著者
遠藤 恵子
出版者
城西国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009-04-01

本研究では、内務省が所管していた行政の諸分野における、戦間期の女性政策の見取り図を作成することを目的とする。おもに、次の2点について、文献研究を行った。第一に、様々な政策についての政策形成過程や女性像を明らかにすることである。第二に、各政策における女性の状況を明らかにすることである。そして、多様な女性政策が形成されており、これらの政策の多くが、第一次世界大戦以降の欧米における女性政策の動向を反映していたことを理解した。
著者
藤井 一二
出版者
城西国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

古代日本と渤海の交渉状況について王城の変遷段階ごとに把握し1、渤海早期の居城と王城(中京・東京城)の位置する延辺地区と日本を結ぶ交流が図們江・海蘭河・布尓哈通河の水路・沿道を主な回廊としたこと、2、中期・後期の上京龍泉府が牡丹江とその流域の交通路によって「日本海」に接する港(津)に連接していた様相・特性を、歴史的、考古学的に究明した。
著者
酒井 健介
出版者
城西国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

運動負荷は、ラットの見かけのMg吸収率の増加し、骨格筋におけるTRPM7の発現量を高めた。とりわけ運動直後にTRPM7の発現量の増加が確認されたことから、運動負荷に伴う代謝性アシドーシスの影響について検討したが、塩化アンモニウム投与によるアシドーシスモデルでは運動負荷時とは異なる発現様式を示した。また骨格筋ではTRPM7以外にCLDN16が、消化管でも同様にTRPM7とCLDN16が、腎臓ではTRPM7とCLDN16に加えTRPM6の発現が認められ、運動負荷による生体内Mg動態に異なるMg輸送タンパク質が関与していることが示唆された。
著者
山村 順次
出版者
城西国際大学
雑誌
城西国際大学紀要 (ISSN:09194967)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.81-123[含 英語文要旨], 2010-03
著者
川野 有佳
出版者
城西国際大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

18年度の成果として、以下の点が挙げられる。まず、研究テーマに基づく先行研究を体系的に理解することを目指した。つまり(1)これまでのインドにおける女性・フェミニズム運動についての基礎文献をたどり、(2)ダリットや非バラモン主導による解放運動について、歴史的背景とそのおおまかな流れを把握した。これら二つの流れをたどりながら、そこから浮上してきた幾つかの事例から、"主流派"女性運動とダリット女性両者の接点についての考察を深めることができた。そのうちの一事例として、1970年代末、マハーラシュトラ州オーランガバードを起点として広まりをみせた、通称Namantar運動(大学改名要求運動)が挙げられよう。この運動は70年代末以降、ダリットがマラートワーダー大学からDr.ババサヘーブ・アンベードカル・マラートワーダー大学へと大学名の変更を要求したことがきっかけとなり、その後マハール・カーストを主とした非ダリットとダリットとの政治的対立構造が顕著となっていった。この運動については多くが男性政治家・運動家によって記されているが、なかでもダリット女性および非ダリット女性がこの運動をどう理解し、どのように関与したかについては未解明な部分が多い。したがって存在する数少ない資料を掘り下げ、また実際運動に関与した当事者(ダリットおよび非ダリット女性運動家、フェミニストら)に聞き取り調査をおこなった。その結果、この運動には実に多くの人々が賛同し、改名を擁護したことが明らかとなったが、特に草の根レベルにおいて多くの女性が果敢に参加したことについて、記録としてほとんど存在しないことや、賛同したダリット女性や非ダリット女性がいかに運動内で協働し合ったか、あるいはし合わなかったかについては、まだ十分に解明されてはいないことなどが明らかとなった。つまりのそ未解明な部分を明らかにするために、ダリット女性と非ダリット女性の両者の意識がせめぎあう場としてこの運動を位置づけ、それを起点に、当時から現在まで続いている両者の連帯、そして分裂について理解を深めようと試みた。この研究は現在も継続中であるが、2006年10月の日本南アジア学会にてその一部を発表した。今後も引き続き研究を続行させていく予定である。さらに、ダリット女性と非ダリット女性の意見の対立が際立つその他の事例にも注目しており(特に、異なるカースト女性のカースト別の議席配分について)、また近年起きている様々な女性運動家および女性団体での意見の相違についても事例を収集し、その分析を続行させている。これらについても今後も継続して研究を行っていく所存である。
著者
魚住 明代 廣瀬 真理子 相馬 直子 舩橋 恵子
出版者
城西国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

戦後に発展をみた欧州の福祉国家は、近年の少子・高齢化や経済のグローバル化によって、抜本的な改革を迫られている。他方で、家族の多様化や家族機能の衰退は、社会的支援策へのニーズをますます高めている。本研究は、多様化する家族のなかでも、とくにひとり親(母子)世帯に焦点を当てて、その支援策のあり方について、家族主義の伝統が比較的強く残る西欧の大陸諸国(ドイツ、フランス、オランダ)と、韓国を取り上げて、文献・実証研究の両面を通して比較研究を行った。対象国の事例から、所得保障と母親の労働環境の向上と福祉・教育サービスを軸にして、それらを横につなぐ視点に立った支援策が必要であることが明らかにされた。
著者
綾部 恒雄 黒田 悦子 前川 啓治 森川 眞規雄 白石 さや 木村 和男 太田 和子 SIRI Gamage
出版者
城西国際大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

3年間の研究・調査の結果、次のような成果を得たと考える。(1)研究対象となった3ケ国の多文化主義は、"美しい"理念から出発したというよりも、国民国家統合上の政策として登場したものである。(2)3ケ国とも、元イギリスの植民地であり、民主主義と議会政治の伝統を受け継いでいる。(3)多文化主羲の台頭は、人権思想、反人種主義、文化相対主義思想の滲述と深く関わっている。(4)3ケ国の先住民(イヌイット、ネイティブ・アメリカン、アボリジニ)は多文化主義に反対している。(5)多文化主義の理念は、国民国家の統合を破壊する'危険'を、常にはらんでいる。(6)20世紀末から加速した、グローバライゼーシヨンは、英語の使用、アメリカ的価値組の普及をもたらし、結果として多文化主義思考を弱体化し、同化志向価値を助長する。(7)多文化主義が国民国家内で一定の成果をあげた場合でも、異文化間にみられるジェンダーの相違、宗教思想(例えば、キリスト教団におけるイスラム教徒)の違いをどのように扱うかという困難な問題が残されよう。(8)現在、世界各国で視察される多文化主義は、国民国家の枠を越えることはできない。
著者
新倉 雄一
出版者
城西国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

卵巣は女性に美と健康をもたらす器官ですが、その機能を司る卵胞は加齢によって消失します。新たに卵胞を形成することで卵巣の機能を維持したり、若返らせたりすることが理論上可能です。しかし、その具体的な方法はまだ確立されていません。この研究は、卵胞形成になくてはならないStra8という分子の働きを人為的に制御する方法を確立し、この分子を標的とする治療によって卵巣の機能再生と老化現象の抑制が可能となるのかを検証します。この研究が成功すれば、卵巣を若い状態に保つことで、健康的に年をとることを可能にし、また妊娠とキャリアの両立といった社会で活躍する女性の生き方に新たな選択肢をもたらすことが期待されます。
著者
王 晶
出版者
城西国際大学
巻号頁・発行日
2020-08-31

2020
著者
王 晶
出版者
城西国際大学
巻号頁・発行日
2020

2020
著者
堀江 俊治
出版者
城西国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

申請者は「炎症性腸疾患モデル動物の結腸粘膜における知覚過敏性には、熱感を感受するTRPV1チャネル発現神経線維の数の増大が関与している」ことを明らかにした。当該研究では、機能性消化管疾患である過敏性腸症候群および非びらん性胃食道逆流症のモデル動物を作製し、その消化管組織において、TRPV1チャネルおよびTRPM8チャネル発現神経の数が増加しているか、その増加に関連して知覚過敏反応が亢進しているかどうかを明らかにしていく。さらに、その知覚過敏にマスト細胞や好酸球の関与を検討する。この研究成果によって、微細炎症を抑える薬物は機能性消化管疾患の知覚過敏を改善するという新たな治療法を提案できる。
著者
加藤 朋江
出版者
城西国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、現代日本における高年初産について聞き取り調査と文献を用いてその実態を明らかにするものである。聞き取り調査では(1)対象者に高年初産が選択される背景が多様であること、(2)対象者の年齢に対する意識が近年において変化していること、(3)対象者が考える高齢出産のメリットとデメリットについて考察した。文献調査では(1)高年初産のリスクとされることが年代ごとに変容していること、(2)かつては若い女性たちにとって特別なものであった高年初産が現在ではいつか選択するかもしれないことに変化していること、(3)高年初産・高齢出産に対する差別的な意識について分析した。