著者
大谷 真忠 石井 まこと 阿部 誠 幸 光善 本谷 るり
出版者
大分大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究では、大分市内の企業にたいして人事・雇用管理に関するアンケート調査を実施し、雇用・人事管理の今日的特徴を分析するとともに、企業の人事担当者に人事管理の課題について聞き取りを行なった。また、地域の就業構造の特色と変化について統計的な分析を行なった。さらに地域の老舗企業の地域性についてアンケート調査にもとづいた分析を行なった。これらの研究を通じて、とくに雇用・人事管理の面で、次のような最近の特徴が明らかになった。対象企業のなかで職能資格制度があるのは約半数にすぎず、人事評価を定期的に行っている企業も3分の1にとどまる。人事評価で重視されている点は、「能力」がもっとも多く、「業績、成果」、「仕事の姿勢」がそれに続いている。評価結果は主に昇給・賃金の決定、ボーナスの査定に用いられている。最近の人事考課制度の変化として「処遇格差を大きくした」「業績・成果ウェートを上げた」「数量目標を活用」「評価結果を本人に説明」の4項目に集中している。採用管理の面では30歳以上の中途採用が拡大しているが、規模の大きな企業では新卒採用が中心であり、中途採用は補完的な役割にとどまる。他方、リストラの方法としては「パート・アルバイトや派遣社員の積極的活用」が3割ともっとも高い比率を示すほか、「人員削減」を行った企業も多い。100人以上規模の企業は全体的に事業再構築に積極的である。賃金では、賃金テーブルを用いない企業が半数以上を占める一方、一般職の定昇制度は56.4%の企業にある。賃金を決める要素としては、ほぼ半数の企業が「職務遂行能力」で、「仕事上の業績」は4分の1である。人事管理の課題としては「中核的人材・即戦力の採用」が半数を占め、重視されている。地域企業も、基本的には人事管理の全国的な傾向と同じ動きを示しているが、小規模企業を中心として体系的・制度的な整備が遅れているということができる。
著者
田中 修二
出版者
大分大学
雑誌
大分大学教育福祉科学部研究紀要 (ISSN:13450875)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.41-60, 2002-04
著者
野村 新
出版者
大分大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

教育はその国や地域の歴史や伝統など文化の上に構想されねばならない。沖縄には歌や踊り、漆器や織物など豊かな伝統文化があるが、沖縄の教育が本土並の学力の育成を追求するあまり、伝統文化と無関係に学校教育が実践されることが起こりかねない。本研究では具体的な学校教育のなかで、沖縄の民謡や民踊、棒術などを授業や学校行事などに取り入れながら、学力形成の在り方を追究するもので、沖縄の歴史や文化を調査するとともに、浦添市立宮城小学校・宮城幼稚園の教師たちと共同で授業や学校行事などの立案・実践・分析はもとより、研究者自身も授業や身体的表現活動を指導して研究を深めた。特に1992年10月の運動会では、行進や野外劇、創作舞踊など、沖縄の曲やリズムや踊りの「結い回る」や「エーサー」、「カチャシー」を取り入れ、伝統武術の「棒術」などを種目として取り上げた。1993年2月の学芸会にも「エーサ」や「さびら」などの沖縄のリズムと踊りと「沖縄空手」や沖縄の民話「きじむなー」を基盤に、「かさじぞう」を初め「ペルシアの市場にて」や「走れメロス」のオペレッタを上演した。また研究者自身が沖縄をテーマにした150行の叙事詩「不死鳥の如く」を書き、それに梶山正人(千葉経済短期大学教授)が沖縄固有の曲と中国の曲を基調とした作曲をして表現活動の実践させるなど、沖縄の伝統的な唄や踊りのリズムと本土の民話や欧米調の物語や曲想との結合と、歌や身体的表現活動と教科の授業を関連させて学力の育成を試みた。研究の結果、子どもたちに構成・演出・表現などで多面的に追究する思考力や創造性や感性や社会性が育ち、追求力や集中力、持久力や自立心や耐性などの精神的な意志力の形成が顕著にみられ授業や学級活動との相互関連性のなかで学力が充実するなど、伝統文化を教育に生かす方向性をとらえることができた。
著者
大岩 幸太郎 阪井 和男
出版者
大分大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

大学における講義・演習で、学生が主体的に調査・報告を義務づけられる課題(レポート)の作成を通して、学生の論理的思考力・抽象的思考力を養われる。本研究の目的は、通常学生が提出するレポートの形式が特定化されたデータベースを作成し、学生がこのレポートをWWWを利用して閲覧できるシステムを提供し、自身がレポート作成の思考過程を、貝体的な評価・解析できる論文作成支援システムの開発を目指すことである。そのために、通常の謙義・演習においてすでに提出されたレポートあるいは新しいレポートを、順次データベースとして蓄積できる学生レポートを入力部を作成した。レポートの課題は、ビデオ(NHK「クローズアップ現代」30分番組)を視聴させ、その内容を[問題提起]、[導入]、[議論]、[結論]の4つのパラグラフ構成とし、[問題提起]・[導入]・[結論]は、40字×5行程度、[議論]は40字×25〜30行程度の形式とした。これをレポート構成時の座標軸と呼ぶ。次に、この提出された学生のレポートから、論理的思考力・抽象的思考力が曖昧な文章を見つけだし、評価した結果を学生に表示できるWWW閲覧システムを開発した。このような、支援システムを通して、客観的なレポートの作成に必要な全体の記述・構成を具体的に習得できるシステム開発を行った。
著者
後藤 雄治
出版者
大分大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

原子力発電所では、炉心内の1次冷却系配管や、炉心付近の構造物に関して入念な検査が実施されている。しかし炉心から離れた2次系の鋼管は、放射線が含まれない部分であるため、長期間に渡る詳細検査の頻度は必ずしも多くはない。そこで運転を止めず、安価で常時検査が可能となる状態監視検査技術の構築が望まれる。本研究では、直流磁場と微小交流磁場を併用することにより、短時間で鋼管の裏面減肉検査が実施できる電磁気検査法の研究開発を行った。