著者
下田 博次
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.31, no.8, pp.715-723, 1988

コンピュータ, OA機器から産業用ロボットの普及に伴ってテクノストレスと呼ばれる心身の疲労, 健康障害が問題視されるようになった。このテクノストレスは, マスコミがつくり出した心理不安であるとか, コンピュータが直接のストレス発生原因ではないという人もいる。だが一方では多くの症例報告とプログラミング作業から発生するストレス調査もすすんでいる。テクノストレスはコンピュータ関連労働の種類によってその表れと原因が違い, きめ細かい対応が必要である。しかし最終的には, 個人のライフスタイルと企業風土の問題に帰するところが大である。
著者
江間 有沙 秋谷 直矩 大澤 博隆 服部 宏充 大家 慎也 市瀬 龍太郎 神崎 宣次 久木田 水生 西條 玲奈 大谷 卓史 宮野 公樹 八代 嘉美
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.322-330, 2016

<p>人工知能技術の「責任ある研究とイノベーション(Responsible Research and Innovation: RRI)」のためには多様なステークホルダー間による対話・協働が不可欠である。本研究では,情報学系研究者のほか情報学の倫理的・法的・社会的問題を考える人文・社会科学研究者,政策系の専門家やSFなど創作/編集活動関係者,メディア,一般市民など多様なステークホルダーにアンケート調査を行った。10年後の運転,育児,介護,人生選択,健康管理,創作活動,防災,軍事の8分野では,全体として運転・防災・軍事分野など「知的な機械・システム」の導入に社会的合意が必要とされる分野の機械化には積極的な意見が多い。一方,ライフイベントにおける意思決定や健康管理など個人選択に委ねられる分野は「人間が主体で機械を活用する」傾向にあった。回答者の専門や価値観,経験によって意見は多様であり,個別の技術導入場面において機械と人間の関係をいかに創造的に組み替えていくかの議論が重要である。</p>
著者
福山 栄作 高清水 直美 中井 陽子 昌子 喜信
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.260-272, 2008 (Released:2008-07-01)
参考文献数
21

島根大学では,大学評価情報データベースの教員情報入力システムと連携した学術機関リポジトリシステムの構築を行った。教員情報入力とリポジトリへのデータ登録が双方向で連携することにより,リポジトリへのデータ登録率の向上と入力負荷の軽減が可能となる。両システムの連携の実際を紹介し,現在の運用状況の分析から,コンテンツの持続的収集の可能性を検証する。
著者
福原 美三
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.301-312, 2006
被引用文献数
3 2

オープンコースウェア(OCW)はMITが2001年に開始した「大学で正規に提供されている講義についての情報のインターネットによる無償提供」である。日本では2005年5月に大阪大学,慶應義塾大学,京都大学,東京工業大学,東京大学,早稲田大学の6大学で一斉に本取り組みを開始した。日本でのOCW活動は本年の4月に日本オープンコースウェアコンソーシアムが設立され,試行の段階から本格普及を目指す段階に入った。本稿では活動の現状を紹介するとともに,これまでのほぼ1年間での取り組みを通じて明らかになった課題・展望などについて述べる。
著者
後藤 悌
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.12-18, 2010 (Released:2010-04-01)
参考文献数
6
被引用文献数
1

インターネットの普及によって手に入れることができる情報は増えた。医療の情報を得ることも容易となったが,インターネットにおける,がん医療の情報は必ずしも正しくない。調査では,国内で「肺癌」と検索し,上位50に表示されたサイトの中で,正しい治療方法を提示していたサイトは5割に満たなかった。このような状況を改善するために,私たちのグループはWebサイトを主体的に評価し,医療関係者の立場から,患者やその家族に勧めることのできるサイトを抽出し,Webサイト(http://www.がん情報.net)に掲載する試みを始めた。
著者
土谷 晴子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.129-144, 1993

「日経ヒット商品番付」を生活者の欲求指標としてとらえ,因子分析を利用して,最近13年間の生活者価値観のトレンド分析を試みた。その結果,生活者価値観は経済の動向と深くかかわっていることがわかった。そして常にある特定の価値観に向かって,一方方向へ拡散型の変化をしているのではなく,欲求の多次元空間を循環型に何等かの求心力を持ちながら変化している様が浮んできた。
著者
長谷川 一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.651-654, 2017-12-01 (Released:2017-12-01)

インターネットという情報の巨大な伝送装置を得,おびただしい量の情報に囲まれることになった現代。実体をもつものの価値や実在するもの同士の交流のありようにも,これまで世界が経験したことのない変化が訪れている。本連載では哲学,デジタル・デバイド,サイバーフィジカルなどの諸観点からこのテーマをとらえることを試みたい。「情報」の本質を再定義し,情報を送ることや受けることの意味,情報を伝える「言葉」の役割や受け手としてのリテラシーについて再考する。
著者
鈴木 武志
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.564-573, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)

生体認証技術は個人認証方式としてさまざまなシーンで導入されている。その技術の一つである顔認証でNECは米国国立標準技術研究所(NIST)が主催する評価プログラムで4回連続世界No.1の評価を得ている。顔認証には「積極的認証」「非積極的認証」という2つの視点があるが,これから特に注目されるのが後者で,それは認証対象者本人が意識しない,対象者の協力を得ることができないケースでの認証である。この非積極的認証で使われる技術が「動画顔認証技術」である。同認証は画像中から顔を検出,次に特徴的な点を見つけ,顔特徴量を抽出しデータベースと比較,閾値よりも類似度が高い人物を見つけた場合に本人と判定する。動画顔認証では低解像度画像で照合できることが重要で,NECはNISTの評価試験で最高評価を獲得した。顔認証は対象となる顔の提示が必須であったが,時空間データ横断プロファイリング技術のようなその課題を解決する技術も生まれており,いっそうの活用が見込まれる。
著者
高安 美佐子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.512-515, 2017

<p>インターネットという情報の巨大な伝送装置を得,おびただしい量の情報に囲まれることになった現代。実体をもつものの価値や実在するもの同士の交流のありようにも,これまで世界が経験したことのない変化が訪れている。本連載では哲学,デジタル・デバイド,サイバーフィジカルなどの諸観点からこのテーマをとらえることを試みたい。「情報」の本質を再定義し,情報を送ることや受けることの意味,情報を伝える「言葉」の役割や受け手としてのリテラシーについて再考する。</p><p>第5回は,サイバー空間における情報拡散の推移がテーマ。ある単語の出現数やその減衰を数理モデルで表し,科学的にシミュレーションすることから何がわかるのか。</p>

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出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.615-617, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)

2 0 0 0 OA PINUP

出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.540-541, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)
著者
高祖 歩美
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.294-301, 2013

実験や計測を通して得られたデータを広く研究者間で公開して,利活用できれば,重複したテーマに研究費が配分されることが減り,過去の研究結果の追試や再現が容易になり,科学技術の進歩が加速され,新しいビジネスや経済効果につながると考えられている。生命科学分野では,ヒトの全ゲノム情報を解読した国際的なヒトゲノムプロジェクトを契機として,研究者が保有するデータを公開して,皆で利活用するデータ共有が進められてきた。本稿では,科学技術振興機構 バイオサイエンスデータベースセンターが中心となって推進してきたわが国におけるデータ共有の取り組みと課題について概説する。各国のファンディング機関や政府が採っているデータ共有の方針や他人が利用できるデータが満たすべき3つの属性の課題(形式の課題,意味の課題,法上の課題)を中心に紹介する。