著者
谷本 和明
出版者
新潟国際情報大学情報文化学部
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:1343490X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.99-110, 2014-04-01

昨今、盛んに研究・導入が進んでいる次世代の代替エネルギーである、様々な再生可能エネルギーの活用は、まだ本格的な実用化に至っているとは言えない。2011 年までの地域や企業を取り巻くこれらの取り組みや比較は、谷本(1)でまとめた。本論文では、これらの取組の中から、我が国の現状や国民性に適した小規模の水力・火力発電の現状と可能性について論じる。さらに、昨年行った小(マイクロ)水力・火力発電に関する調査結果をまとめた。
著者
神長 英輔
出版者
新潟国際情報大学情報文化学部
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:1343490X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.1-14, 2012-04-01

1950 年代,全国各地で若者の合唱サークルが組織された.1940 年代末に起こったこの運動はうたごえ運動と呼ばれた.うたごえ運動は文化運動,労働運動,反核平和運動と連携し,1950年代半ばに最盛期を迎えた.しかし,早くも1960 年代前半には人気を失った.この運動はどのようにして同時代の若者の心をとらえたのか.またなぜ若者の心はうたごえ運動から離れていったのか.この論文は進化論の観点から文化を理解するミーム学の知見を用いてこの疑問に答える. ミームとは模倣であり,遺伝子に似た「文化の自己複製子」として理解される.うたごえ運動とは「正しく,美しく歌え」などの指示のミーム,「歌の力によって大衆を組織し,世を動かす」という物語のミーム,ミームとしての歌からなるミーム複合体である.うたごえ運動が拡大し,一転して衰えた過程はこれらのミームが複製された(されなくなった)過程として説明できる.
著者
藤瀬 武彦 杉山 文宏 松永 尚久 豊嶋 建広 長崎 浩爾
出版者
新潟国際情報大学情報文化学部
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:1343490X)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.203-215, 1998-03-20

The purpose of this study was to compare the strength performance and aerobic capacity between male non-contact karatedo athletes (N-karate) and male full-contact karatedo athletes (F-karate). There were two groups consisting of seven N-karate (weight : 65 ±3 kg) and seven F-karate (80±6 kg). The control group consisted of eighteen male university students (N-control) weighing 65±3 kg and eighteen male students (F-control) weighing 80±3 kg. All were measured for anthropometric characteristics and all performed physical fitness tests and aerobic capacity test by treadmill running until exhaustion. The body weight, percentage of fat, LBM, and the girth of chest, waist, hip, arm, and thigh on F-karate were significantly larger than those of N-karate. The girth of thigh of N-karate and F-karate were thicker (p<0.05) than those of N-control and F-control, respectively. There were significant differences between F-control and F-karate, and for N-karate and F-karate in the activities of strength performances of grip and back strength, of IRM of the squat, bench press, and dead lift by using barbell. This was not so for N-control and N-karate. However, N-karate showed no difference from F-karate on IRM per kg of body weight with regard to the squat and dead lift. The dead lift in N-karate (2.14±0.13kg/wt) trended to show the higher value than that in F-karate (2.00±0.21kg/wt). For the aerobic capacity, the, endurance times of the control, N-karate, and F-karate were 708±61sec, 899±164sec, and 937±110sec respectively, and there were significant differences between control subjects and karatedo athletes. The VO_2max of N-karate (51.7±3.9ml/kg/min) was the same as the one of F-karate (51.3±3.9 ml/kg/min). These values of karatedo athletes were higher than the one of control (48.0±4.2 ml/kg/min), but not significant statistically. These results suggest that karatedo athletes acquired higher strength performance and aerobic capacity through daily karatedo exercise and that the anthropometric and physical fitness characteristics of full-contact karatedo athletes might be attributed to the amount of weight training.
著者
高山 誠 平松 庸一 内田 亨
出版者
新潟国際情報大学情報文化学部
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:1343490X)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.121-128, 2015-04-01

本稿では、新潟県における妙高ゆきエビと村上鮭の養殖事業の事例を報告する。前者は、陸上養殖という特徴的な事例で、十分な技術によって良質な「製品」を作ることができた。しかし、販売面で、同種の他社製品や天然物と質の差別化ができず、また価格相応の価値を訴求することができないキャズム(chasm)によって、失敗した事例である。後者は、歴史と街づくりに裏打ちされた観光産業はじめ鮭の商品化を現在も進行しており、地方色豊かな事例である。地方発の養殖事業は、今後「漁業の6 次産業化」の推進が課題であろう。つまり、養殖による水産物の生産だけでなく、2 次産業的な水産物加工や3 次産業的な情報やサービス、観光をも視野に入れることである。
著者
槻木 公一
出版者
新潟国際情報大学情報文化学部
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:1343490X)
巻号頁・発行日
no.10, pp.189-192, 2007-05

本学における授業評価アンケートの集計作業プロセスを事例として、小規模な組織体における部分的な業務を対象とした情報システムの設計手法を考察する。小規模な業務組織では、頻度が少なく少量で多様な業務を個々人が担当して非継続的、断片的に仕事を進めているので、全面的にプロセスを見直すことは現実的でない。むしろ、人との「なじみやすさ」をもって現行のワークフローの中に新しい情報システムを組み込んでいく必要がある。そのためには組み込む機能もこま切れにし、わずらわしい進捗管理をできるだけ避けるように設計することが肝要である。
著者
正田 達夫 塚田 真一
出版者
新潟国際情報大学情報文化学部
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:1343490X)
巻号頁・発行日
no.4, pp.65-85, 2001-03

インターネット・ユーザーにおける、オンライン購買経験者(オンライン・ショッパー)と非購買者(ノン・ショッパー)の相違について、先行研究を参考に6仮説をたて、インターネット上でアンケート調査を行った。1,520名の回答を分析した検証結果は下記の通りである。H-1オンライン・ショッピング経験率と諸属性の関連度は、人口統計的変数よりもライフスタイル変数の方が高い。-検証不能。H-2専門店・百貨店との距離によりオンライン・ショッピング経験率には差がある。-検証不能。H-3情報機器所有度の高い層は、オンラインショッピング経験率も高い立証。H-4インターネット利用目的によりオンラインションピンク経験率は異なる-立証。H5オンラインショッパーは、革新性(イノベーティフネス)が高い立証。H-6オンライン・ショッパーは合理的購入者である-立証。その他のファインディングで注目すべきことは、(1)オンライン・ショッピングの利用意向は高い。(2)現在、オンライン・ショッピングの未経験者であっても、インターネットで情報収集を行っている者は多い。したがって、情報媒体としてのインターネットは極めて重要である。(3)インターネット上で利用しているサービスの種類にによって、ショッパー比率が異なるから広告管理上、広告出稿計画に当たっては留意が必要である。
著者
上西園 武良 小柳 孝治
出版者
新潟国際情報大学情報文化学部
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:24238465)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.96-102, 2016-04-01

缶入りコーンポタージュスープは、冬場の缶入りスープとして定着しており、幅広い年代の人に飲用されている。しかし、飲用後に缶内に粒コーンが残留し、粒コーンを全て飲み干すことができない、というユーザビリティ上の問題ある。この問題に対して、缶形状の改良やスープ粘度の調整などが提案されている。しかし、これら従来の研究では、本来注目すべき飲用時におけるユーザ動作に関して十分な解析がなされていない。そこで本研究では、飲用時におけるユーザ動作の人間工学的な解析を行い、飲用後の粒コーンの残留要因を明らかにした。まず、飲用時のユーザ動作の特徴と残留コーン数の関係を29 名の被験者実験によって明らかにした。この結果、残留コーン数は、種々のユーザ動作の特徴の中で、ユーザが何回に分けてスープを飲用するかの回数(以下では「飲む回数」)と強い相関(相関係数R=0.82)があることを見出した。さらに、この「飲む回数」とそのときの「缶の傾斜角度」を用いて模擬的な動作パターンを作成し、これを用いることで、被験者実験を行うことなく、残留コーン数に対するユーザ挙動を再現できることを示した。次に、缶内の粒コーンの挙動を観察するため、可視化を行った。金属缶は透明樹脂により透明化し、スープに関しては、ほぼ同一の粘性・密度を持つ透明液で置き換えた。これによって、飲用時における粒コーンの動きを観察可能にした。最後に、上記の模擬的な動作パターンを可視化した缶・スープで実行することにより、飲用時に粒コーンが残留する主要因は、飲み口の段差に粒コーンが引っかかってしまうことであることを実験的に明らかにした。製品設計 / ユ-ザビリティ / 飲料缶 / 人間工学
著者
寺本 義也 内田 亨
出版者
新潟国際情報大学情報文化学部
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:24238465)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.71-79, 2016-04-01

本稿では、まず、水産大国であるノルウェー王国の経済と水産業を概観した。ノルウェー王国の水産業は、GDP 構成比0.8%、就業人口0.6%と少ないものの、輸出品としては、水産物が2 番目に来ている。次に、ノルウェーの水産業とそれを支援する機関がどのような役割を果たしているのか明らかにした。第一に、ノルウェー水産物審議会(NSC)の主な活動は、マーケティング、市場への情報提供、コミュニケーション、の3つである。そして、NSC は、ノルウェーにおける水産業のマネジメントとしてサステナビリティの3つの柱(社会、経済、環境)を打ち立てている。第二に、ノルウェー産業科学技術研究所(SINTEF)は、先端的R&D 支援を行う研究機関であり、水産業及び養殖業のマネジメント、沿岸域の管理、漁業と養殖管理について、それらの重要性を明らかにしている。また、技術革新と高品質の科学による「ノルウェーモデル」を掲げている。