著者
福原 敏男
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

2007年4月、水戸東照宮祭礼の絵画史料、江戸時代のコース探索、宇都宮の二荒山神社の菊水祭の絵画資料の調査を行なった。関東地方における祭礼風流を知る最適な事例であることが判明した。4月、岩手県日高火防祭調査をおこなった。町印と囃子の関係を解明する意図口を捜すことが出来た。6月、京都市個人蔵八代祭礼絵巻・北野天満宮祭礼絵巻調査、前者は新発見の絵巻であり、地方の祭礼としては最も精密な絵画資料と認識できた。9月、長野県千曲市の武水別八幡宮仲秋祭及び千曲市代地区の屋台の調査を実施した。9月、兵庫県立歴史博物館において「三山祭礼図屏風」調査を行なった。10月、三年に一度催される静岡県島田市の帯祭りの調査を行なった。現在でも東京より邦楽師を招いてお囃子を行う実態、鹿島踊り、奴ぶりなどのフィールドワークを行った。東海道による祭礼伝播について確認することができた。10月、埼玉県川越祭の調査を行なった。関東の有数の山車祭りとして有名な同祭の参与観察を行なった。あわせて、祭礼図絵馬の調査も行った。10月、岡山県牛窓の唐子踊り調査を行なった。朝鮮通信使に伴う祭礼風流について確認することができた。2008年3月、福岡県久留米市において御繁昌と称した五穀神社祭礼資料を調査、甘木市において祇園祭資料を調査、大分県別府市と竹田市において祭礼資料を調査、山口県柳井市、広島県広島市、竹原市、福山市靹の浦において、祭礼資料を調査した。平成19年度はまとめとして、都市の祭礼風流に関して、前三ヵ年において調査できなかった事例の補充調査を実施した。
著者
渡邉 恵理子
出版者
日本女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では3次元情報を維持したまま、データベースに登録された大容量の3次元(2次元も可)画像に対して位相情報を利用することで超高速・高精度な認証・検索を実現するものである。この研究は以下の3つの要素技術(1)3次元画像情報の位相符号化、(2)3次元光相関における体積位相ホログラムの設計と解析、(3)同軸記録方式による光相関光学設計とシステム化、により構成される。このシステムを基盤技術としたアプリケーションとして、超高速なバイオメトリクス認証サーバ、更に画像計測技術への応用も検討した。(1)3次元画像情報の位相符号化入力面において3次元画像情報を位相情報で符号化することで、3次元情報と3次元情報のまま、直接比較演算を行える位相相関演算を開発した。モデル化手法に基づき取得した3次元情報の位相符号化に成功し、基本的な3次元像の認証に成功した。これらは生体細胞などの3次元物体に応用できる。(2)光相関における体積位相ホログラムの設計と解析光相関では画像情報の空間周波数成分の寄与率が演算の重要要素になる。そのためには(1)で符号化した入力画像に対し参照波を検討する必要がある。位相相関用の参照光の設計により、原理実験に成功した。(3)同軸型記録方式による光相関システム記録情報を同軸方式で記録し、超高速全光型認証システムを構築し、原理実験に成功した。構築した高精度アルゴリズムと大容量記録可能なホログラフィック光ディスクを融合した本システムを、強度情報である顔画像に応用可能であることを示した。高速転送速度実現に向け多重間隔50μm、回転速度600rpmで光相関演算を行い、認証率100%の高精度な結果を得た。
著者
藤浪 理恵子
出版者
日本女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

シダ植物小葉類は維管束植物の系統関係で最も基部に位置し、根と茎の形態進化を明らかにする上で重要なグループであると考えられる。本研究は、小葉類の根頂端分裂組織(RAM)の構造と、根と茎の分枝様式を解析し、真葉類(大葉類と種子植物)との比較から進化過程を明らかにすることを目的とした。その結果、小葉類のRAM構造は真葉類に匹敵するほど多様であり、根は小葉類と真葉類で平行的に進化したと推定された。また、小葉類の根の分枝様式は二又分枝であるのに対し、茎は二又分枝だけでなく単軸分枝ももつと示唆された。従って、小葉類の根と茎の分枝様式が違うことから、根と茎の起源は小葉類の時点で異なる可能性が推測される。
著者
東海林 まゆみ
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

水の波の分岐問題に関し、従来の研究でやり残したいくつかの間題を再度取り上げてみた。その結果本研究では、渦あり流れの数値シミュレーションにおいて下記のような成果を得た。渦度分布を種々に変化させて分岐解を数値計算し、以前の研究結果と合わせて極限波形状を調査・分類することが目的である。自由境界領域における渦あり問題を数値計算するのにはZeidlerの方法を用いた。しかし数値実験を進める過程で、この方法では計算できない(closed eddyが生じる)場合があることがわかった。現在までに渦度一定の場合にclosed eddyが存在することはわかっているが、一般の渦度分布でも発生し得るのか、またその場合にはどのような解決策があるか、は今後の課題である。ここでは計算可能な場合について差分法で数値シミュレーションを行い、いくつかの結果を得た。深さは有限の場合のみを扱った。無限深さの場合にはプログラミング上の問題が解決できていない。これも今後の課題である。本研究で得た計算結果は、下記の通りである。以下、渦度関数は常に正または負で、定数あるいは水深とともに減衰するような関数を考えた。たとえ僅かでも表面張力が働く場合には、渦度分布をどのように与えても極限波はすべてoverhanging typeあるいはoverlapped typeになった。一方重力波で渦度が水深とともに減衰する場合には、cornerあるいはcuspを持つ極限波となる。また重力波で渦度一定の場合には、極限波に至る途中でoverhanging typeの波形が現れ、その後cornerを持つ極限波に至る。これまでの数値実験によると、重力波においてこのようなoverhanging typeの波形が現れるのはこの渦度一定の場合のみであった。これは注目すべき現象であり、今後更に検討していきたいと考えている。以上の研究成果は、2004年11月台北の科学院数学研究所で開催された研究集会において発表した。更に2,3のデータを揃えた上で論文としてまとめる予定である。
著者
新藤 一敏 三沢 典彦
出版者
日本女子大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

我々はアピオス(Apios americana Medik、和名ホドイモ)に新規化合物を含む8種のイソフラボン配糖体(化合物1 - 8)が存在することを初めて明らかとし、それらの化学構造を決定するとともに、生理活性を検討した。その結果、化合物2, 5が男性ホルモン拮抗作用を有することを見出した。しかしイソフラボン配糖体は小腸で、β-グルコシダーゼ作用でアグリコンとなって血液中に吸収されて生理活性を示すことが報告されているので、次に化合物1 - 8を酵素処理してアグリコンとして(化合物9 - 12)、それらの活性を調べなおした。その結果、化合物10が強い女性ホルモン様作用を有することを発見した。
著者
NGUYEN V. Chuyen 川上 正舒 黒木 昌寿
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究において、カロテノイドの一種であるアスタキサンチンは酸化反応および白内障の進行を効果旨的に抑制するという結果を得ていることから、他の食餌性抗酸化剤の併用による糖尿病合併症の抑制効:果について明らかにすることとした。即ち、アスタキサンチンとアスコルビン酸、α-トコフェロール、トコトリエノールの各抗酸化剤の併用による効果について検討した。その結果、アスタキサンチンとトコフェロールあるいはトコトリエノールを併用した場合では、対照群に比し酸化抑制が観察された。また、酸化ストレスの指標となる尿中8-OHdGの低値も観察された。一方、アスタキサンチンに高濃度のアスコルビン酸を併用した場合では、腎臓中の過酸化脂質生成量が多く、過剰なアスコルビン酸の摂取は、生体内における過酸化反応を促進する可能性があることが明らかとなった。また、アスタキサンチンには、体内におけるα-トコフェロールの消費を抑制し、体内に蓄積させる作用があることも示された。さらに、アスタキサンチンと水溶性抗酸化剤のフラバンジェノールの併用による糖尿病の進行抑制効果を検討した。その結果、糖尿病ラットにおいて、肝臓、腎臓および血清において、アスタキサンチンとフラバンジェノールを併用した場合では、対照群に比べて脂質過酸化反応および白内障の抑制がみられた。また、尿中8-OHdGも低値を示したことから、これらの抗酸化剤の併用は、酸化ストレスの抑制により、生体組織中の過酸化脂質の生成および蓄積を有効に抑制しうることが示唆された。さらに、血清中の中性脂肪値についても、アスタキサンチンとフラバンジェノールの併用により低くなる傾向が示され、糖尿病における脂質代謝異常を改善させる可能性が示唆された。これらの結果から、アスタキサンチンとフラバンジェノールの併用は、糖尿病による生体内の過酸化反応を有効に抑制し、糖尿病およびその合併症の予防・進行抑制に効果を示すことが期待された。今後、糖尿病の予防法と治療法の開発が大きな課題となると考えられ、本研究の成果がその一助となることを期待する。なお、病院での臨床試験は2007年中に行う予定である。