著者
山口 雄仁 鈴木 昌和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.65, pp.23-27, 2012-05-18
参考文献数
16

デジタル教科書の本格導入が近い将来予定されている中で,理数系デジタルコンテンツのアクセシビリティは積み残された大きな問題である。ここでは,近年アクセシブルな電子書籍の形式として世界的に広く普及しつつあるDAISY(Digital Accessible Information System)を取り上げ,テキストDAISY形式による日本語理数系教科書製作の問題点を議論する。テキストDAISYの日本語音声合成による読み上げでは,専門用語の読み間違い,息継ぎや抑揚のおかしな箇所などがしばしば見られる。さらに日本語固有ではない問題として,数式の読み間違いも発生する。しかし現行のDAISYにはそれらを適切に修正・制御する方法がないため,DAISY形式のデジタル教科書を製作する上で問題が大きい。さらに障害者自身がDAISYコンテンツを製作できないという問題もある。我々はDAISY形式の改良を提案するとともに,全盲者用の数学文書エディタを元に新たにテキストDAISY編集・閲覧ソフトウェアを開発した。これを用いれば,晴眼者・障害者両方が,非技術的内容から理数系文書までの,読み間違いのないDAISY書籍を製作できる。
著者
山口 雄仁 鈴木 昌和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.65, pp.23-27, 2012-05-18

デジタル教科書の本格導入が近い将来予定されている中で,理数系デジタルコンテンツのアクセシビリティは積み残された大きな問題である。ここでは,近年アクセシブルな電子書籍の形式として世界的に広く普及しつつあるDAISY(Digital Accessible Information System)を取り上げ,テキストDAISY形式による日本語理数系教科書製作の問題点を議論する。テキストDAISYの日本語音声合成による読み上げでは,専門用語の読み間違い,息継ぎや抑揚のおかしな箇所などがしばしば見られる。さらに日本語固有ではない問題として,数式の読み間違いも発生する。しかし現行のDAISYにはそれらを適切に修正・制御する方法がないため,DAISY形式のデジタル教科書を製作する上で問題が大きい。さらに障害者自身がDAISYコンテンツを製作できないという問題もある。我々はDAISY形式の改良を提案するとともに,全盲者用の数学文書エディタを元に新たにテキストDAISY編集・閲覧ソフトウェアを開発した。これを用いれば,晴眼者・障害者両方が,非技術的内容から理数系文書までの,読み間違いのないDAISY書籍を製作できる。
著者
藤芳 衛 石田 透 澤崎 陽彦 山口 雄仁 大武 信之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.128, pp.1-6, 2002-06-13
参考文献数
11

世界共通文字コード体系Unicodeに対して点字記号を割り付けることにより世界的に点字記号を統一することが可能となる.数式等,各国で世界共通に使用されているUnicode上の図形文字には世界共通の点字記号を割り付ける.また,各国特有の図形文字にはその国独自の点字記号を割り付ける.この世界共通の点字記号集合と各国独自の点字記号集合との和集合として各国別に統一された点字記号体系を開発することが可能である.このため,Unicode上の図形文字に2004年に世界の英語圏で採択される予定となっている統一英語点字記号と現行の日本語の仮名の点字記号とを割り付け,統一日本語点字記号の開発を進めている.
著者
藤芳 衛 藤芳 明生 大武 信之 山口 雄仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.612, pp.73-78, 2007-03-16

視覚障害者と健常者が点字の教科書や教材の触読図の作成にあたり作図データを共有し,相互協力して作図作業を行うことができるユニバーサル・デザインの作図システムを開発した.従来のコンピュータによる触読図作図システムはマウス等を使用するGUI(Graphical User Interface)であり,視覚障害者には使用不可能であった.また,視覚障害者が点字試験問題の触読図の自立的作成を可能にするため開発した作図システムBplotはCUI(Character User Interface)であり,健常者には効率的とは言えなかった.このため,CUIのBplotをさらに改良すると共に,GUIにも対応し,ユニバーサル・デザインを実現した.
著者
山口 雄仁 鈴木 昌和 川根 深 駒田 智彦 金堀 利洋
出版者
日本大学短期大学部
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

印刷ないしPDFの理数系文書をアクセシブルな電子書籍形式であるDAISYに変換するOCR技術の改良,理数系DAISY編集・閲覧ソフトウェアの開発,日本語理数系教材をきちんと取り扱えるようにDAISY形式を拡張・改良する研究などを行った。その結果,全盲・重度弱視・発達性読字障害など様々な形で視覚に障害を持つ生徒が,インクルーシブな教育環境で晴眼者と同じ科学教材を共有するための基礎が確立できた。
著者
山口 雄仁 藤芳 明生 渡辺 哲也 鈴木 昌和 相澤 彰子 川根 深 駒田 智彦 金堀 利洋
出版者
日本大学短期大学部
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では,全盲・重度弱視・発達性読字障害など様々な形で視覚に障害を持つ児童・生徒が,インクルーシブな教育環境でデジタル教科書を容易に利用できるようにするため,電子書籍の国際標準規格EPUB3(DAISY4)に準拠するアクセシブルなデジタル教科書の標準モデルを確立した。それに基づいて既存のデジタル教科書に含まれる数式・化学式や図・グラフ・表・地図など特殊表記・2次元情報を,バリアフリー化するためのコンテンツ制作・編集システムと,多言語でそうしたコンテンツを利用するための閲覧システムなどを開発するとともに,わかりやすい触読図製作ツール,理数系文書理解支援技術などを研究した。
著者
吉田 洋明 近藤 理良 山口 雄仁 石川 芳男
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
設計工学・システム部門講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.102-105, 2003
被引用文献数
1 1

In the present paper, we applied a new optimization method using a stochastic process to the design of the hang glider. As for this problem, not only the hang glider design but also its flight path are optimized at the same time. The method obtains a solution as an expectation (probability average) using stochastic process. The advantages of this method are not to be affected by initial conditions and not to need techniques based on experience. In this optimization problem, the numerical calculation results show that the method has a sufficient performance.
著者
山口 雄仁 川根 深 澤崎 陽彦
出版者
公益社団法人日本数学教育学会
雑誌
日本数学教育学会誌 (ISSN:0021471X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.9, pp.239-247, 1996-09-01
参考文献数
5
被引用文献数
11
著者
山口 雄仁 渡辺 哲也 岡田 伸一 鈴木 昌和 川根 深
出版者
日本大学短期大学部
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本課題研究は大きく分けて,1.数式を含む文書の光学的文字認識(OCR)システムの開発と2.OCRされた文書の日本語による自動読み上げシステムの開発から構成される。それぞれについて,研究成果の概要は以下の通りである。1.については,(1)日本語・英語両方の文章から数式領域を正確に切り出す技術の確立,(2)数学記号認識の精度を大きく向上させる新たな特徴抽出法の研究や数学記号用認識辞書の整備,(3)認識結果をLa TeXを含む様々なファイル形式で出力する技術の開発などを行い,高度な理数系専門書でも精度よくOCR出来るようになった。また視覚障害学生でも,音声操作でOCRが出来るような環境を用意した。2.については,(1)La TeXで書かれた文章を汎用エディターに読み込み,それを文章解析して数式部分を日本語できちんと理解出来るように音声出力する,Windows汎用画面読み上げソフトウェアに対応した音声マクロを開発し,(2)評価実験を通してその音声マクロの読み上げ法や操作環境の改良を行った。その結果,ある程度理数系の専門知識がある学生であれば,容易に音声で理数系文書の内容が理解出来るようになった。以上の2つを組み合わせれば,墨字で印刷された理数系専門書に音声で十分アクセスすることが出来,理数系視覚障害学生が自立的に墨字文書を読む道が開けたと言える。これは,今後1と2が一体化したより汎用な「数式自動読み上げシステム」を開発する上で,重要な指針を与えるものである。
著者
鈴木 昌和 内田 誠一 岡本 正行 玉利 文和 藤本 光史 金堀 利洋 山口 雄仁 藤芳 明生
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

科学技術文書のスキャン画像を検索や音声や点字などのアクセシブルなデータに変換可能な電子データに変換するシステム構築に不可欠な数式認識と、数式を含んだ文書のレイアウト解析の高精度化に関する研究を行った。特に大量の頁の文書の電子化に有効な適合型認識システムのアルゴリズムを文字認識、数式構造解析、レイアウト解析の各レベルで開発し実装を行った。また、類似記号が多い数式の文字認識精度向上のため、サポートベクターマシンを用いた類似数学記号識別の評価テストも行った。