラスとを比較し,日本標準となり得るシソーラス形成のため(1)ディスクリプタ収集の問題点(2)時代区分,地域区分,名号や読み,あるいは階層構造の決定など。第三に筑波大学学術情報処理センターのオンライン情報検索システムUTOPIA(紹介はhttp://www.tsukuba.ac.jp/sipc/utopia.htmlにある)へ組み込みの問題点。
著者
高木 聡一郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.746-753, 2013
被引用文献数
5

政府が保有するデータの公開と利活用を行う「オープンデータ」が注目を集めている。わが国においても政府が「電子行政オープンデータ」を策定するなど,政策課題として取り組み始めたところである。本稿では,こうしたオープンデータについて先行して取り組む欧州の政策動向を概説することにより,オープンデータの概念,経緯,および推進上の主要な論点を明らかにする。とりわけ,データ公開の現状,政策的取り組みの経緯,データのライセンス,民間とのコミュニケーション施策を取り上げる。こうした欧州における先進動向を踏まえ,今後日本が進めるにあたっての課題を考察する。
著者
野田 哲夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.355-362, 2013-09-01 (Released:2013-09-01)
参考文献数
14

IT産業において日本発のオープンソースプログラミング言語Rubyの活用が注目されている。2012年4月にはRubyはその言語仕様が国際規格ISO/IEC 30170として承認された。これによってRubyの安定性や信頼性が増すと同時に,Rubyを活用した市場がさらに拡大することが期待される。本稿では,オープンソースがビジネスにつながることを根拠として,RubyおよびRuby on Railsの特徴とこれが注目される背景,そして島根県松江市で始まったオープンソースRubyを活用した地域産業振興の成果と課題について概説する。
著者
宮代 彰一 林 周吾 安村 健 石川 剛 平尾 敏博
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.39, no.11, pp.866-879, 1997
被引用文献数
1 1

文献が何年くらい引用されるかで,その実効寿命を定義する。この値により,その分野の研究開発の動向が推察でき,かつ遡及調査での指針がえられる。本論文では,まず電子デバイス分野につき,IEEEの論文誌,Trans. on Electron Devicesでこれを調べた。最近(1995)では5.3年さかのぼれば,結果的にみて必要な論文の50%を調べたことになる。過去30余年にわたってみると,この値は年を追って長くなる。寿命の短いことは研究開発の始まりやその速さを示し,長いことはその積み重ねや成熟を示すであろう。次に他の分野,すなわち理工学,医学での多数の学会誌(1995)について調べた。いろいろな長さの寿命値をえたが,各分野の性格を表すものと推測した。
著者
阿蘓品 治夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.48, no.8, pp.496-508, 2005 (Released:2005-11-01)
被引用文献数
3 2

大学からの情報蓄積・発信の切り札とする意図を持って機関リポジトリを構築するのであれば,持続可能な事業として学内に定着させることが何よりも重要である。この目的を果たすため,機関リポジトリの運用者である図書館は次の3種類の実務に取り組む必要があろう。それは,第一に,「機関の事業として大学上層部の承認(学内合意)を得ること」,第二に「研究者になり代わってコンテンツを継続的に探し,集め,登録すること」,第三に「研究成果ショーウィンドウの素材として機関リポジトリを活用すること」,である。本稿は,これらの実践上のポイントについて千葉大学の機関リポジトリ(CURATOR)の構築経験を踏まえて記述するものである。
著者
伊藤 裕子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.647-661, 2012-12-01 (Released:2012-12-01)
参考文献数
29

電子カルテのような医療における情報基盤の整備は,国民に対する質の高い医療の提供のために国家政策として10年以上行われてきたが,まだ不十分である。本稿では,「病院内の電子カルテなどの医療情報基盤の整備の有無」に何が関連するのかを検証するため,勤務医を対象にしたアンケート調査(2010年実施)の結果を再分析した。その結果,病院における電子カルテなどの医療情報基盤の整備の状況は,病院の規模や開設主体によって差があることが示唆された。現在,医療情報基盤の整備が進んでいる病院は,経費の問題もあるため中規模以上の病院であるが,日本の病院の8割以上は小規模病院である。今後,病院内の電子カルテなどの医療情報基盤の整備を進めるためには,学術情報に関して一部で既に実施されているように,地域内の複数の医療機関が連携することによって経費を分担することや,地方および国の行政が医療情報基盤整備のために経済的な支援をすることが必要と考えられる。
著者
井上 春樹
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.735-745, 2013-01-01 (Released:2013-01-01)
参考文献数
4

静岡大学では,2007年に「BCP」「コスト削減」など,さまざまな課題克服を目的に大学の情報基盤のすべてに対しクラウド化を推進してきた。その結果,2010年10月には「ほぼ目的を達成できたのではないか」という内外からの高い評価を受けた。しかし,その直後に発生した東日本大震災は「単なるクラウド化だけでは自然の猛威の前には何の意味もなさない」ということを嫌というほど思い知らせてくれた。本稿では上記の反省とデータの爆発時代を迎えている現在の情報分野の状況を踏まえ,「どのような大災害が発生しても大学の機能を継続させるにはどうしたらよいのか」を述べ,次に今後のビッグデータ時代へ対応するための新しい情報BCPを提案する。
著者
大谷 卓史
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.852-854, 2013
被引用文献数
1