著者
白石 さや
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本の文化と社会の潮流
巻号頁・発行日
pp.167-176, 2011-11-30

日本の文化と社会の潮流
著者
綾部 恒雄 黒田 悦子 前川 啓治 森川 眞規雄 白石 さや 木村 和男 太田 和子 SIRI Gamage
出版者
城西国際大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

3年間の研究・調査の結果、次のような成果を得たと考える。(1)研究対象となった3ケ国の多文化主義は、"美しい"理念から出発したというよりも、国民国家統合上の政策として登場したものである。(2)3ケ国とも、元イギリスの植民地であり、民主主義と議会政治の伝統を受け継いでいる。(3)多文化主羲の台頭は、人権思想、反人種主義、文化相対主義思想の滲述と深く関わっている。(4)3ケ国の先住民(イヌイット、ネイティブ・アメリカン、アボリジニ)は多文化主義に反対している。(5)多文化主義の理念は、国民国家の統合を破壊する'危険'を、常にはらんでいる。(6)20世紀末から加速した、グローバライゼーシヨンは、英語の使用、アメリカ的価値組の普及をもたらし、結果として多文化主義思考を弱体化し、同化志向価値を助長する。(7)多文化主義が国民国家内で一定の成果をあげた場合でも、異文化間にみられるジェンダーの相違、宗教思想(例えば、キリスト教団におけるイスラム教徒)の違いをどのように扱うかという困難な問題が残されよう。(8)現在、世界各国で視察される多文化主義は、国民国家の枠を越えることはできない。
著者
根本 彰 白石 さや 高橋 亜希子
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

探究型学習は学習指導要領上はきわめて重要な位置づけになっているが,現実的にそれを実施する方法はきわめて多様である。本研究では,東京大学教育学部附属中等教育学校で行われている卒業研究に焦点をあてて,探究型学習の進め方について,研究のテーマ設定,研究の方法の選別と実施,研究の執筆と口頭発表の3つのプロセスを解明することを行い,そのなかでとくに,テーマ選定と図書館を利用した研究支援を中心とした。3年間の研究期間中の毎年度終わりに,執筆者への質問紙調査を行い,これらの支援がなかったときと支援が行われたときとを比較して,執筆者に一定の効果があったことを明らかにしている。
著者
白石 さやか 渡邉 泉 久野 勝治
出版者
Japan Society for Environmental Chemistry
雑誌
環境化学 (ISSN:09172408)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.829-837, 2002
被引用文献数
5 6

東京都内の主要道路から, 道路粉塵, 街路土壌および街路樹の葉を採取し, Mn, Fe, Cu, Zn, Cd, Pt, Pb濃度を測定した。交通量が最大であった環状七号線の道路粉塵は, 高濃度のCu, Zn, Pt, Pbが検出され, 自動車走行の影響が推察された。<BR>街路樹葉の重金属濃度はいずれも, 非道路脇で採取された試料の約1~4倍であった。樹種による濃度差が顕著であり, オオムラサキで最高, イチョウで最低となった。重金属類は葉内あるいは葉表面に蓄積され易く, 樹種による濃度差は, 植栽の高さや葉の性状の違いに起因することが考えられた。街路樹種の選定に金属捕捉の視点を加味することは, 効果的な道路周辺環境の改善に活用できよう。
著者
白石 さや
出版者
岡崎女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

グローバル化世界における若者文化は、激流を思わせる。2000年代にPCの性能が上がり、メディア状況一般が大きく変化した。マンガ本とテレビ・アニメに始まった日本発の若者の娯楽文化は、欧米やアジア諸国でのメディア網の再編に対応して、今や実質的に「デジタル文化」として、デジタル・リテラシーを獲得した世界の新世代が共有するデジタル文学という性質を帯びている。「文化のグローバル化現象」として本研究開始期に想定していた、各地におけるローカルなマンガ作家やアニメ作品の登場とそのグローバル化いう「文化現象」は、すでにその先のマンガ・アニメ・ファンによるネット共同体の成立という「社会的現象」に進化していた。
著者
竹中 千春 白石 さや 村田 雄二郎 西崎 文子 吉村 真子 合場 敬子
出版者
明治学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

5つのキーワード(「ジェンダー」「政治」「戦争」「民主主義」「国際比較」)に基づき、国際政治学・政治学・国際関係論を中心に、アジア・太平洋地域の現代的・歴史的な事例を取り上げ、地域研究を比較・統合する努力をしつつ、学際的に研究を進めた。この共同研究の目的は、(1)国際政治学・政治学・国際関係論におけるジェンダー研究を進めること、(2)「戦争」と「民主主義」のジェンダー化を分析すること、(3)ジェンダー研究の中に国際政治学・政治学・国際関係論の視点から新しい視角や概念を提起していくこと、であった。平成17・18年度の2年間で、地域と問題別に立てたサブ・グループを基盤に、資料収集・現地調査を行い、事例分析と理論構築を試みた。平成18・19年度は、中間的な研究成果をまとめ、公表する作業に精力を注いだ。平成18年度7月には、イギリス・インド・韓国から専門家を招き、国際学術交流として世界政治学会(IPSA)研究集会で「War and Democracy from Gender Pespective(戦争と民主主義のジェンダー分析)」というセッションを開催した。同年10月の日本国際政治学会では、「グローバリゼーションの中の市民・女性・移民」をテーマに第1回ジェンダー分科会を開催し、同時に「グローバル・ガヴァナンスへの胎動:人権・環境・地雷」という部会も開催した。平成19年度も同学会にて人権侵害をテーマに第2回ジェンダー分科会を開催した。現在、総括的な単行書の準備を進めているが、学際的に編成した本科研の研究分担者は各専門領域で個別に成果を公表し、それぞれ高い評価を得ている。総括すれば、本共同研究は、共同研究と研究成果発表の過程を通して、国際政治学・政治学・国際関係論の分野でジェンダー研究の裾野を広げるという点で初期の目的を十分な程度達成したと考えている。