著者
山口 雄仁 鈴木 昌和 川根 深 駒田 智彦 金堀 利洋
出版者
日本大学短期大学部
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

印刷ないしPDFの理数系文書をアクセシブルな電子書籍形式であるDAISYに変換するOCR技術の改良,理数系DAISY編集・閲覧ソフトウェアの開発,日本語理数系教材をきちんと取り扱えるようにDAISY形式を拡張・改良する研究などを行った。その結果,全盲・重度弱視・発達性読字障害など様々な形で視覚に障害を持つ生徒が,インクルーシブな教育環境で晴眼者と同じ科学教材を共有するための基礎が確立できた。
著者
山口 雄仁 藤芳 明生 渡辺 哲也 鈴木 昌和 相澤 彰子 川根 深 駒田 智彦 金堀 利洋
出版者
日本大学短期大学部
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では,全盲・重度弱視・発達性読字障害など様々な形で視覚に障害を持つ児童・生徒が,インクルーシブな教育環境でデジタル教科書を容易に利用できるようにするため,電子書籍の国際標準規格EPUB3(DAISY4)に準拠するアクセシブルなデジタル教科書の標準モデルを確立した。それに基づいて既存のデジタル教科書に含まれる数式・化学式や図・グラフ・表・地図など特殊表記・2次元情報を,バリアフリー化するためのコンテンツ制作・編集システムと,多言語でそうしたコンテンツを利用するための閲覧システムなどを開発するとともに,わかりやすい触読図製作ツール,理数系文書理解支援技術などを研究した。
著者
山口 雄仁 渡辺 哲也 岡田 伸一 鈴木 昌和 川根 深
出版者
日本大学短期大学部
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本課題研究は大きく分けて,1.数式を含む文書の光学的文字認識(OCR)システムの開発と2.OCRされた文書の日本語による自動読み上げシステムの開発から構成される。それぞれについて,研究成果の概要は以下の通りである。1.については,(1)日本語・英語両方の文章から数式領域を正確に切り出す技術の確立,(2)数学記号認識の精度を大きく向上させる新たな特徴抽出法の研究や数学記号用認識辞書の整備,(3)認識結果をLa TeXを含む様々なファイル形式で出力する技術の開発などを行い,高度な理数系専門書でも精度よくOCR出来るようになった。また視覚障害学生でも,音声操作でOCRが出来るような環境を用意した。2.については,(1)La TeXで書かれた文章を汎用エディターに読み込み,それを文章解析して数式部分を日本語できちんと理解出来るように音声出力する,Windows汎用画面読み上げソフトウェアに対応した音声マクロを開発し,(2)評価実験を通してその音声マクロの読み上げ法や操作環境の改良を行った。その結果,ある程度理数系の専門知識がある学生であれば,容易に音声で理数系文書の内容が理解出来るようになった。以上の2つを組み合わせれば,墨字で印刷された理数系専門書に音声で十分アクセスすることが出来,理数系視覚障害学生が自立的に墨字文書を読む道が開けたと言える。これは,今後1と2が一体化したより汎用な「数式自動読み上げシステム」を開発する上で,重要な指針を与えるものである。
著者
室伏 誠
出版者
日本大学短期大学部
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

平成5・6年度の研究により以下の知見を得ることができた。すなわちイセエビ類を中心とする大型エビ類の染色体解析を行った結果、本邦産イセエビP.japonicus、米国ハワイ産イセエビ(P.marginatus)、インドネシア産イセエビ2種(P.homarus,P.longipes)、ニュージーランド産イセエビ(Jasus edwardsii)、および西アフリカ産イセエビ(J.lalandii)の計6種の染色体数並びに核型は、染色体数がそれぞれ 2n=112、118、150、110、142、136で、核型はそれぞれ38M+16SM+18ST+42A、88M+14SM+16A、64M+20SM+34ST+32A、38M+16SM+8ST+48A、50M+36SM+4ST+52A、100M+14ST+22Aであった。これら6種すべての染色体数並びに核型に種特異性が認められた。世界各水域のイセエビ類の染色体に認められた種特異性から、染色体構造変異に基づく分化の道筋を解析した。各エビ類の染色体構造比較では、イデオグラムからは、染色体構造の差異を生じる構造変異について解析するとともに、各染色体の全腕長、短腕長、長腕長および腕比の比較により、構成染色体の分布に、種ごとに顕著な差があることが明らかとなった。さらに、染色体内部の構造比較に有用な分染法について調査を行った結果、本邦産イセエビP.japonicusの染色体のAg-NOR's分染において、3対のM型染色体に濃染部が確認され分染による染色体構成解析の可能性が示唆された。以上の研究成果は、2つの国際会議(Fourth International Workshop on Lobster(三陸町),Fifthth International Symposium Genetics in Aquaculture(Halifax,Canada))および2つに国内学会(平成6年度日本水産学会秋季大会(津市)、日本甲殻類学会第32回大会(福岡市)において、発表した。なお、これら知見については、近く関係学会誌に発表の予定である。
著者
太田 尚子
出版者
日本大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

魚肉水溶性タンパク質(WSPC)のゲル化特性の解明とその高機能化を図ることを目的として,WSPCのカプリン酸ナトリウム誘導ゲル形成能をオボアルブミン(OVA)の存在下並びに非存在下で調べた.まずゲル形成に先立ち,無添加魚肉水溶性タンパク質(WSP)の動的粘弾性挙動をオレイン酸ナトリウムの存在下及び非存在下で調べたところ,無添加WSPの場合に比べ、このタンパク質-脂質混合系において水素結合が混合系サスペンジョンの弾性率の増加を促していることが示唆された.次に、WSPCを用いたレオロジー測定により、WSPC単独ではゲル形成に至らないが、OVAとの混合タンパク質では常温下でゲルを形成することが判った.この混合ゲルの微細構造を走査型電子顕微鏡観察したところ、カプリン酸ナトリウム誘導OVAゲルのそれに匹敵するくらいの微細な網目構造を持っている事が判った.更に,フーリエ変換赤外分光分析により、カプリン酸ナトリウム誘導OVAゲルの場合には、そのゲル形成過程に分子間β-シートに基づくアグリゲーションバンドが現れることが明らかになった.しかしながら,WSPCとOVAから成る混合タンパク質の場合には顕著なアグリゲーションバンドが見出されず,混合タンパク質でのゲル化に伴う二次構造変化の挙動は明らかにはできなかった.今後更に,WSPCの混合ゲル中での物性発現がどのような機構に基づいているものかを解明する事が必要である.
著者
室伏 誠
出版者
日本大学短期大学部
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

魚類の性染色体分化について明らかにする目的で、染色体調査を行った。分析を行った魚種は、トラギス科、ハタ科、ネンブツダイ科、スズメダイ科、ツバメコノシロ科、タカベ科、アジ科、タイ科、イシダイ科、タカノハダイ科、カワハギ科、セミホウボウ科、ゴンズイ科の計13科21種である。染色体調査は、著者らが確立した鰭組織の初代培養法によって得た培養細胞を用いた。染色体数は、クラカケトラギスの2n=26から、ツバメコノシロの2n=50の範囲に含まれ、このうち48が最も多く12種であった。一方、核型は、すべて単腕型を示したコウライトラギス他7種から、すべて両腕型であったクロホシイシモチ他1種までさまざまであった。このうち、NZ産カワハギについては日本生物地理学会誌(1989)に、同国産ブル-モキについては同学会第45回大会において発表した。中でも、性染色体分化に関する興味深い知見がスズメダイ科1種において観察された。すなわち、スズメダイでは、対をなさない大型のM型染色体をもつ2n=47の雄個体と、それを含まずA型染色体が1対多い2n=48の雄および雌個体が観察された。雄に見られた2つのタイプは、複合性染色体機構の派性過程にあるため、XYとXXYの両タイプが混在するものと考えられた。本結果については近く関連学会で発表の予定である。次に染色体判別のためNOR's分染を行ったところ、15種のうち13種において1ないし23対の染色体に濃染部が認められた。その他の分染法も含めマ-カ-染色体の調査が今後課題である。一方、異形を示すマダイのST染色体について、50個体の稚魚を用いてその変異を調査した。その結果、染色体が観察された41個体のうち、短腕部の大きなL型と小さなS型の出現状況は、SS型22個体、LS型7個体、不明12個体であった。これらの変異は、雌雄差による可能性も考えられ今後さらに調査を行う予定である。これら結果は日本水産学会平成2年度大会においてその概要を報告した。