著者
田原 宏晃
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学紀要 (ISSN:02891190)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.55-70, 2008-03

The first Code of Points in Gymnastics was formulated by International Gymnastics Federation (F.I.G.) in 1949. It is commonly assumed that the 1964 edition of the Code of Points is the basis of present Code of Points. From the 1964 edition to the 2006 edition, the Code of Points has been revised for 10 times, and 11 revised editions have been published since 1964. The purpose of this investigation was to clarify the tendency of how gymnastics skills have been developed by putting all the published skills together, in order to make fundamental materials for future study. This time, the investigation was focused on vaulting skills only. The results in present study were summarized as follows. ・Total 177 vaulting skills have been published since the 1964 edition to 2006 edition. ・In the 1964 edition, only 12 vaulting skills were published. However, within about half century, the number of vaulting skills has increased for 10 times, and 133 vaulting skills were published in the 2006 edition. ・During the period, developments in the first flight phase were mainly made in vaults with 1/4 turn or rounding off after or before jumping off the springboard, respectively. In the second flight phase, the developments were mainly seen in vaults with handspring and Yamashita styles, which were characterized by rotations of the body about lateral and longitudinal axes of the body after pushing off the horse. ・Although the largest number of vaulting skills with highest values was published in the 1989 edition, the number has decreased after the edition, and only one new vaulting skill with highest value was published in the 2006 edition. ・Of all the published vaulting skills, there were 5 vaulting skills that were continuously published from the 1964 edition to the 2006 edition. During this period, there were 27 vaulting skills with only one publication, and two of these 27 vaulting skills were newly published skills in the 2006 edition.
著者
矢部 京之助 鶴池 政明
出版者
大阪体育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、日常的にスポーツ活動を行っている脊髄損傷者(15名)の上肢と下肢の筋系および末梢循環系の機能と構造について調査した。被験者の中、7名に対して8週間(5種目、10RM・3セット、週3日)の上肢筋力トレーニングを実施させ、トレーニング前後の変化を測定した。結果は以下のようにまとめられる。1.スポーツ活動を行っている脊髄損傷者の上肢・下肢の安静時血流量は、健常者とほぼ同じ値であった。麻痺部の下肢が健常者と同等であった理由は、日常のスポーツ活動の効果と推察された。2.血管拡張能力は、健常者に比べ、上肢は優れていたが、下肢は劣り、拡張時間も延長する傾向が見られた。これは、脊髄損傷による自律神経機能の欠如が関連していることと示唆された。3.8週間の上肢筋力トレーニングは、上肢と下肢の筋系および末梢循環系の機能と構造に大きな変化を及ぼさなかった。これは、被験者の循環系機能が日常のスポーツ活動ですでに十分向上していたためと推察された。4.4週間の筋力トレーニング後、血圧の上昇が見られた。4週間でトレーニングを中止した被験者は、その後4週間でトレーニング実施前の血圧値に戻った。8週間トレーニングを継続した被験者は、さらに血圧が上昇する傾向にあった。しかし、全被験者のトレーニング後の血圧値は正常範囲内であった。以上の結果より、脊髄損傷者の日常的なスポーツ活動は、上肢の血管拡張能力を高め、下肢の安静時血流量を維持することが明らかになった。また、8週間の上肢筋力トレーニングは、上肢・下肢の筋系および末梢循環系の機能と構造に効果を及ぼすには至らなかった。これは、今回の被験者が現在継続しているスポーツ活動で上肢と下肢の筋系および末梢循環系の機能と構造が十分に発達していたためではないかと推察された。さらに脊髄損傷者が筋力トレーニングを行う際には血圧の管理が必要であることが示唆された。
著者
長江 晃生
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学紀要 (ISSN:02891190)
巻号頁・発行日
vol.38, 2007-03

本研究は、第12回・リーグ男子大会予選ラウンド(8チームでの総当たり戦を4ラウンド実施)の内、堺BZチームを中心とした28試合107セット(延べ214セット)を対象にゲーム中のブロックとDigパフォーマンスを調査して、堺BZチームと各対戦チームを比較検討した。本研究の結果を以下のようにまとめた。1.堺BZのブロック参加率については、対戦チームのコンビ攻撃の特徴により変動し、対戦チーム毎に違ったブロック参加状況を示した。その理由としては、堺BZの守備戦術のシステムを対戦チームのコンビ攻撃の特徴に応じて変更して対応していることが考えられる。もうひとつは、外的要因としての対戦相手のコンビ攻撃使用頻度の違いが関係しているものと推察される。2.堺BZは、1位のSUNに比べブロック・Digパフォーマンスにおいて、やや下回っている傾向を示した。しかし、ブロックパフォーマンスにおいては下位チームのTYOとASAに比べて明らかに上回り、B-Dig成功率においても、下位のTOR、TYO、ASAを上回っていることが明らかとなった。その理由としては、堺BZがSUNの攻撃に対して多くのブロックで対応していたが、SUNのアタッカーの能力、打球スピードがVリーグの中でも優れていることから、ブロック・Digパフォーマンスにおいては良い結果に繋がらなかったと考えられる。下位チームとの対戦においては、ブロック参加率ではやや下回っていたが、プロッカーの高さや「読み」が優れ、1人のブロックの質が関係しているものと推察できる。3.B-Dig成功率はNB-Dig成功率よりも高い成功率を示し、その変動範囲がNB-Dig成功率より小さい傾向を示した。また、ブロック参加人数とブロックパフォーマンスの関係は、ブロック参加人数が多くなると、B返球率やB-接触率は漸増傾向を示す結果となった。このことから、Dig成功率を高め、安定させるためには、ブロックでワンタッチを取得することが必要である。すなわち、ブロックとDigの関係性を検証した結果を得た。
著者
平野 亮策 松田 基子 神崎 浩
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学紀要 (ISSN:02891190)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.19-27, 2002-07-01

The international spread of judo has passed the time more than a century yet. It can also be regarded as a process of growing a competitive game. The game rules of IJF that was enacted in 1974 has not been corrected greatly even today. In such a situation, the increase of the ratio of the Ippon - Gachi is astonishing. This study explores the background of the phenomenon and is going to clarify the meaning of the phenomenon of the recur- rence toward the Ippon-Gachi and a prospective view. As a conclusion, the internationalization process of judo can be regarded as the flow from the Kano-judo to clothes wrestling (JUDO) and to the international judo which is grounded on a game culture. However, we have to think that the judo seen today is not the phenomenon of the recurrence toward the Ippon-Gachi. An important future subject is how to face the inconsistency of the game rules which has formed the point system iudo.
著者
長尾 佳代子
出版者
大阪体育大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

2006年夏に、Southern Illinois University, Morris Libraryにおいて、Karma初版の掲載誌のバックナンバー、Open Court社が所蔵していた校正原稿、及び書簡類などの調査を行った。原稿や編集者間で交わされた書簡などの調査から、第2版単行本での文章改訂の詳細やその後の単行本出版の際の挿絵や製本、販売方法、宣伝活動などについて行った著者の指示の具体的な様子が分かった。鈴木大拙、長谷川武次郎、大原嘉吉、釈宗演らとPaul Carusが交わした大量の書簡の調査からは、東京帝国大学等の日本の教育機関や宗教界との活発な交流の詳細が判明した。また、その他の書簡類等からは、Paul Carusの出版活動における思想的な背景について、フリーメイソンとしての活動やドイツ系アメリカ人社会での活躍、物理学や数学、音楽などの多岐にわたる分野での多彩な活動の様子など、多くの情報が得られた。これらの調査結果の一部は「南イリノイ大学カーボンデイル校特別文庫注の日本資料」(『大阪体育大学紀要』vol.38,pp.61-70)として報告した。また、2007年6月3日に京都、花園大学において開かれる仏教文学会大会で「『蜘蛛の糸』原資料Karma出版の経緯---オープン・コート社寄贈南イリノイ大学モリス図書館所蔵資料について---」と題して研究発表を予定している。収集したKarma各版の整理と分析は、これらの調査結果の分析と平行して現在も進めている。
著者
愈 勤楠
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学紀要 (ISSN:02891190)
巻号頁・発行日
vol.37, 2006-03

ショート・トラック・スピード・スケート(以下ショート・トラック)は,氷上スケート競技の一つで、滑走タイムを問わず、順位を争う競技である。これまでのスケート研究はスピードスケートに関するものが多く、ショート・トラックの研究は少ない。本研究では、ショート・トラックにおける動作と筋活動の特徴を明らかにし、体力的なトレーニングに役立つ知見を提供しようとした。日本の著名なショート・トラック女子選手3名を対象に、スタート時の三次元動作分析と筋活動の測定を実施した。動作分析用のためにデジタルビデオカメラ2台を使用し、毎秒60コマで撮影した。その映像を基に、DLT法を用いて膝関節、足関節、股関節の屈曲・伸展角度と股関節の内転・外転・内旋・外旋角度について分析した。筋電図(EMG)は、右下肢8ヵ所の筋(中殿筋、大殿筋、大内転筋、外側広筋、大腿二頭筋長頭、前脛骨筋、腓腹筋内側頭)について表面電極による双曲誘導法により導出した。足が着氷しているキック期と足が離氷しているスイング期に分けて積分し、平均振幅を算出し、最大筋力発揮時の相対値(%aEMG)を求めた。分析結果から以下のことが明らかになった。股関節は、常に外転位にあり、身体全体を内側に傾けてキック力を発揮していた。この際、中殿筋の働きが確認できたことから、ショートトラックに特徴的な筋活動であり、積極的にトレーニングすべき対象の筋であると考えられた。膝関節は伸展しながらキック動作をしていた。膝関節伸筋群のトレーニングは大腿直筋の働きを抑制しながら股関節を伸展する状況で実施する必要があると考えられた。足関節は屈曲して、身体を前傾位に保ちながらキックしており、そのため前脛骨筋が積極的に活動していたことが分かった。これはショートトラック独特の動作であり、前脛骨筋はトレーニングにおいて重視しなければならない筋であると考えられる。
著者
山本 耕平
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学健康福祉学部研究紀要 (ISSN:13493280)
巻号頁・発行日
pp.99-112, 2004-03-24

This report does not aim at making refecence to causes or treatments of social withdrawal. Rather, the focus is on researching youths who have chosen to withdraw from society and how these youths deal with society and themselves and how the support system can empower them to find relationships with society and increase selfesteem. This paper especially adds consideration to the phylosophy and aims of support that regions need to enable the empowerment of social withdrawal cases.
著者
山本 耕平
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学健康福祉学部研究紀要 (ISSN:13493280)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.23-37, 2005-03-25
被引用文献数
1

HIKIKOMORI has appeared typically in our countory in advanced nations. Since it will be translated into English with social withdrawn of it is original, but it has a situation peculiar to our countory, English is also HIKIKOMORI. It is used by carrying out. In study of HIKIKOMORO (social withdrawal), we have to examine that there was a remarkable increase in our country why in 1980 and agterwards. It is mecessary to perform the research about the relation between HIKIKOMORI, moratorium culture, and the cultureo of psychological dependence first. Next, examination is required about the relation of a social change of rapid economic growth, and the crisis of a family, a school, and a community. Those places are because deep relation is given to a youth's mental development. HIKIKOMORI considers this writer to be one of "the illnesses of a relation." The illness is produced as a failure in the interpersonal relation power which is an element of psychology, society, and sexual development. The third is asked for examining the crisis of wyouths' dentity by relation by sociey.