著者
長澤 和也 上野 大輔 何 汝諧
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
巻号頁・発行日
vol.52, pp.117-143, 2013 (Released:2014-05-12)

1918-2013年に出版された文献に基づき,日本産魚類から記録されたツブムシ科Chondracanthidaeカイアシ類の20属48種,未同定種(4種),未確定種(3種)に関する情報(異名リスト,宿主,寄生部位,地理的分布,文献)を種ごとに整理した。Acanthocanthopsis,Acanthochondria,Bactrochondria,Brachiochondria,Brachiochondrites,Chelonichondria,Chondracanthodes,Cryptochondria,Diocus,Hoia,Jusheyhoea,Markevitichielinus,Praecidochondria,Prochondracanthopsis,Prochondracanthus,Protochondria,Pseudacanthocanthopsis,Pseudochondracanthus,Ttetaloiaの各属に対して,コブツキツブムシ,トゲナシツブムシ, ドウナガツブムシ,ウデツブムシ,クビナガツブムシ,カメガタツブムシ,ツブムシモドキ, ミツオツブムシ,フクヨカツブムシ,ワキバラトゲツブムシ,タマガシラツブムシ,イカリツブムシ,スンヅマリツブムシ,ツツガタツブムシ, ヒメツブムシ, ヒョウタンツブムシ,ダルマツブムシ,ニセツブムシ,ハナビラツブムシの新標準和名を提唱した。また,和名をもたない種に対して新標準和名を提唱した。
著者
Nagasawa Kazuya
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
Journal of the Graduate School of Biosphere Science, Hiroshima University (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.13-21, 2017-12-15

広島湾で漁獲されたチダイの鰓に寄生するカイアシ類を調べたところ,ヒトガタムシ科のタイノヒトガタムシLernanthropus atrox Heller, 1865とエラノミ科のマダイノエラノミHatschekia pagrosomi Yamaguti, 1939の寄生を認めた。チダイはタイノヒトガタムシの新宿主であり,わが国のチダイからマダイノエラノミが見出されたのは初めてある。寄生率や寄生数を示すとともに,両寄生虫の宿主や地理的分布に関する考察を行った。Two species of copepods, Lernanthropus atrox Heller, 1865, and Hatschekia pagrosomi Yamaguti, 1939, were collected from the gills of crimson seabream, Evynnis tumifrons (Temminck and Schlegel, 1843), in Hiroshima Bay, the Seto Inland Sea, western Japan. This collection represents a new host record for L. atrox and the first record of H. pagrosomi from E. tumifrons in Japan. The hosts and geographical distribution of these copepods are also reviewed.
著者
長澤 和也 秋山 明彦 河合 幸一郎
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
巻号頁・発行日
vol.54, pp.75-79, 2015 (Released:2016-08-24)

山形県最上川水系小国川の支流である大横川で採集したヤマメOncorhynchus masou masou (Brevoort,1856)の鰾と,島根県益田川で採集したヤマメの鰾から,マスウキブクロセンチュウ(鱒鰾線虫)Salvelinema salmonicola (Ishii,1916)を得た。本線虫は両県から初記録である。
著者
坂井 陽一 越智 雄一郎 坪井 美由紀 門田 立 清水 則雄 小路 淳 松本 一範 馬渕 浩司 国吉 久人 大塚 攻 橋本 博明
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 : 広島大学大学院生物圏科学研究科紀要 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.7-20, 2010-12-24

瀬戸内海安芸灘に位置する大崎上島の沿岸魚類相について,餌釣りと潜水観察による調査を実施した。ガラモ場の存在する桟橋を中心に調査定点を島の南部北部それぞれに設定し,オキアミ類とゴカイ類を餌に約10名が1時間釣りを行う作業を2007年5月から2008年3月まで隔月で実施し,出現魚類の季節変化を検討した。また,2007年5月から7月にかけて,屋代島から竹原までの安芸灘広域に9ゾーン26調査点を設け,同様の調査を実施し,出現魚類の水域ゾーン間の相違を検討した。本調査により総計29科63魚種を記録した。そのうち高水温期にのみ出現する南方系魚種は4種のみであった。記録した魚種の76%(48種)は伊予灘で記録されているものであった。一方,宇和海での魚類相データとの魚種共通率は30%前後に留まり,安芸灘を含む伊予灘以北の水域が生物地理学的に中間温帯区(西村,1981)と定義されていることの妥当性が裏付けられた。大崎上島において周年および冬期を除き常時記録されたのは,カサゴ,メバル,ハオコゼ,クジメ,アサヒアナハゼ,マダイ,ウミタナゴ,スズメダイ,メジナ,コブダイ,ホシササノハベラ,キュウセン,ホンベラ,クラカケトラギス,ホシノハゼ,イトヒキハゼ,ヒガンフグ,コモンフグであった。これら18魚種の多くは安芸灘広域調査においても広く出現が認められ,安芸灘の浅海魚類群集の基本構成種と考えられた。ホシササノハベラは愛媛県中島周辺水域での出現頻度が極めて高く,同種の安芸灘における主要な個体群が安芸灘南西エリアに存在する可能性が示唆された。また,過去に瀬戸内海での記録のないホシノハゼが安芸灘広くに確認され,急速に分布拡大を進めていることが示唆された。We surveyed fish fauna at shallow waters of Aki Nada, Seto Inland Sea by the line fishing census, using small hooks attaching clamworms or krills as baits, during May 2007 - March 2008. We set up survey points at piers with Sargassum belt in Osaki-Kami Shima Island, and conducted the census (ca. 10 person x 60 min at each) bimonthly to analyze seasonal differences of fish fauna. In order to evaluate geographic variation of fish fauna, we also held the census at 26 survey points of nine zones situated a wide area in Aki Nada during May-July, 2007. A total of 63 species of 29 families were recorded. Of 63 species, 76 % were commonly recorded in Iyo Nada region. In contrast, the common species ratio fell to ca. 30% in comparison with data recorded in Uwa Sea region, which strongly supports the validity of the border of biogeographical regions between "Warm temperate region" including Uwa Sea and "intermediate temperate region" including Iyo Nada and Aki Nada (Nishimura, 1981). The almost year-round occurrences in the Osaki-Kami Shima were admitted in the following 18 species, Sebastiscus marmoratus, Sebastes inermis, Hypodytes rubripinnis, Hexagrammos agrammus, Pseudoblennius cottoides, Pagrus major, Ditrema temmincki, Chromis notata notata, Girella punctata, Semicossyphus reticulatus, Pseudolabrus sieboldi, Halichoeres poecilopterus, Halichoeres tenuispinnus, Parapercis sexfasciata, Istigobius hoshinonis, Cryptocentrus filifer, Takifugu pardalis, Takifugu poecilonotus. Most of these species commonly occurred in the survey zones in Aki Nada waters, suggesting that these are core components of fish fauna in shallow waters of Aki Nada.
著者
倉持 卓司 上野 香菜子 厚井 晶子 長沼 毅
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 : 広島大学大学院生物圏科学研究科紀要 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.45-50, 2013

日本の代表的な内海である瀬戸内海より得られたドングリシャミセンガイLingula rostrum (Shaw,1798)の外部形態,および,分子生物学的な比較検討を行った。試料は瀬戸内海の岡山県沖備讃瀬戸より得られたドングリシャミセンガイを用い,倉持ら(2012)によるミドリシャミセンガイLingula anatina (奄美大島産)とウスバシャミセンガイLingula reevii (有明海産)の報告と比較した。ドングリシャミセンガイ(備讃瀬戸産)は,殻の形態,および,生時の肉茎の色彩により,外部形態でミドリシャミセンガイ,ウスバシャミセンガイと区分される。また,ドングリシャミセンガイ(備讃瀬戸産)の18S rRNA遺伝子の塩基配列を,ミドリシャミセンガイ(奄美大島産)とウスバシャミセンガイ(有明海産)と比較したところ,ドングリシャミセンガイ(備讃瀬戸産)は,ミドリシャミセンガイ,および,ウスバシャミセンガイの両種とは異なるクレードに属することがわかり,分子系統的にも離れた分類群として扱われるべきであることが示唆された。
著者
東出 遼介 坂井 陽一 橋本 博明
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.15-19, 2007

2006年5月、2007年4月と同6月に愛媛県今治漁業協同組合魚市場で体形が異常なテナガダコOctopus minorの雄3個体が採取された。通常雄は右第III腕のみが交接腕であるが、2006年の1個体はさらに左第III腕も交接腕になっており、奇形と思われた。また2007年の2個体は全体的に"水ぶくれ"状態であるが衰弱し、特に腕部は水のような透明な液体を内包して萎縮状態であった。これは繁殖産卵を終えた死滅前の病理的な現象ではないかと思われた。
著者
横山 博 長澤 和也
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 : 広島大学大学院生物圏科学研究科紀要 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.73-97, 2014

日本産養殖魚介類の寄生虫の標準和名目録を作成した。国内の養殖対象魚介類に寄生する微胞子虫類7種,鞭毛虫類4種,繊毛虫類7種,粘液胞子虫類32種,単生類24種,吸虫類9種,条虫類3種,線虫類10種,鉤頭虫類6種,ヒル類5種,甲殻類30種を含む合計137種の寄生虫について標準和名を整理し,うち40属,77種について新標準和名あるいは改称を提案した。また,日本における発生事例や寄生虫の生物学や病理学など,魚病学的に重要な参考文献を付記した。
著者
坂井 陽一 越智 雄一郎 坪井 美由紀 門田 立 清水 則雄 小路 淳 松本 一範 馬淵 浩司 国吉 久人 大塚 攻#橋本 博明
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.7-20, 2010

瀬戸内海安芸灘に位置する大崎上島の沿岸魚類相について,餌釣りと潜水観察による調査を実施した。ガラモ場の存在する桟橋を中心に調査定点を島の南部北部それぞれに設定し,オキアミ類とゴカイ類を餅に約10名が1時間釣りを行う作業を2007年5月から2008年3月まで隔月で実施し,出現魚類の季節変化を検討した。また,2007年5月から7月にかけて,屋代島から竹原までの安芸灘広域に9ゾーン26調査点を設け,同様の調査を実施し,出現魚類の水域ゾーン間の相違を検討した。本調査により総計29科63魚種を記録した。そのうち高水温期にのみ出現する南方系魚種は4種のみであった。記録した魚種の76%(48種)は伊予灘で記録されているものであった。一方,宇和海での魚類相データとの魚種共通率は30%前後に留まり, 安芸灘を含む伊予灘以北の水域が生物地理学的に中間温帯区(西村, 1981)と定義されていることの妥当性が裏付けられた。大崎上島において周年および冬期を除き常時記録されたのは,カサゴ,メバル,ハオコゼ,クジメ,アサヒアナハゼ,マダイ,ウミタナゴ,スズメダイ,メジナ,コブダイ,ホシササノハベラ,キュウセン,ホンベラ,クラカケトラギス,ホシノハゼ, イトヒキハゼ,ヒガンフグ,コモンフグであった。これら18魚種の多くは安芸灘広域調査においても広く出現が認められ,安芸灘の浅海魚類群集の基本構成種と考えられた。ホシササノハベラは愛媛県中島周辺水域での出現頻度が極めて高く,同様の安芸灘における主要な個体群が安芸灘南西エリアに存在する可能性が示唆された。また,過去に瀬戸内海での記録のないホシノハゼが安芸灘広くに確認され,急速に分布拡大を進めていることが示唆された。
著者
長澤 和也
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 : 広島大学大学院生物圏科学研究科紀要 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.7-12, 2016-12-25

高知県沿岸で養殖されていたブリSeriola quinqueradiata 幼魚2尾の筋肉に大型吸虫の寄生を認めた。この吸虫は各尾に1個体が寄生し,生時の体長約7–15mm で,わが国の養殖カンパチから報告されている「ヒルディネラ類吸虫」によく似ていた。寄生魚が見出されたのは2015年5月中旬で,養殖種苗はその約1か月前に高知県沖の北西太平洋で漁獲された。寄生魚の皮膚は寄生部位付近で凹凸を有し,筋肉には吸虫から排泄されたと考えられる黒色異物が見られた。Two big trematodes, provisionally identified as a hirudinellid, were found individually in the muscle of two juveniles (ca. 150 mm fork length) of Japanese amberjack, Seriola quinqueradiata Temminck and Schlegel, 1845, cultured in mid-May 2015 in coastal waters of Tosa Bay off Kochi Prefecture, Shikoku, western Japan. The trematodes were 7-15 mm long in fresh conditions. The juveniles were caught in the western North Pacific Ocean off Kochi Prefecture around 10 April 2015 and then cultured in net pens. The body surface of the infected juveniles was uneven in the affected area, and black substances, probably excreted by the trematodes, were found in the host's muscle.
著者
倉持 卓司 倉持 敦子 厚井 晶子 長沼 毅
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 : 広島大学大学院生物圏科学研究科紀要 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.23-26, 2014

高知県土佐湾を模式産地として記載されたアッキガイ科のトサパイプヨウラクMonstrotyphis tosaensis(Azuma,1960)が,鹿児島県薩摩硫黄島沖の水深239-240mより採集された。本種はこれまでに模式産地のほか和歌山県沖から記録されている。本報告は,この海域からの本種の採集初記録となる。
著者
Nagasawa Kazuya Fukuda Yutaka
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
Journal of the Graduate School of Biosphere Science, Hiroshima University (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.49-53, 2011-12-24

大分県豊後水道沿岸域で養殖されていたヒラマサSeriola lalandiの鰓からブリウオジラミCaligus spinosus Yamaguti, 1939,ブリS. quinqueradiataの体表からモジャコウオジラミCaligus lalandei Barnard, 1948を採集した.ブリウオジラミの寄生がわが国のヒラマサに初めて確認された.Two species of copepods of the caligid genus Caligus were found parasitic on amberjacks cultured in the Bungo Channel off the coast of Oita Prefecture, Kyushu, western Japan. They are Caligus spinosus Yamaguti, 1939 from the gills of yellowtail amberjack (Seriola lalandi), and Caligus lalandei Barnard, 1948 from the body surface of Japanese amberjack (Seriola quinqueradiata). This is the first confirmed record of C. spinosus from S. lalandi in Japan.
著者
中西 哲也 井関 和夫 宮下 幸久 小池 一彦 浜口 昌巳 手塚 尚明
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.21-30, 2010

2009年の6月29日-7月2日と8月22-23日に,周防灘において水温,塩分,クロロフィルα(以下chl. α),濁度の鉛直分布を調べた。6-7月にはchl. αの亜表層極大と海底高濁度層がほぼ調査海域全体に形成されていた。8月にはchl. α の亜表層極大は弱くなり,6-7月と較べて海底高濁度層の発達が顕著で,chl. α濃度の増加も見られた。6-7月と8月の両観測期間は,それぞれ小潮と大潮の時期に相当していたことから,潮汐周期が海底高濁度層の発達に影響を及ぼしている可能性が示唆された。また,両観測期間中に,灘西部の2観測点(水深10mの浅海域と30mの沖合域)において1-3時間毎の連続観測を行って日周変動を調べた。海底高濁度層は水温・塩分(および密度)の急激な変化時に最大値を示し,濁度層の分布パターン・厚さは潮汐周期と底層の水温・塩分・密度分布によく対応していた。さらに,塩分-chl. α,塩分-濁度,chl. α-濁度の関係から,粒状懸濁物を陸(河川)起源,海底高濁度層,亜表層クロロフィル極大,異水塊に由来するものに分別することができた。During June 28 to July 2 and August 22 to 23 in 2009, we investigated the distributiosn and diurnal variations of temperature, salinity, chlorophyll a (chl.α) and turbidity in Suo-sound, Seto Inland Sea. In June to July observation, the subsurface chl.α maximum layer (SCM) and the bottom turbid layer (BTL) were found throughout the Suo-sound. In August, the SCM almost diminished but the BTL significantly developed compared to June to July observations and chl.α also showed a noticeable increase in the bottom layer. June to July and August observations corresponded with a neap and spring tides, suggesting a close relation between the development of the BTL and the tidal cycle. The turbidity values of BTL showed a maximum when temperature and salinity changed rapidly, and the distribution pattern of the BTL well-corresponded to those of temperature and salinity, particularly in spring tide in August. Particulate matter was classified into four groups such as terrigeous matter, BTL, SCM, and different water mass according to salinity-chl.α, salinity-turbidity, and chl.α-turbidity relationships.
著者
清家 暁 二本木 俊二 海野 徹也 中川 平介
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.23-29, 2002
被引用文献数
3

島根県江の川において産卵期のアユ42個体の由来判別を耳石Sr/Ca比を用いておこなった。放流実績からすれば江の川水系には天然アユの他,琵琶湖産,人工海産アユが生息している。産卵群42個体の由来を判別した結果,天然アユは13個体,人工海産が26個体となり,湖産アユは皆無であった。したがって,江の川においては湖産アユが海産系アユの産卵行動に関与している可能性は低いと考えられた。Stock separation for spawning population of ayu Plecoglossus altivelis in the Gouno River was conducted using otolith Sr/Ca concentration ratio. Based on stock enhancement record, coexistence of amphidromus, hatchery-reared and landlocked ayu can be expected in the spawning population. In case of stock separation in the spawning population carrying out the otolith Sr/Ca ratio, 29 and 13 out of 42 individuals were categorized as the hatchery-reared and amphidromus ayu, respectively. The result of no landlocked ayu in the spawning population suggests that the contribution of the landlocked ayu to spawning and reproduction can be neglected at the Gouno River.