著者
金堀 利洋 鈴木 昌和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.66, pp.7-10, 2005-05-12

Webアクセシビリティの意識が浸透しつつある一方で, 情報がPDFとして提供される流れが加速している.配布されているPDFには文字情報が、人が読む順序と異なる順番に埋め込まれていて、視覚障害者がその内容を読み取る事は困難な場合が多い.また, 数式の情報が読み取れる形で入っていることはほとんど無い.今回, 特に数式や表を含んだ科学技術文書を対象とし, PDFに既に埋め込まれている文字情報を抽出し, 一方で, PDFを画像として認識し, 認識結果と抽出した文字情報を組み合わせ, 質の高い, アクセシブルな文書情報をPDFから取り出すことを目的とするシステムのプロトタイプを示す.
著者
山口 雄仁 鈴木 昌和 川根 深 駒田 智彦 金堀 利洋
出版者
日本大学短期大学部
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

印刷ないしPDFの理数系文書をアクセシブルな電子書籍形式であるDAISYに変換するOCR技術の改良,理数系DAISY編集・閲覧ソフトウェアの開発,日本語理数系教材をきちんと取り扱えるようにDAISY形式を拡張・改良する研究などを行った。その結果,全盲・重度弱視・発達性読字障害など様々な形で視覚に障害を持つ生徒が,インクルーシブな教育環境で晴眼者と同じ科学教材を共有するための基礎が確立できた。
著者
山口 雄仁 藤芳 明生 渡辺 哲也 鈴木 昌和 相澤 彰子 川根 深 駒田 智彦 金堀 利洋
出版者
日本大学短期大学部
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では,全盲・重度弱視・発達性読字障害など様々な形で視覚に障害を持つ児童・生徒が,インクルーシブな教育環境でデジタル教科書を容易に利用できるようにするため,電子書籍の国際標準規格EPUB3(DAISY4)に準拠するアクセシブルなデジタル教科書の標準モデルを確立した。それに基づいて既存のデジタル教科書に含まれる数式・化学式や図・グラフ・表・地図など特殊表記・2次元情報を,バリアフリー化するためのコンテンツ制作・編集システムと,多言語でそうしたコンテンツを利用するための閲覧システムなどを開発するとともに,わかりやすい触読図製作ツール,理数系文書理解支援技術などを研究した。
著者
鈴木 昌和 内田 誠一 岡本 正行 玉利 文和 藤本 光史 金堀 利洋 山口 雄仁 藤芳 明生
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

科学技術文書のスキャン画像を検索や音声や点字などのアクセシブルなデータに変換可能な電子データに変換するシステム構築に不可欠な数式認識と、数式を含んだ文書のレイアウト解析の高精度化に関する研究を行った。特に大量の頁の文書の電子化に有効な適合型認識システムのアルゴリズムを文字認識、数式構造解析、レイアウト解析の各レベルで開発し実装を行った。また、類似記号が多い数式の文字認識精度向上のため、サポートベクターマシンを用いた類似数学記号識別の評価テストも行った。
著者
天野 和彦 金堀 利洋 中村 文信
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
国立大学法人筑波技術大学テクノレポート (ISSN:18818587)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.151-160, 2008

筑波技術大学保健科学部としては第1回、筑波技術短期大学視覚部時代からは通算で6回目のアメリカ研修を平成19年3月7日から同15日までの日程で行った。 研修期間の前半は大学間交流協定締結校のひとつであるニューヨーク州立大学バッファロー校(UB)を訪れた。訪問した学内の障害補償支援センターやニューヨーク州西部生活自立支援センターでは、高等教育機関やニューヨーク州・アメリカ国内における障害者支援や社会自立について理解を深めた。語学研修センターでは実際の授業に参加する機会を得た。 期間の後半は場所をニューヨーク市に移して、参加学生自らの立案により、東洋医学に関するプログラムを提供しているパシフィック・カレッジ・オブ・オリエンタル・メディスン(PCOM)を主たる研修先として訪問した。そこでは、アメリカ国内での東洋医学の現状と今後の展望などについて理解を深めた。
著者
金堀 利洋
出版者
筑波技術大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

Webページ上の文章をマウスや指でタッチすることで、その部分の単語・文章・段落を読み上げる、主に視覚障害者向けのシステムを作成した。このシステムはWebページ上から利用者が求める情報を早く取得することを目的としている。ページ上に必要な情報があるかどうか、その情報がどこにあるか素早く判断できるようにするために、ページ内の単語をランダムに読み上げる、各段落の先頭の数単語を読み上げる、などの機能も提供している。
著者
金堀 利洋 橘 美紗 鈴木 昌和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.612, pp.61-66, 2007-03-16
被引用文献数
2

点字文書は点字のみから構成されたデータで配布されることがほとんどである.その際,点字はかな文字のみで表記されるために,漢字はその読みに直され表記される.これでは,同音異義語や,特に専門書などで未知の用語が出てきた場合,判断・理解することが困難となる.現在,我々は数式文書の点訳システムを開発し,実際に数学書等の点訳を行なっており,その報告を[4-6]にわたって行なってきた.今日は,画面読み上げシステム(スクリーンリーダ)の漢字の詳細読みデータを用いて,点訳時に漢字の詳細読みを点訳結果に持たせる点訳システムと,点字結果にその詳細読み情報を持たせるためのデータ形式の提案を行ない,さらにその詳細読みを提示できる点字ビューワのプロトタイプを示す.